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【J2:第2節 水戸 vs 徳島】プレビュー:己の力を信じて、いざ進め! 『水戸維新』はここからはじまる。(09.03.13)

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3月14日(土)J2 第2節 水戸 vs 徳島(13:00KICK OFF/笠松
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 「もったいない試合を過ごした」と吉原宏太は唇をかんだ。3月8日(日)に行われた愛媛との開幕戦、水戸は序盤から圧倒的に試合を支配しながらも1対3の敗戦。「決めるところを決めきれず、踏ん張るところで踏ん張れなかった」(荒田智之)ことが最大の敗因となった。

 今年も守備が最重要改善ポイントのようだ。守備の組織が揃っていながらも簡単にサイドからクロスを上げられ、ピンチを招くシーンを連発。最終ラインの意思疎通も不十分で、3失点を喫し、「守備に関しては個人の判断の問題。高さはあるけど、もろさもある」と木山隆之監督は渋い表情を見せた。昨季、爆発的な攻撃力を持ちながらもリーグワースト3位の70失点をしたことが下位低迷につながっただけに、目標である8位以上に行くためにも守備の改善は必須。開幕戦で切れのある動きを見せた荒田を中心に攻撃は充実しており、守備力さえ向上すれば、必ず道は拓けるはずだ。

 木山監督は今年のチームに対して自主性を求めている。「箱は用意するけど、中を埋めるのは選手たち」と言うように、1から10まで監督が指示を与えるのではなく、選手たち自身に足りない部分を気づかせて修正していくやり方を採っている。その成果もあり、練習中や練習後など選手同士で話し合っている場面が多く、中には練習場の真ん中でホワイトボードを使いながら選手同士で討論をしている姿もよく見かける。そんな選手たちの姿を見ながら木山監督は「自分たちでやらないといけないという気持ちが強くなって問題意識が出てきている。それはすごくいいこと」とチームの成長を感じ取っているようだ。

 開幕戦で敗れはしたが、その試合で出た課題をすぐさま選手同士で話し合い、改善しようという動きが出ており、チームは前進を続けている。「みんな課題は分かっているし、話し合えている。昨年よりも明らかにその回数は増えている。それだけみんな本気で勝ちたいと思っている。積み重ねていけば、結果はついてくる」と大和田真史は前を向く。今年もあくまで水戸は積み上げていくチームであることに変わりない。開幕戦の敗戦を無駄にしないためにも今節徳島戦で同じ過ちを見せてはいけない。

 対戦相手の徳島は3季連続で最下位という屈辱的な状況から抜け出そうと、今季に向けて大改革を施した。昨季の選手20人を放出し、新たに17人を獲得。これまで若い選手が多かったが、今季は35歳の高桑大二朗や30歳の三木隆司、33歳の徳重隆明といったベテランを獲得。昨季途中から加わった倉貫一毅とともに経験豊富な彼らがチームを引っ張っており、昨季までと明らかに雰囲気が違う。昨季と同じチームと思わない方がいいだろう。

 徳島との対戦で思い出されるのは昨季の第37節。水戸は相手のミスに助けられ、2対0で勝利をおさめたものの、徳島のパスサッカーに翻弄され続け、内容では完敗であった。あのサッカーにさらに強力な選手が入ったということで、今回の対戦も苦戦は必至だ。前節は昇格候補の東京Vに対し、ポゼッションサッカーで試合を支配。決定機を何度も作ったが、決定力を欠いてスコアレスドローに終わった。だが、東京Vにほとんどチャンスを作らせなかった安定感は昨季のチームとは雲泥の差。水戸にとって強敵であることに間違いない。

 徳島が変化を見せているのはピッチの中だけではない。開幕戦では9,334人の観客動員を記録。これは第1節の9試合では札幌・岡山に次ぎ3位に入る。昨季の徳島ホーム開幕戦の動員が6,150人だったことを考えると、大きな進歩だ。その裏にはビラ配りや営業活動などのフロントスタッフの影の努力があったという。クラブ全体からそうしたどん底から這い上がろうという気迫がにじみ出ているのが今年の徳島なのである。その気持ちに水戸は負けてはいけない。水戸も維新の真っ只中だ。徳島以上の情熱と泥臭さを持って試合に挑みたい。

 あらためて書くが、昨季の水戸は絶対に上位にいける力があったと思う。荒田という強力なストライカーの出現、さらに守備では平松大志(現F東京)、中盤ではパク・チュホ(現鹿島)、赤星貴文(現浦和)といった攻守にタレントが揃っており、過去最強のチームであったことは間違いなく、J2上位のチームと比べて決して見劣りするメンバーではなかった。そうした中で水戸は自らブレーキを踏んでしまっていたのではないだろうか。「水戸は小さなクラブだから」「水戸はお金がないクラブだから」「水戸は環境が整ってないから」などなど、様々なエクスキューズを用意して自ら飛翔する可能性を閉ざしてしまっていたように思えてならない。

 それは吉原宏太も第一印象で感じたという。「このチームはどこか甘さがある。鹿島戦のように相手を意識しすぎて物怖じしてしまったり、愛媛戦では守備でも厳しく行けなかったり。でも、本当にみんなの能力は高いし、可能性は絶対にある。大事なのは心の持ちよう。年齢は関係ない。若さは最大の武器だけど、それを生かすも殺すも自分たち次第。みんなをビックリさせるだけの力はこのチームには絶対にある。要はそれをみんなが信じてやれるかどうかですね」。

 今こそブレーキを解き放て! 『水戸維新』はここからはじまる。

以上

2009.03.13 Reported by 佐藤拓也
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