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【2010 FIFAワールドカップ南アフリカ アジア最終予選 日本 vs カタール】レポート:プレスのかけ合いを制した日本代表が、因縁の地で快勝。グループ2位以内へ向けて大きな勝点3を手にする(08.11.20)

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11月20日(木) 2010 FIFAワールドカップ南アフリカ アジア最終予選
日本 3 - 0 カタール (01:30/ドーハ/人)
得点者:19' 田中達也(JPN)、47' 玉田圭司(JPN)、68' 田中マルクス闘莉王(JPN)
サポーターズサイト
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 開始4分に与えたカタールのFKの場面でのこと。マジディからのボールを中央で合わせたのは、DFのイブラヒム。フリーでのヘディングシュートは、ラッキーなことに川口能活(磐田)の正面に飛ぶ。その3分後にも、日本は同じコンビにひやりとさせられた。
 まだカタールが積極性と、自信と体力とを保ち続けていた前半の立ち上がりがこの試合の流れを決めていた。日本がそうであるのと同レベルかそれ以上に負けられなかったカタールは、立ち上がりから勝負に出てチャンスを掴んだ。しかし、そこでゴールを決め切れなかった。振り返ると試合前日。中村俊輔(セルティック)はこの試合に向けてこんな事を口にしていた。
「結局はどれだけ最後のパスだったり、シュートの決定率だったりの(精度を高められるのかの)勝負になってくると思う。おもしろい試合になると思う」

 もし仮にカタールが立ち上がりの2本のFKのどちらかを決めていたら、試合展開は違ったものになっていただろう。ところがカタールは決定力に泣いた。チャンスがなかったわけではないだけに、カタールにしてみれば痛い立ち上がりとなる。
 日本代表は、立ち上がりこそカタールの豊富な運動量をベースにしたプレスに手こずる。しかし、世界の舞台で通用するようプレスを磨き上げてきた日本代表にとって、プレスのかけ合いは願ってもないことだった。試合前日に中村憲剛(川崎F)は「ボールを蹴ってきたら、それはそれで向こうのリズムではない。向こうはボールをつなぐところはつないでくる」と話し、つないでくれば日本のサッカーが「はまる」と分析。この日のカタールは、まさに日本代表が望む戦いをしてくれていたのである。

 10分過ぎから日本の一方的な展開となる中、先制点は入念なスカウティングからもたらされる。
「相手のセンターバックは走り込んでバウンドするボールの処理がうまくないという映像があった。それを(田中)達也がうまくやってくれた」と話すのは長谷部誠(ヴォルフスブルグ)。玉田圭司(名古屋)も同じように「相手のセンターバックは前には強いが、裏には弱いと聞いていた」と振り返っている。田中達也(浦和)が決めた先制点は、スカウティングからの情報を基に、曖昧な場所を的確に狙った内田篤人(鹿島)からのフィードから生まれたものだった。

 先制点で勢いづく日本代表はカタール代表を圧倒。前半に訪れていた何度かのチャンスを決め切れない中、待望の追加点がもたらされたのが後半開始早々の47分のことだった。アシストした長谷部がペナルティエリア付近の高いポジションでボールを拾えること自体がカタールの守備組織の混乱ぶりを示しており、その点について内田は「真ん中がルーズだった。そこにパスを通していいのかなと思うくらいだった。かなりルーズだったと思う」と発言するほど。カタール代表は守備組織を維持することが出来ていなかったのである。
 玉田へのラストパスを通した長谷部は「玉田さんがフリーだったが、あそこで打つとは思わなかった。打つことが大事ですね」と驚きを隠すことがなかった。その玉田本人は「ダイレクトでああいう形のシュートを打てば何かが起こると思い、思い切り打った」とシュートを振り返っていた。玉田得意の左45度からのシュートは、GKの手をかすめながら豪快にネットに突き刺さった。

 メツ監督が実戦しようとしているサッカーは、組織的な連係を維持し続ける必要がある。しかし結局のところ、それを実現出来ていたのは立ち上がりの10分ほど。残りの試合時間の大半でやるべきサッカーを見失い、彼らの強みであるはずのセバスチャンを使うことすら出来なかった。
 68分に田中マルクス闘莉王(浦和)が頭で押し込み、3点目。試合は事実上ここで決着した。中国人のレフェリーセットによる流し気味の判定の影響が、気持ちの切れたカタール代表の終盤のラフプレーにつながったが、その点を考慮した岡田武史監督の交代采配もあって特にひどいけが人が出ることはなかった。

 自身もケガを押して献身的にプレーし続けた中村俊が「最後に入ってきた選手が、いい守備をしてくれた。(佐藤)寿人のファーストトラップは良くなかったが、取られないようにタックルした。最後のああしたプレーが良かったと思う」と振り返る交代選手の献身的かつ攻撃的な守備の甲斐もあり、日本代表は無失点のまま試合を終えた。続出したケガ人や過去のデータ、アウェイへの遠征などいくつものネガティブな状況がある中、因縁の地ドーハで日本はその成長ぶりを見せつけた。

 予選グループ2位以内確保に向けて大きな勝点3を手にした日本代表だが、課題がなかったわけではない。メツ監督が「最初のゴールを決められたときにはまだ巻き返しの可能性があったと思う」と悔しがったように、また岡田監督が「前半1点しか決められなかった」と反省した通り、先制後の日本代表は数多くのチャンスを作り出しながらも得点を畳みかけられなかった。ないものねだりにはなるのだが、この前半に得点を追加できていれば試合はもっと楽に運べていた。
 日本代表が目指す着地点はアジアではなく世界。そのはるか彼方に見える到達点に向け、チーム戦術や決定力そのものを磨く必要がある。その点、心強いのは「攻守の切り替えが、合宿をやるごとに良くなってきている」と遠藤保仁(G大阪)がチームの進歩を口にしている点である。ただ、それにしても決定力については世界との差はまだまだ大きい。このレベルの試合を勝てたからと喜ぶのは早計であろう。もっともっと先を見据える必要があるし、日本代表には、さらに前進する余力も能力もあると信じている。

以上

2008.11.20 Reported by 江藤高志
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