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『ワイタケレ・ユナイテッド』というチームの名前はもう、覚えていただけたであろうか?そう、去年も日本のピッチに立ったニュージーランド王者のチームである。この国のチームがあまり知られていないのは、一昨年のFIFAクラブワールドカップに『オークランド・シティ』が出場するまではサッカーの世界ではあまり、ニュージーランドという国の名前が挙がってこなかったという背景も手伝っているかもしれないが、この国での一番人気のスポーツはやはりラグビーであり、国の代表チームである「オールブラックス」は世界的にも有名である。
そんなニュージーランドではあるが、サッカーの人気も高く、多くの人から愛されている。理由のひとつには、この国が多くの移民から成り立っているため、サッカーが盛んな国から来た人の支持を得ているということがある。また、ラグビーよりも危険度が低いということもあり、子供や女性のプレーヤーが増えているのである。事実、子供のプレーヤーはサッカーの方が多く、13万人を超えており、週末には各地のグランドで楕円ではなく丸いボールを追う子供の姿がよく見られる。
ニュージーランドのサッカーリーグの頂点に立っているのはニュージーランド・フットボール・チャンピオンシップ(NZFC)というリーグである。日本のJリーグ異なる点は、ほとんどのプレーヤーがセミプロというところ。基本的には他に仕事を持っており、仕事が終わってから、あるいは休みの日に集まって練習やゲームをする、ある意味、本当にクラブ活動である。
このNZFCは今年は11月にシーズンが始まり、翌年の4月まで開催される。この上位チームがオセアニア・クラブチャンピオンシップの出場権を得るのである。ただ、このNZFCはニュージーランドで一番と言われている「オークランド・シティ」、そして「ワイタケレ・ユナイテッド」、ニュージーランドの首都のチーム「チーム・ウェリントン」、南島最大の都市クライストチャーチベースの「カンタベリー・ユナイテッド」、オークランドの南に位置する「ワイカトFC」、ネイピアという街をベースにした「ホークスベイ・ユナイテッド」、ダニーデンという街をベースにした「オタゴ・ユナイテッド」、学生の街であるパーマストン・ノースの「ヤングハート・マナワツ」の8チームだけであり、決して大きな組織とは言い難い。子供のプレーヤーは多いものの、高校生くらいから男の子はやはりプロ化されているラグビーに進むという傾向が強いことも原因であろう。
さて、今回クラブワールドカップに出場することになった『ワイタケレ・ユナイテッド』であるが、実はニュージーランド人にとっても、まだあまり聞き慣れていないチーム名である。というのもNZFCに新たに参加するために、2004年に結成されたばかりのチームであるからだ。生まれてまだ4年しか経っていないのである。オークランドの西側にある市のワイタケレを中心に、西側に所在している12クラブを統合したもので、各チームから選抜された選手で構成されている。チーム自体が新しいこともあり、選手だけでなくサポーターもまだまだ発展途中。応援のかけ声や応援グッズもはっきりしていないという現実もある。いずれにしても未知数が多いが、ナショナルリーグ(かつてNZFCの位置にあった)参加の『ワイタケレ・シティFC』と『ベイ・オリンピック』の2チームがこの中に入っている。
そんな中で注目の選手を見てみると、最初に挙げられるのがセンターバックのダニー・ヘイ(背番号5)である。元ニュージーランド代表『オール・ホワイツ』(ラグビー代表がオールブラックスなのに対してサッカーは白である)元キャプテンであり、チームの大黒柱ともなっている。192センチの長身を生かし、ゴール前のセットプレーでは要となることも多い。『ワイタケレ・ユナイテッド』は彼を中心にまとまっていると言っても過言ではないほどであり、「キープレーヤーは誰?」という問いに対しては、選手、コーチ、サポーター誰であっても、最初に彼の名前が挙がってくる。
続いてネイル・エンブレン(背番号16)。ダニー・ヘイと並んでチームのベテラン選手であり、彼もまた188センチという長身である。ポジションは主にバックであるがマルチにどこでもこなすことができるため、あらゆる局面に対応できる選手である。スターティングメンバーとして出場するより、戦局に応じて途中からグランドに立つことが多い。次にワイタケレ・ユナイテッド期待のストライカーであるベンジャミン・トトリ(背番号9)である。彼はソロモン諸島の出身で、ソロモン諸島のU-16、U-17、U-20、ナショナルチームという道を歩んできた。彼もまた得点に絡むプレーが多く、NZFCでの07年のゴールデン・ブーツ賞に輝いている。コミンス・メナピとツートップを組むことが多く、今期は4-4-2の布陣を取っている。今シーズンはアメリカのリーグでプレー。契約終了後にワイタケレに再合流した。
こうした選手を擁するワイタケレ・ユナイテッドの得意な戦術を聞いてみたところ、目立ったスター選手が多いわけではないので、とにかくチームプレイを重視していると言う。またベテランのプレーヤーが多いので戦局に応じてグランドの中から指示を出していくスタイルであるとも言う。12のクラブチームの混成であり、なおかつセミプロであるため練習は週数回で夕方から。それだけにチームワークというものをことさら重視してきたのである。前出のダニー・ヘイ、ネイル・エンブレンの他に、ディフェンダー、中盤の3人のベテランプレーヤーがチームを引っ張っている。
さて、今年度の注目選手はストライカーのロイ・クリシュナー(背番号12)。フィジー出身の新人で、NZFCのシーズンオフには地元のフィジーに戻ってプレーを続けており、新シーズンが始まった11月の時点で一番カンが冴えている状態になっている。また、横浜FC、名古屋グランパスにも在籍していたブラジル出身のアドリアーノ・ピメンタ(背番号29)が中盤の補強選手として10月からチームに合流している。そして、最後にケニー・ヴィンセント(背番号21)。日本人とニュージーランド人のハーフで、かつてはC大阪に在籍していた。日本人としては、是非、彼のプレーにも期待したいところである。
本年度の登録メンバーを見ると、アカデミーからあがってきた選手も多く、全体的に、若手が多い感じがする。ただ、チームの要であるダニーヘイを中心とした安定感のあるメンバーも健在で、フォワード陣はアメリカのリーグに行っていたトトリ、去年のクラブワールドカップ経験者のコプリブチッチ(背番号13)など、期待が持てる。そこにフィジーの若いストライカーのロイ・クリシュナ、やアドリアーノ・ピメンタがどのように絡むか楽しみである。日本へ行くメンバー発表も間もなくされるであろう。
クラブ結成3年目にして手にしたFIFAクラブワールドカップ2007出場の栄光。そして、2大会連続での出場となる本年度の大会。セミプロであるがゆえに練習時間も試合回数も他の出場チームに比べると少ないが、セミプロであるがゆえのサッカーに対する情熱を世界のサポーターたちに見せて欲しい『ワイタケレ・ユナイテッド』である。
Reported by 入谷茂樹
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