12月6日(土) 2008 J2リーグ戦 第45節
山形 1 - 0 水戸 (12:04/NDスタ/8,643人)
得点者:21' 北村知隆(山形)
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前節でJ1自動昇格を決めた山形は、最終節が凱旋試合となった。「前回ホームで勝てなかったので、今年最後は勝って終わりたい。負けてJ1に行くのも嫌だった」(北村知隆)と、サイドチェンジから宮本卓也の右クロスを長谷川悠がポストに当てるヘディングシュートを放つなど、消化試合とは呼ばせないだけの立ち上がりを見せていた。連動したプレスにも、昇格間近で見られた硬さはなく、いい意味でリラックスし、いつもの山形らしさを発揮していた。
だが、「今年の目標であった勝点50をなんとか達成したかった」(木山隆之監督)という水戸が、山形の網を左サイドから切り裂く。7分には赤星貴文がドリブルでペナルティーエリアまで侵入し、14分にも赤星が糸を引くスルーパスを送る。荒田智之のシュートは、今季フル出場のピッチに立つGK清水健太のセーブに阻まれたが、山形エンドまで押し込む時間を多くつくった。
山形も、水戸・金澤大将が上がったスペースにボールを送り、やはり左サイドを起点に攻めたが、長谷川と財前宣之の2トップにボールが収まらず、シュートチャンスまで持っていくことはできていなかった。しかし19分、佐藤健太郎のインターセプトからリズムを取り戻すと、21分、宮沢克行の左クロスに中央で長谷川がダイレクトでシュート。ミートはしなかったが、浮いた球をそのまま右に送ると、詰めていた北村がGK本間幸司の足元を抜くシュートで先制した。
この失点で、水戸は意気消沈するどころか、今年1年かけて磨いてきた攻撃的な姿勢を発揮していく。コンパクトな守備で相手2トップの足元に狙いを定め、奪うと素早く攻撃への移行。右サイドの菊岡拓朗が中央でプレーするようになると、赤星から菊岡への壁パスに、この日は負傷の小澤雄希に代わり左サイドバックに入った中村英之がスペースへ飛び出したり、赤星から村松潤を介して菊岡がクロスを上げたり、赤星が単独でドリブルを図るなど一方的に攻め込んだ。しかし、問題はそこから。クロスと中のタイミングが合わなかったり、今季リーグ2番目に少ない40失点の山形にゴール前でしっかりと跳ね返されるなど、ゴールネットを揺らすことなく、前半を終えた。
後半開始から、山形は宮沢に代え、4シーズン過ごした山形を離れることになった本橋卓巳を投入。本橋は中盤でタメをつくり、味方に預けたあとはゴール前に飛び出す動きを繰り返しながら、チームを活性化する。前半よりも高い位置でボールを奪うことで、2トップへのくさびも入りやすくなった。山形が55分、財前に代えて豊田陽平をピッチに送るのと同時に、水戸は菊岡から朴宗眞にスイッチ。さらに69分には西野晃平を満生充に代え、こじあけられない山形ゴールをなんとしても破ろうとするが、サイドからのクロスはことごとく跳ね返される。
さらに、すっかりオープンな展開で、山形にカウンターを仕掛けやすい条件を与えることになる。81分には石川のパスから渡辺が中央でミドルシュート。ロスタイムも突入直後には長谷川がセットしたボールを豊田がミドルシュート。その2分後には、フリーキックからレオナルドがグラウンダーのシュートを放ち、園田拓也が足から押し込もうと滑り込んだ。水戸も終了間際のコーナーキックでは、GK本間も加勢し荒田のシュートまで持ち込んだが、結局はゴールを割ることができず、3試合連続無失点、4連敗でシーズンを終えた。
2001年11月18日。あと一歩のところでJ1昇格を逃した直後、就任1年目だった柱谷幸一監督が落胆するスタンドのサポーターに向けて語ったのは、希望の未来だった。「私たちのめざすサッカーへの挑戦は、今始まったばかりです!」。04年には最終節まで、05年にもシーズン終盤まで昇格可能性を残した鈴木淳監督(現新潟監督)は、2シーズンの指揮を終える退任会見のなかで、山形のJ1昇格の可能性を聞かれてこう答えている。「いい位置を常にキープすること、そして焦らずにそこを狙っていくことが大切。そのなかである時、選手が育ったり、いい監督にめぐり逢ったりということでJ1昇格できる機会は必ず出てくると思います」。成績が振るわなかったものの、昨シーズンも樋口靖洋監督(現大宮監督)の下、クラブ史上初めて首位に立っている。時間はかかったが、小さな成功や失敗を積み重ねてきた結果、いよいよ来シーズンは新しいステージで戦うことになった。
「このままだと厳しい結果が待っているのは確かなので、いろいろな補強を含めて、各々がステップアップできるトレーニングを積まなきゃいけない」。浦和、新潟に続いてこれが3度目のJ1昇格となるキャプテン宮沢は、その世界の厳しさを肌で憶えている。そしてだからこそ、そこで戦うことがいかに楽しく、誇りに満ちたことなのかも。臆することはない。希望とともにJ1に乗り込みたい。
以上
2008.12.07 Reported by 佐藤円
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