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【第88回天皇杯5回戦 新潟 vs F東京】レポート:新潟のパスワークに翻弄されるも、構えを変えたF東京が逆転勝利(08.11.16)

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11月15日(土) 第88回天皇杯5回戦
新潟 2 - 3 F東京 (13:00/とりスタ/3,211人)
得点者:6' マルシオリシャルデス(新潟)、21' 千葉 和彦(新潟)、31' エメルソン(F東京)、53' 赤嶺 真吾(F東京)、62' 梶山 陽平(F東京)

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 F東京が新潟に3-2で勝利し、2年連続となる準々決勝進出を決めた。2点を先制される苦しい試合展開から一転、攻撃のリズムを取り戻したF東京が逆転勝利を飾った。新潟は序盤に主導権を奪ったものの後半失速。多くの決定機を作った前半のうちに3点目を決めたかった。

 F東京は前半、新潟のパスワークに翻弄され続けた。「カボレを左サイドに張らすことで守備においては常にリスクが付きまとう。カボレの良さを生かすところと、自分たちの追求する部分にはプラスとマイナスが存在する」と、城福浩監督。新潟はそのマイナス部分を徹底して突いてきた。試合序盤に中盤のマルシオ・リシャルデスをFWに上げて、カボレのサイド(新潟側右サイド)で中途半端な位置にポジションを取らせ、常に数的優位が作れる状態を作り出した。その右サイドを起点に決定機を創出し続けた。
 「カボレを左に張らすリスクが出た。逆にカボレのところを起点に使われてしまった。マルシオ・リシャルデスがサイドに張ることで羽生がそれをケアしなくてはいけなくなってしまい、相手ボランチと中盤をシンゴ(赤嶺)一人が見なくてはいけない状態が続いた。新潟のパスワークに翻弄されてしまった」(城福浩監督)

 アタッキング・サードへの侵入口は簡単に打ち破られてしまった。カボレのサイドで数的優位を作られ、守備的MFの浅利悟までサイドに釣りだされると中央の人数が不足。新潟が完全にゲームを支配した。先制点は6分。右サイドを起点にした組み立てから逆サイドに振られ、最後はマルシオ・リシャルデスに決められる。さらに、21分にはまたも右サイドを破られ、3列目から攻め上がった千葉和彦に追加点を許してしまった。
破綻寸前のF東京だったが、31分にエメルソンのミドルシュートで一矢報いると、首の皮一枚で繋がった。しかし、問題点は改善されないまま、前半は耐え凌ぐのが精一杯。後半も新潟の猛攻にさらされるかのように思えた。

 だが、ゲーム終了後に勝利の凱歌を聞いたのは前半苦しんだF東京だった。後半のピッチには別のチームが立っていた。城福監督は後半開始から変則的な4-3-3システムを捨てて4-2-3-1へと構えを変えた。するとこれがはまった。「前半の途中から4-2-3-1にしようか迷った。そうすれば、シンゴがボランチにいけば、羽生はサイドにいられる。守備の場面ではボールに食いつくべきなのか、バランスを崩さないようにすればいいのかの判断ができるようになってきた」(城福監督)。バイタルエリアがしっかりと埋まり、体制を整えたF東京はここから反撃に出る。53分、赤嶺真吾のゴールで同点に追いつくと、62分には梶山陽平が逆転ゴールを突き刺した。ハーフタイムでのシステム変更で、ゲームは劇的な展開へと導かれた。

 閉塞感を打破したのはまたも背番号18だった。後半開始早々にピッチに立つと、動きの量で攻撃を活性化させた。「繋ぐだけでもダメだし、蹴るだけでもダメ。その中でナオ(石川)は特長のハッキリした選手。自分の特長を今日もよく出してくれていたと思います」(城福監督)。得意のドリブルも冴え渡り、赤嶺のゴールをお膳立てした。後半終了間際に負傷でピッチを退くまで走り続けた。「自分たちが主導権を握ったサッカーをしたかった」と話す石川直宏は、紛れもなく逆転勝利をチームにもたらした殊勲者だった。

 新潟は、前半のハイペースが災いし、後半は防戦一方となってしまった。ロングボールを蹴ることが多くなり、前半のような流麗なパスワークは鳴りを潜めた。だが、F東京の守備網を切り裂いた田中亜土夢と、河原和寿のダイアゴナル・ランなど、収穫も多いゲーム内容だった。残り3試合のリーグ戦に繋がる手ごたえは確かにあったはずだ。

「ちょっとたくましくなったかな。0-2になると、今までならもっと慌てふためいていた。ポゼッションがしっかりしていて研究してきているチームに対して、僕らももっと考えて臨まなければいけないというのが今の率直な感想ですね。ストロングポイントが出なければ、抱えているリスクというのはこういうことになるんだといういい勉強になりました。攻撃ではやはりアタッキング・サードのところに課題が残りましたし、守備では最終ラインのところでダイアゴナルに走られたときのチームの対応はしっかり修正しないといけない。突きつけられたいい題材だったと思う」(城福監督)
 課題は残るものの、2年連続の準々決勝出場を勝ち取ったF東京だが、ここから本当の戦いが待っている。リーグ残り3試合を、今日の試合のようなドラマチックな展開へと導くには柔軟な姿勢と強靭なメンタリティが求められている。

以上

2008.11.16 Reported by 馬場康平
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