12月6日(土) 2008 J2リーグ戦 第45節
横浜FC 0 - 0 甲府 (12:03/ニッパ球/6,154人)
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横浜FC、甲府ともに昇格争いとは無縁な状態で迎えた最終戦。このような試合では、今シーズンやっていたサッカーの集大成を見せること、各自ができるプレーを100%披露することが求められる。それが、サポーターへの最大の恩返しとなる。この試合は、その意味では十分なプレーが展開されたが、一方でJ1昇格を争うチームというにはやるべきことが多いことを再認識するゲームとなった。
立ち上がりは、両者とも無理はしない入り方をする。最初にリズムをつかんだのは横浜FC。難波宏明、根占真伍を中心に前線でのプレシャーを掛けると、甲府のDFラインと中盤の連係を分断する。しかし、15分を過ぎると甲府が左サイドを中心にしたショートパスでリズムを取り戻す。そして、甲府の高い位置でのプレッシングがハマり始める。プレスでボールを奪い押し込む甲府に対して、カウンターを中心に突破を図る横浜FCの形が多く見られる。その中でも、両チームのプロとしての意地は、局面での激しい接触として表れ、前半だけで5枚のイエローカードが提示される。しかし一方で「前半は回してOKで仕掛けがなくて、回しているうちに中の人間が外に出てしまった」(安間貴義監督)というように、甲府はポゼッションを決定機に結びつけられず、横浜FCのカウンターは甲府の落ち着いた対応で防がれ、膠着した状態で前半を終える。
先に動いたのは横浜FC。後半立ち上がりから御給匠に代えてアンデルソンを投入する。しかし、第2ステージ以降良く見た光景を再現するように、アンデルソンがボールを持つと確実に2人以上に囲まれ、ボールの流れが分断される。甲府ペースを変えるまでに至らず、再び甲府が持ち味のショートパス主体のボール回しを展開する。ただし、前半と同じように横浜FCのカウンターの場面では数的同数を作ることができるため、甲府とすれば乗るか反るかの展開となる。この展開でも、両チームの守備陣が冷静さを保ち、決定機はなかなか訪れない。甲府が73分に宇留野純、85分に保坂一成と羽地登志晃を投入すれば、横浜FCが84分に長谷川太郎を投入し、最後の壁をこじ開けにかかる。しかし、壁を打ち破ることができずスコアレスドローで試合は終了。ニッパツ三ツ沢球技場は、大きなため息で包まれた。甲府のシュートは6本、横浜FCのシュートはわずか2本。お互いに100%のファイトと攻撃への意欲を見せ、スタイルを貫いたが膠着状態を打破するには至らず、今シーズンの両チームの限界を垣間見せる結果となった。
横浜FCは、ようやくサッカーのスタイルが浸透し、チーム全体の結束も高まり7試合負けなしという状態になっただけに、この状態でシーズンを終えることへの無念さがチームに残った。「お互いにどこを引き出せば良いかわかってきた。このチームが好きだし、この試合で離れてしまうのは非常に残念」(戸川健太)と手応えを大きく感じている中で、何も達成できずにシーズンを終えることの悔しさは、絶対に来年晴らさなければいけない。
横浜FCは、「1年でのJ1復帰」と「J1に定着できるチーム作り」の2つの目標を立てた。しかし、一般的にこの2つの目標を同時に達成することは難しい。そして、今シーズンの横浜FCは、この目標の難しさを改めて証明してしまった。都並敏史監督は目標の両立のための苦心の末の方策を追求したが、チームの半数を入れ替えた状況で功を奏さなかったことは事実だった。しかし、結果が出なかったからといって、無駄だったわけでもない。ルーキーの八角剛史、吉田正樹は終盤レギュラーに定着して安定したプレーを見せ、左サイドバックの太田宏介はJ2でも有数の左サイドバックに定着した。来年は、新しい監督を迎えリセットされる点はあるだろうが、今年の底上げをベースとできれば、来年は二兎を追う必要はなくなり、1.3兎ぐらいを追えばよくなるはず。今年の成果をいかに活用し反省点をなくすか、来年に向けた大きなポイントとなる。
甲府も、1年での復帰を目標とする中で、チーム作りの部分での試行錯誤を余儀なくされたシーズンであった。「次の刺激を入れるためにオープンの要素をやってきた」(安間貴義監督)というように、チームの底上げを狙ったが、その構築に要した時間が目標の達成を阻んでしまった。しかし、甲府サッカーのDNAは失われていない。この試合でも、甲府らしい細かなパスワークによるポゼッションを見せつけた。現時点では来年の体制は決まっていないが、今年の努力を無駄にしないプランを追求することが、J1復帰への道であることは間違いないだろう。
1年でのJ1復帰を目指した両チームの挑戦は終了した。今シーズンの蓄積を生かし、来シーズンこそ堂々と復帰できることを祈りたい。
以上
2008.12.07 Reported by 松尾真一郎
J’s GOALニュース
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