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【AFCチャンピオンズリーグ 天津 vs 川崎F】プレビュー:川崎Fは首位通過を確定させたい試合。国内での手痛い敗戦を切り替えられるのかがポイントとなる。グループリーグ突破に向けて可能性を残す天津のホームでの戦いにも注目したい。(09.05.04)

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5月5日(火)AFCチャンピオンズリーグ 天津 vs 川崎F(20:30KICK OFF/天津)
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ホームチケット情報 | 決勝戦は11月7日(土)に国立競技場で開催!
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 過去にあまり記憶のない円陣だった。川崎Fが天津に移動し、最初に行われた練習前のこと。関塚監督は選手たちをピッチ上に座らせ、自身も選手の目線の高さを考えてひざ立ちになり話をはじめた。川崎Fは前日「リーグ戦上位進出のためには負けられない」と意気込んで臨んだ横浜FM戦を落とし、精神的な立ち直りが必須という状況にあった。

 関塚監督は「ああ残念では済まされない。(敗戦した横浜FM戦の)後半は良かった。あれをなぜ前半からできなかったのか」と選手に語り掛け、自身が持つ考えの方向、いわゆるベクトルをチーム全体で合わせたかったとその意図を説明してくれた。

 横浜FM戦に対する捕らえ方は選手個々でばらけている可能性が高い。心の底から悔しい選手。これもサッカーだと開き直る選手。いちいち落ち込んでられないと無理やり切り替えようとする選手。そうした選手個々の捕らえ方に対し、関塚監督は「ああ残念」では済ませられないと問いかけたのである。タイトルを狙うためには、あの敗戦を悔しがらなければならないと、伝えたのである。それが練習前の20分間という通常ではあまりない長さのミーティングにつながった。

 そう問いかけられた選手たちは、この天津泰達戦を大事な試合として捕らえているはず。たとえば中村憲剛は「状況で戦い方は変わるかもしれませんが」と条件次第では、と留保しつつも「ここには勝ちに来ている」と力強く発言。仕事が与えられれば全力でプレーする事を誓っていた。

 すでにグループリーグ突破を決めている川崎Fにとってこの試合は、狙っている首位通過を確定させるための大事な一戦となる。そうした背景が中村の「勝ちに来ている」という発言につながっているが、と同時に天津戦の試合前に韓国時間の13時(天津との時差は+1時間)から行われる浦項対セントラルコースト・マリナーズ戦でマリナーズが勝利した場合、天津戦の試合前にも自動的に首位通過が決定するのである(順位表はこちら)。そうなった場合、Jリーグへの影響を最小限にとどめるための布陣が敷かれる可能性は高い。川崎Fは、この試合を終えると、アウェイで浦和との対戦が控えている。

 楽観的な状況ばかりに言及しているが、ケガによってチームキャプテンの伊藤宏樹を欠く川崎Fがもし仮にこの試合を落とし、浦項がマリナーズに勝利した場合、この両チームの勝点差は1点差にまで縮む事になる。グループHの最終節は、その浦項との等々力での直接対決。川崎Fがそうであるように、浦項も一発勝負で行われる決勝トーナメント初戦でのホーム開催権を狙い首位通過を決めたいはず。そんな状況があるため、川崎Fとしてはどうしてもこの天津戦ですべてを終わらせておきたいという試合になる。

 川崎Fは前述の伊藤に加え、横浜FM戦で太ももの裏に違和感を感じたという矢島卓郎が遠征メンバーから外れ、急遽薗田淳がメンバーとして帯同。明日の試合での起用法が注目されるところだ。

 試合数にばらつきはあるのだが、6〜7試合を消化した中国国内リーグで、天津は4勝3敗の勝点12で3位につけている。国内リーグは3連勝でスタートしているのだが、その後思うように勝ち星を伸ばせておらず、5月1日にはホームで山東との直接対決を0-1で落としている。ACLでは勝点2と劣勢に立たされてはいるが、この川崎F戦で勝利すればグループリーグ突破の可能性が残るという状況にあり、なんとしても勝点3が欲しい試合となる。

 天津はACLでは4試合で2得点4失点と得点力に課題を持つが、国内ではリーグ2位タイの10ゴールを積み重ねており、決して決定力がないわけではない。そんな天津の攻撃を牽引するのがFWに入るルイスである。3月に行われたACL1節での対戦では、昨季の中国リーグの得点王の肩書きに偽りはない、という印象を川崎Fの選手たちに残しており、その191cmの身長を生かしたプレーには注意が必要だろう。また川崎Fの選手からゲームメイクのキープレーヤーとして名前が上げられていた8番のハオ・ジュンミンや、彼らと共に2列目のブロックを形成する9番のウ・ウェイアン、13番のワン・シンシンといった選手たちの攻撃参加にも注意が必要である。

 守備面では中盤の要として最終ラインの前方で網を張る30番のトンマージの激しいプレーに警戒が必要となる。また最終ラインにはフランス人プレーヤーの23番のキャレが控えており、攻め崩すのは容易ではなさそうである。

 中央を固められる陣容の天津の守備を崩すには、今季に入り課題として取り組んでいるサイドからの攻撃が突破口になりそう。サイドハーフとサイドバック、との連携は注目点の一つとなりそうである。

 地元中国メディアから中村憲剛と共に取材を受けていた鄭大世のプレーにも注目したいところ。またACLでは結果を出してきたレナチーニョにも期待したいと思う。

 日中は30度を越える天津も日差しが陰ると急速に気温が下がり、20度を切るという気候である。そういう点では、試合開始の19時半は、サッカーをするにはちょうどいい時間帯となりそうである。虫の存在が気になるところではあるが、ピッチコンディションもすばらしく、多くの集客が見込まれるスタジアムでの試合は、環境的には文句はなさそうである。後はその中でどれだけ自分たちの試合を見せられるのか、という事になる。首位通過を決めるためにも、結果が欲しい一戦となる。

以上

2009.05.04 Reported by 江藤高志
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