5月5日（火）J2 第13節 東京Ｖ vs 横浜FC（13:00KICK OFF/味スタ）
スカパー！生中継 Ch185 12:50〜（解説：柱谷幸一、実況：中村義昭、プレーヤー解説：名波浩、リポーター：大竹奈美）
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「この相手だけには負けたくない」という思いが強く交錯する一戦となりそうだ。
東京V側では、06年〜07年途中まで指揮を執った高木琢也監督はじめMF滝澤邦彦、DF岩倉一弥、FW平本一樹らが横浜FCに在籍経験を持ち、逆に横浜FC側ではFW三浦知良、MF三浦淳宏、DF戸川健太、MF根占真伍らが東京Vを古巣とする。互いに在籍経験者が多いだけに、思い入れは非常に強いだろう。

その中の一人、滝澤も「知っている選手とまた同じグラウンドに立てるのは嬉しい」と、対戦を楽しみしている。だが、それ以上に「僕たちは前節引き分けているだけに、何よりも勝点３を意識しなければいけない。相手どうこうよりも、まず僕たちはチームとして目指すサッカーをしっかりとやることが大切。それが、サポーターの方にとっても良いゲームになると思います」と、勝敗への強いこだわりを口にした。

勝点３を得るためには、攻撃に転じてからの押し上げがポイントとなりそうだ。「守備に関しては、守れと言われれば全員でなんとか守れる。問題はそこからの押し上げの部分。いかに素早く切り替えて攻められるかが課題だと思う。そのためには、それぞれ自分のプレースタイルがあるのはわかるけど、それを守るばかりではなく、超えていかなければ何も変わらない」とGK土肥洋一は語る。
また、さらに土肥は前節が今季初先発となったDF飯田真輝、ルーキーMF富所悠の名を挙げ、「飯田は、普段の練習でも周りの声をしっかりと聞き入れるようになって、自分を変えようとすごく努力している。富所も、臆することなく前を向いたプレーをしてくれる。こういう姿勢が大事」とも。なかなか上昇気流に乗れない状況を打開するためには、それぞれの新たなチャレンジが必要となりそうだ。ぜひ注目してみたい。

対する横浜FCは、現在３連敗中、最下位と成績こそ振るわないが、東京Vの選手たちはみな「たまたま結果が出ていないだけ」と、相手のポテンシャルの高さを十分認識している。
実際、前々節・C大阪戦、前節・徳島戦とも敗戦ながら、試合内容自体は横浜FCが支配していた。「自分たちからボールを奪いにいき、イニシアチブを取る」という樋口靖洋監督のサッカーが確実に浸透している証拠とも言えよう。
だが一方で、2試合連続で前半ロスタイムに失点するという、「幼い」（樋口監督）部分が大きな反省点として残る。
結果に結実させるためには、「決定力」と「集中力」がテーマとなりそうだ。

過去2試合の内容良化に一役買っているのが、東京Vの下部組織で育ち、06年まで東京Vに在籍していた根占である。開幕前から長期離脱していたが、第10節に途中出場で復帰。先発出場となった第11節からは、右サイドで攻撃の大きなアクセントとなっている。古巣との対戦にも「負けたくない。じっくりと対策を考えます」と意気込みを語っていただけに、東京Vにとっては実に厄介な存在となりそうだ。

また、滝澤（東京V）が相手のキーパーソンに挙げたのがMF三浦淳宏である。特に、前節では06年11月以来という直接FKも決めており、「練習では、ほぼ全部決めていましたから」と、昨年まで共に練習していたからこそ強く警戒する。GK土肥も「あのFKだけはイヤ」と思わず苦笑いを浮かべる。
連戦が続きフィジカル的にも厳しい中、セットプレーでの得点はお互いに非常に貴重なものとなることは間違いない。試合の大きなポイントの１つとなるだろう。

そして、やはり注目は三浦知良である。前節はメンバー外だったため、この試合に向けたコンディションは完璧といえそうだ。先発も十分予想できる。
「幼い頃からずっと見ていた」という高橋祥平（東京V）は、三浦（知）の出場を心底心待ちにしている。
また、往年の東京Vサポーターにとっても、やはり三浦（知）の存在は別格に違いない。ぜひ登場を期待したい。

思い入れの強い相手同士の対戦だが、やはりお互い今最も重要なのは「勝利」をつかむことである。
どちらもチームの現状をしっかりと見つめ、今後へつながる有意義なゲームとしたいところだ。

ちなみに、東京Vと横浜FCでは、お互いに在籍経験選手・スタッフが多いため、今季3回の対戦でさまざまなコラボレーション企画を用意するそうである。そちらも楽しみに5月5日、ぜひ味の素スタジアムへ。

★当日のイベント情報は↓
東京V公式サイト

以上


2009.05.04 Reported by 上岡真里江