1月1日(木) 第88回天皇杯決勝
G大阪 1 - 0 柏 (14:00/国立/44,066人)
得点者:116' 播戸竜二(G大阪)
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今季の残る力を振り絞った120分間の末に表れたのは、両チームの力の差だった。過密日程の疲労が色濃いG大阪を前に、試合を優位に進めた柏だったが、結果は0−1の敗戦。「準優勝に胸を張れ」との石崎信弘監督の言葉にも、当然のように選手たちは納得し切ることはできず、ファイナリストとして刻まれた屈辱に身を震わせた。
「優勝と準優勝の差がこんなにすごいとは思わなかった。やっぱり優勝しないと意味がないんだなと実感した」と語ったのは菅沼実。言葉の端々に悔しさをにじませた同選手にとって、それは新しい経験であり、このような舞台に立った者にしか感じ得ない心情だったのだろう。柏の選手たちの口々に漏れた「いい経験になった」という言葉は、単なる一言以上に今後のチームに影響を及ぼす可能性を秘めたものである。
今季限りでの退任が決まっている「石崎監督のために」と臨んだ天皇杯決勝で、この日の柏は目指してきたサッカーを披露した。動きの重い相手に出足で勝り、果敢にゴールだけを見据えた。しかし、何度か迎えた決定機を決め切れず、途中投入が勝利の方程式となっていたフランサ、李忠成の2段ブースターも不発。最後までG大阪にしたたかに守り切られると、延長戦終了4分前には播戸竜二に泥臭く決勝点を奪われることとなった。
タイトルをかけた大舞台の経験が少ない柏の正面に立ちはだかったのは、いわゆる勝者のメンタリティを持つ者と持たざる者の違いだった。それは詰まるところ経験の差であり、アジアや世界の修羅場をくぐり抜けてきたG大阪との差は決して小さいものではなかったというのが、選手たちの心の底からの実感だったのだろう。
とはいえ、個人個人を眺めれば、アジア王者を慌てさせた場面も多く見られた。試合後に幾度もG大阪との差を強調していたキャプテン大谷秀和にしても、この日は左サイドバックとして、途中からはボランチの一角として奮闘。ボール奪取を繰り返して見せたが、その先にチームに頻発したパスミスが、リズムをつかみ切れない原因になってしまった。それはこれまでにも見られた課題であり、現在の柏が抱えるナイーブさが表出してしまったとも言える結果だった。
古巣の応援に駆けつけてゴール裏に現れた岡山一成劇場に始まり、石崎監督の胴上げで締めくくられた柏にとっての天皇杯決勝。この日も、いつもと変わらず、スタジアムには柏のチームカラーとも言える笑いと情熱が溢れた。石崎レイソルのフィナーレは、クラブをサポートする人間たちの期待どおりにはいかなかった。しかし、幕は降り、チームは再び次なる舞台に向けて歩みを進めていかなければならない。
強大な敵を前に落日を強いられた“太陽王”が、準優勝という結果のなかでつかんだ得難き経験と未知なる悔恨。手にしたモノは大きく、すべては今後のチームの糧となる。そうやって様々なことを積み上げながら、陽はまた上っていく。
以上
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