第11節の草津戦前、好調を維持（5節から10節まで6試合負けなし）する今のチームへの感想を聞こうとホームスタジアム・鳴門大塚でサポーターの方々に声を掛けた。すると返ってくる言葉は予想通り前向きなものばかり。「攻撃的なサッカーを今日も見せてほしい」「今年は安心して観ていられる」「上位進出を期待してます」などなど。
また、それらを聞かせてくれた方たちの表情はもちろん例外なく明るかった。弾けんばかりの笑顔があれば、落ち着いた中にも隠しきれず漏れる笑みも─。それに触れたこの時は、こちらの表情も自然と緩んでいったものだ。

しかし、グループで座っておられた中の１人のサポーターさんに話を聞いていると、すぐ横あたりからドキっとさせられる全く想定外の一言が。「J’s GOAL見てるよぉ。ほなけど（だけど）、J’s GOALはヴォルティスに厳しいわ！」
思わぬお叱りの言葉であった…。
ただ恐る恐る目を向けると、その声の主の方は「ええ（良い）ように書いてあげてな！」と付け加えながらにこやかに微笑んでくれた。さらに周囲にいた多くの方たちも同様に「ほんま（本当）！、ほんま！」と相槌を打ちながら柔らかい笑顔を向けてくれ、やや固まっていた私を解きほぐしてくれた。

気持ちの余裕があるから、お叱りさえも冗談の延長線上のようなものになる。「チームの好結果がサポーターにもたらす喜びって、こんなに大きいものなんだな」と素直に思った瞬間であった。そして、サポーターの皆さんが今のにこやかな顔でずっといられるようにチームにはこのまま頑張ってもらいたいと思った。過去3年どんなに苦しいときも声を途切れさせず後押ししてきたのだから、そろそろ彼らにチームとして大きな恩返しをしなくては。

最後にだが、いただいたお叱りは真摯に受け止めるとして、「読んでくれている方たちを盛り上げられる原稿を！」と私自身気持ちを新たにできたことは付け加えて報告しておきたい。
お声をくださった皆さん、どうもありがとうございます。

以上

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2009.05.04 Reported by 松下英樹