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【J2:第16節 横浜FC vs 岐阜】プレビュー:勝点3への道、それは心を一つにすること。横浜FCと岐阜が「ゴールに直結するつなぎ」の精度を高め勝利を目指す。(09.05.20)

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5月20日(水)J2 第16節 横浜FC vs 岐阜(19:00KICK OFF/三ツ沢
スカパー!生中継 Ch185 18:50〜(解説:瀬田龍彦、実況:野村明弘、リポーター:湯本久美)
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 サッカーでは、どのようなスタイルを採ったとしても、そのスタイルを結果に繋げるために肝となるプレーが存在する。横浜FCと岐阜は、ポゼッションを基調としたサッカーを展開している。このようなスタイルでゴールを奪っていくためには、「つなぎのためのつなぎ」だけに終始するのではなく、「ゴールに直結するつなぎ」が織り交ぜられないといけない。もちろん、このプレーはリスクを伴うプレーだが、このプレーをいかに多く表現できるかが、プレーを結果に繋げるための生命線となる。そのためには、1対1の局面で負けないこと、そしてなにより、パスの出し手と受け手の呼吸が合い、プレーの精度が保たれることが必要になる。この試合で対戦する両チームは、前節この点での課題を突き付けられた。そして、いかに解消するかがこの試合のポイントとなる。

 横浜FCは前節の鳥栖戦、立ち上がりからディフェンスラインが押し上げられず、鳥栖の猛攻を受ける。しかし、その猛攻をしのぎ、三浦知良が引き気味のポジションでボールをさばくようになると、徐々に狙い通りの場所でボールが奪えるようになる。しかし、ボールを奪っても有効な攻撃までには繋げられない。「鳥栖もラインをコンパクトに押し上げてくる分、もう少し裏に出て行ければいいが、うちが取った後のボールをなかなか前につけられなくて、相手が揃った状態になって攻められていなかった。相手のゴール近くまで運ぶということができていない」(樋口靖洋監督)というように、ボールを奪ったあとの攻撃がスローダウンしてしまう状態に陥る。そして、後半に鳥栖が山瀬幸宏を投入すると、横浜FCのディフェンスラインへの圧力が高まり、その流れから飯尾和也に決勝点を決められてしまう。樋口監督は「チャンスメークが少ない。フィニッシュで終わる形を作っておかないと、守備のリズムが作れなくなってくる。そこで山瀬を投入されて流れが変わった」と、「ゴールに直結するつなぎ」ができなかったことがリズムを失う一因となると振り返った。

 指揮官は、「ゴールに直結するつなぎ」できない理由を「(ボールを)失いたくないと、パスの出し手が慎重になりすぎているところがある。パスの受け手は逆に動き出しが遅くて、自分の欲しいタイミングではなくなる。その結果、出し手がパスのタイミングを見逃してしまう」と述べている。つまり。縦に入れるパスを出す段階での意識のずれが解消できていないことが課題となっている。ここ数試合は、解決の糸口として、根占真伍や小野智吉など新しい選手を使いながら、ポジション的により良い組み合わせを模索している。「1試合で判断をするのでなく、少し我慢しないといけない」(樋口監督)という状況だが、早い段階でコンビネーションを熟成することが重要となる。
 
 対戦相手の岐阜は、第14節の岡山戦で西川優大のハットトリックで4-0と快勝するが、前節の札幌戦では良い形を作る事なく0-3で敗れてしまった。試合を通じて、中盤でボールを繋ぐものの、縦に入れるパス、バイタルエリアのつなぎでミスが多く、札幌のプレッシングの網に掛かってしまう。そして、札幌のカウンターの場面でクライトン、キリノの個の力に力負けを喫し、プレッシングに特長のある札幌のスタイルにまんまとハマる形になった。松永英機監督は「ミスからの流れで失点を献上してしまった」と試合後述べたが、こちらもゴールに繋がる場面での仕掛け方が課題となっている。ただ、この試合の後半でも、札幌の運動量が落ちて来た時間帯では、片桐淳至と西川の2トップの切れ味は見せつけた。樋口監督も「片桐という特別な能力を持った選手いて、彼がフリーで色々なところに顔を出しながら攻撃の形を作っている」とその能力を評しているように、横浜FCはこの2人に対する集中を欠くと、鳥栖戦の二の舞を演じることになるだろう。

 中盤でつなぐスタイルの両チームだけに、試合展開は中盤のつなぎ、特に「ゴールに向かうつなぎ」を多く成功させたチームが試合を優位に運ぶことになるだろう。大事にしたいのは、局面でのプレーの精度だ。「取りどころをいかに絞り込んだ守備をして、自分たちの奪いたい所で取れるか。奪ったボールをいかに早く、しっかりと前につけながら運んでいくかが大事。そして、常にゴールに向かうランニングが大事」と樋口監督が語るように、ボール奪取からのつなぎを巡る攻防、そして前に動かす力、ここに注目していきたい。横浜FCは、10得点と現在J2で一番得点が少ないチーム。岐阜も12得点と満足な状況ではない。自らボールを繋いで攻撃を作るチーム同士の対決だけに、ゴール前の攻防、そしてゴールが多く見られる試合となることを期待したい。

以上

2009.05.18 Reported by 松尾真一郎
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