11月15日(土) 第88回天皇杯5回戦
鹿島 3 - 4 清水 (13:00/カシマ/5,158人)
得点者:17' 兵働 昭弘(清水)、27' 増田 誓志(鹿島)、50' マルキーニョス(鹿島)、80' 山本 真希(清水)、104' 枝村 匠馬(清水)、114' マルシーニョ(鹿島)、119' 原 一樹(清水)
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「これでヤマザキナビスコカップのいろんなモヤモヤという部分が一掃できたのではないかと思っています」
試合後、清水の長谷川健太監督の表情は晴れやかだった。一度は逆転を許しながらも後半に追いつき、延長戦では追いすがる相手を突き放しての逆転勝ち。ヤマザキナビスコカップ決勝という肝心な試合で本来の力を出し切れなかった悔恨を吹き飛ばす見事な勝利となった。
延長戦を合わせた120分で、決まったゴールが7つ。キックオフ直後、この試合がそうした激闘になるとは誰も予想しない静かな立ち上がりだった。鹿島は中盤をボックス型にするいつもの4−4−2でスタートしたのに対し、清水はワンボランチではなくダブルボランチの4−2−3−1。1トップに矢島卓郎、その下に枝村匠馬、右に兵働昭弘、左に原一樹が開き、ボランチの2枚には伊東輝悦と山本真希が入った。右の兵働が対面の左サイドバック・新井場徹、左の原が右サイドバック・増田誓志をケアすることで鹿島のサイドバックの動きを封じようとした。
前に4枚が張るため、清水は前線へのロングボールが多くなり、必然的にポゼッション時間は鹿島が長くなった。興梠慎三のドリブル突破でCKを獲得するなど鹿島に流れが行きつつある中で唐突に先制点が入る。決めたのは兵働。左サイドの原から中央でボールを受け、鹿島の中盤のプレッシャーが弱いと見ると左足でミドルシュート。鹿島DFにかすったボールは曽ヶ端準の逆を取りゴールへと吸い込まれた。
鹿島もすぐさま反撃。サイドを固める相手に対して本山雅志が中央に切れ込むドリブルで揺さぶりをかける。28分、その本山が右サイドで獲得したFKを中後雅喜がゴール前へ。一度はクリアされエンドラインに流れたボールを、ライン際で止めた伊野波雅彦が中央に折り返すとフリーで増田がヘディングシュート。なんなくゴールを決め、鹿島が1−1に追い付いた。その後、鹿島は青木剛や中後のミドルシュートでゴールに迫るものの、お互いに流れを掴めないまま前半を終えた。
後半、見違えるような動きを見せたのは鹿島。キックオフと同時に攻め立て、攻撃はすべてシュートかCKで終えペースを掴む。そして50分、ロングボールがマルキーニョスと青山直晃のもとへ飛ぶ。いち早くポジションを取ったマルキーニョスを青山がファウル気味に潰し、右にボールがこぼれると、そこにいち早く走り込んだのは本山。慌てて西部が詰めたものの本山を倒してしまいPK。これをマルキーニョスが落ち着いて決め鹿島が2−1と勝ち越す。
その後も攻め立てる鹿島。特に70分を過ぎたあたりではカウンターのチャンスを何度となくつくる。しかし、いずれもラストパスの精度が悪く清水DFにカットされたり、シュートをブロックされ得点につながらない。鹿島にとってはここで追加点を決めていれば試合は終わったはずだった。対する清水はロングボールを送るばかり。しかし、中盤が間延びしてしまったため、鹿島の最終ラインは押し上げることが出来ない。徐々に攻撃を受けるようになってしまうと80分。左サイドから中央に切れ込んだ山本真希が右足を一閃。ファーサイドに巻き込むような見事なミドルシュートが決まり2−2。清水が試合を振り出しに戻した。鹿島にしたらこの失点は大誤算だった。この失点で本山との交代を待っていた遠藤康を慌ててベンチに戻す。再び攻勢に出なければならなくなった。
延長に入り、鹿島はエースのマルキーニョスを田代に代える。マルキーニョスは木曜日まで練習に参加できていなかっただけに致し方ない交代だった。さらに97分には野沢が左もも裏を痛めマルシーニョと代わる。試合が動いたのは延長後半。104分、左サイドでボールを受けた枝村が右足でグラウンダーのセンタリング。GKとDFの間に送り込まれた絶妙のボールに合わせられる清水の選手はいなかった。しかし、ボールはそのまま転がりファーサイドのポストに当たりゴールの内側へと転がり、清水が2−3と逆転に成功する。
この得点で長谷川監督は守備固めに入る。106分、枝村に代えて辻尾真二を投入し5バック気味の3バックへ移行。鹿島は田代有三、さらに岩政大樹を前線に上げてパワープレーを仕掛ける。112分、矢島を下げて189cmの長沢駿を起用。本来FWの長沢を最終ラインに加え、鹿島のロングボールを全て跳ね返す作戦に出る。しかし、鹿島の猛攻を守りきることが出来なかった。114分、田代がつぶれてこぼれたボールをマルシーニョが押し込み鹿島が再び追いつく。
この得点で、チームのバランスを崩してまで守りに入った清水に分が悪いと思われたが、清水のイレブンたちは気持ちを強く持ってゴールを目指す。119分、右サイドで兵働がフリーになる。伊野波が中央からスライドしてマークに付くのか、前線に上がっていた新井場が戻ってマークに付くのか、一瞬対応が遅れた隙を突き、兵働が深い位置までドリブルで侵入。中央に鋭いセンタリングを入れると原が飛び込み土壇場で清水が4点目を奪ってみせた。ロスタイム、CKの場面ではGKの曽ヶ端がゴール前に上がり必死にゴールを狙うも、反撃のために残された時間はほとんどなくタイムアップ。清水が3−4で激戦を制した。
清水にとってカシマスタジアムでの勝利は2002年3月9日以来と久方ぶり。「11.1のリベンジを1.1に果たせるように全員で精進していきたいなと思っています」長谷川監督は、この勝利を契機にもう一度チーム一丸となって戦うことを誓った。
一方、鹿島にとって5回戦で敗れ8強に残れなかったのは9大会ぶり。オリヴェイラ監督は「予想もしていなかった」とショックの色を隠さなかった。これで残されたタイトルはJ1リーグ戦のみ。攻撃面ではここ数試合の停滞を払拭する内容だっただけに守備を整備して、来週の大分との大一番(11/23@九石ド)に備えたいところだ。
以上
2008.11.15 Reported by 田中滋
J’s GOALニュース
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