今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第13節 甲府 vs 水戸】レポート:荒田不在の水戸に引き分けた甲府は勝点2を失った気分だが、水戸は満足の勝点1で荒田不在のスタートを切った(09.05.06)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
5月5日(火) 2009 J2リーグ戦 第13節
甲府 1 - 1 水戸 (18:03/小瀬/8,249人)
得点者:68' 高崎寛之(水戸)、71' 秋本倫孝(甲府)
スカパー!再放送 Ch185 5/7(木)05:00〜(解説:塚田雄二、実況:吉岡秀樹、リポーター:前田真宏)
☆GWはファミリーJoinデイズへ行こう!
----------

後味が悪いわけでもないが、もちろん良いわけでもない。パソコンに向かったまま、「う〜ん」と唸るだけ…。テレビ(NHKBS1)ではオアシスが「ワンダーウォール」を歌っている。「みんなロックで大人になった」というBBC制作の番組だった。「甲府にもワンダーウォールがいるなぁ」と思ったら突破口が見えてきた。前々節の湘南戦、前節の愛媛戦もそうだが、水戸戦でも甲府のワンダーウォールは良かった。彼のプレーはツボにハマって来たような気がする。火傷した猫のような爆発的なダッシュ力は無いけれど、ハードタックルで相手チームの選手にドリブルの未熟さを教え続けている。安間貴義監督が去年までCBだった秋本倫孝をアンカーに起用した効果が出てきた。水戸戦では決定機に繋がるパスも出しているし、同点ゴールも決めた。林健太郎のようにタメを作ることはまだ出来ないけれど、守備重視のアンカーではなくなりつつある。

ただ、不思議なのは第12節を終えた時点で4位の甲府と5位の水戸が対戦しているのに、水戸から「甲府から2点、3点取ることが難しいことは判っていた。それでも勝点1を取った(木山隆之監督)」、「引き分けで上出来(吉原宏太)」というコメントが出たこと。確かに、主導権は甲府が取っていたし、水戸は守備のブロックを作って甲府のパスを中盤で引っ掛けてからカウンターを仕掛けてきた時間が長かった。これは、甲府がJ1時代に4−3−3にシステムを変更してからの相手チームの甲府攻略の定石。しかし、甲府と水戸の順位はお隣さん。大エースの荒田智之を欠いているが、あまりにも控え目すぎる。実際に対戦して判ったが、水戸は簡単に負けないチームだと思うし、カウンターのパワーはある。そのカウンターでゴールを決める人(荒田)が長期離脱したからかもしれないが、もうちょっと強気でいいのではないかと思った。

前半は甲府が主導権を取って水戸のペナルティエリア付近までボールを運んだが、シュートまでは思ったほど到らなかった。水戸の戦略の通り。水戸は覚悟していたのだろうが、前半の中盤まではシュートもなかった。前半の22分頃、記者席の後ろにあるスカパーの中継席から「ここまで水戸のシュートはゼロです」とアナウンサーの声が聞こえてきて、凄く爽やかな気持ちになった。でも、それから6分後に水戸は奪ったボールをワンツーを繰り返してサイド突破して、シュートまで繋げてきたので「ヤバイ」と思わされた。主導権を取っているときにゴールを決めて、水戸が前に出ざるを得ない状況を作ることが出来なかった甲府が受ける当然の報い。3トップの右に入った松橋優の運動量が落ちたことにも原因の一つかもしれない。ゴールが欲しいサポーターが「オマエガ・キメロ・モリタヒロシ(森田浩史)」とコールを始めた。徳島に移籍した羽地登志晃と同じ扱いかと、ちょっと笑ってしまう。第1クールの序盤戦のヒーローは森田だ。彼がいなければ、甲府は焦った状態で第1クールのスタートを切っていただろう。しかし、カタカナにすると同じ6文字なのに羽地にはフィットするが、「モリタヒロシ」の名前の部分のコールが早口言葉みたいに苦しくなるのは何故なんだろうと考えているうちに前半は殆ど終わってしまった。

後半の8分から甲府のゴール裏は「輝く夜空」を16分頃まで歌い続けた。勝利の歌を0−0で歌い始めるのは、ゴールを待ち望んでいる気持ちだろう。しかし、後半の15分にピッチに入った高崎寛之にカウンターからヘディングシュートを決められてしまう。彼にピンポイントでクロスを合わせた吉原宏太も素晴らしかった。発熱していたそうだが、素晴らしい仕事をした。なんか嫌な記憶が蘇ったが、今年の甲府が成長しているのは、ここでそのまま負けないこと。愛媛戦は前掛りになって2点目を許してしまったが、2戦連続でそうはならなかった。マラニョンがチャンスメイクをした。失点(68分)から3分後、左サイドのマラニョンが入れたボールが結果的に秋本の同点ゴールに繋がった。ここまま逆転できれば、もう一度「輝く夜空」を聴けたのだが、攻め込んでもなかなか決定的な形のシュートが打てない。65分からピッチに立った金信泳も「決めるぞ、決めるぞ、決めるぞ、ドカーン」というシュートを打つが、枠の外にそれてみんな一斉に「あ〜あ」(75分)。そのうちカウンター合戦みたいになって、80分には村松潤にバー直撃のミドルシュートを打たれてしまう。前半にも1本あったが、バーが助けてくれるということは甲府のシュートの流れも変わってきたのか。それとも、バーやポストにも当たらなくなったのか。

結局は1−1で勝点2を損した気分で試合終了の笛を聞いた。でも、選手や監督のコメントにあるように甲府の内容は悪くなかった。1−1の引き分けという結果にとらわれすぎると満足感が少ないが、同じカウンターを受けるにしても押さえるところは押さえていることが多い。リスクマネージメントのロングボールを多用すればいいのかもしれないが、今の状態を苦しみながらの進化と捉えたい。ロングボールを多用しているうちは、甲府らしい攻撃の進化はない。吉原も「甲府はいいチームだと思った。チームとして繋いで、しっかりとした技術がある。クロスが入ったときの森田は怖いし、マラニョンは強烈。戦っている相手は嫌ですよ。この甲府がもっと上位に居ないのが不思議」と、甲府名物の高級珍味「鮑の煮貝」でも贈りたくなるような話をしてくれた。雨の中、小瀬に来てくれた8000人以上のサポーターが勝利を味わえなかったことは残念だが、次に繋がる内容だと信じて次も小瀬に来て欲しい。できれば、友達をいっぱい誘って。

水戸の選手、スタッフ、サポーターには甲府がJ1に昇格を果たすことになる2005年の小瀬の「ヤジ・オブ・ザ・イヤー」(注1)を贈りたい。
「次(湘南戦)も頼むぞ〜」

(注1)2005年シーズン終盤、仙台と3位争いをしていた甲府。第43節(福岡戦)でホーム・小瀬で0−5で大敗したが、福岡の第44節の相手は仙台。甲府のヤジ将軍が福岡の選手に「次も頼むぞ〜」と珠玉のヤジを飛ばした。そして、最終第44節、仙台は福岡に1−1で引き分けてしまい、京都に2−1で勝った甲府が3位に滑り込み、J1昇格に繋げた。

以上

2009.05.06 Reported by 松尾潤
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着