3月15日、眠い目をこすりながら福岡空港発午前7:25の飛行機に乗り込む。目指す先は群馬県・正田醤油スタジアム。今シーズン初のアウェイ取材である。羽田空港からはローカル線の旅。浜松町、上野で乗り換えて前橋に着いたのは12:09。約4時間半に渡って、ほぼ座りっ放しの旅に足がだるい。
駅前で時間をつぶしてからスタジアム入りしたのはキックオフ2時間前。すでにメインスタンド前広場には大勢の草津サポーターが集まって、ホーム開幕戦のキックオフを今か、今かと待っている。おらが町のクラブのホームゲーム開幕戦を迎える喜び。勝利を得るべく選手たちを力の限りに後押ししようとする熱気。アウェイながらいい雰囲気だなと感じる。前節に熊本で見た草津はいいチームだったが、それは地元サポーターにも伝わっているのだろう。チームにかける期待がひしひしと感じられる。
不思議なもので、アウェイであってもスタジアムに熱気があるのはうれしく感じるものだ。2週間に1度、いつものように、いつもの場所へやってきて、おらが町のチームの話題に花を咲かせる。地位も、年齢も、性別も関係なく、誰もが等しく、サッカーというスポーツを通してつながり合っていく。みんなサッカーを愛する仲間同士。今日は戦う相手であっても、そんな仲間たちが各地にもいることがうれしい。
さて、試合は3−2で草津が勝利。福岡は対草津戦としては初黒星を記録することとなった。福岡の選手たちは個々では頑張っていたという印象を持つが、いかんせん、現段階でのチームの完成度という点では草津との間に差があったことは否めない。それは、新しい選手を迎えてスタートした福岡が、まだチームとしての連係を確立しきれていないことが要因のひとつだが、それ以上に、長期間に渡って地道にチームを作り上げてきた草津の取り組みの成果を感じた試合でもあった。
試合以外では草津を見ることのない私が詳細について語る資格はないが、植木繁晴GMがJFL時代からチーム強化に一貫して関わるチームは、同じコンセプトの下で、時間をかけて作り上げられたチームであることに疑いの余地はない。島田裕介(現鳥栖)が抜けたチームは縦に速いカウンターが持ち味のチームに生まれ変わったが、それが機能するのも、長い時間をかけて積み上げてきたものが財産としてチームに蓄えられているからだろう。
もうひとつ印象的だったのは、この日の草津サポーターの後押しだった。バックスタンドから絶え間なく響く歌声と、それに合わせてホームスタンドから起こる声援に、記者席に座っている私でさえもアウェイであることを思い知らされた。パワープレー気味になった福岡が押し戻した時間帯もあったが、熱い声援は、それを打ち消してしまうほどの勢いがあった。草津は本当に手強いチームになった。改めて、そう感じた1日になった。
そして、福岡にとっては残念な結果に終わったアウェイ初ゲームだった。選手たちは力を出し切れなかった思いで一杯だったろう。チームを後押しするために、遠く福岡から、そして関東圏内から正田醤油スタジアムに駆け付けたサポーターも、人数ではかなわなくても負けることのない熱い思いでチームに声援を送り続けたが、望む勝利を手にすることができなかった。常日頃からトレーニングを取材している私も、ミックスゾーンで選手たちにかける言葉を選びがちになる。
しかし、敗戦に頭を下げることも、自分たちを卑下する必要も全くない。思い描いていたスタートは切れなかったが、それは、ここまで積み上げてきたすべてを否定するものではない。敗戦という結果を正面から受け止めて、悔しさをしっかりと胸に刻むことで、それを次の試合に向けての力に変えればいい。次節(3/22vs水戸)は、大勢のサポーターが待つホーム・レベルファイブスタジアムでの試合。この日、スタジアムに足を運んだサポーターの気持ちを持ち帰って、仲間とともに勝利を味わいたい。お楽しみはこれからだ。
以上
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2009.03.19 Reported by 中倉一志













