5月24日（日）J1 第13節 Ｇ大阪 vs 鹿島（13:00KICK OFF/大阪）
スカパー！生中継 Ch180 12:30〜（解説：川勝良一、実況：寺西裕一、リポーター：竹島麻里子、プレイヤー解説：名波浩）
☆顔写真クイズ｜勝敗予想ゲーム
----------

前節の浦和戦に続き『しびれる』戦いが、ホーム、万博で行われる。「中断前にJリーグのトップグループにいること、ACLを首位通過するという目標設定をしてきて、全員の力が少しずついい状態になっていますから。ここでトップグループを走る浦和、鹿島とやれるのは前半の目安というかチームの方向性を確実にとれるチャンス。積極的にいきたい」前節の浦和戦前、そう話していたのはG大阪の西野朗監督だが、その目標を捉えるためにも、現時点での鹿島との勝点差6という状況を踏まえても、G大阪としては是が非でも『勝点3』を手にしたい一戦。しかも、鹿島には今年の幕開けを告げるFUJI XEROX SUPER CUPでは0-3と完敗を喫している。選手個々がそのリベンジを、との思いでこの一戦に挑むことは言うまでもないだろう。「あの時の悔しさは誰もが忘れてはいない。ただ相手はチャンピオンチームですから。謙虚にチャレンジャーという気持ちでぶつかっていきたい。鹿島を倒さなければ、自分たちの目指しているところにもたどり着けないと思っているので。ホームだし、みんなで勝ちにいきたい（DF中澤聡太）」

西野監督の言葉を借りれば、試合の明暗を分けるのは、「相手のアタッキングサードにいかに侵入する数を増やせるか」。サッカーはゴールを奪わなければ勝てないスポーツであることを思えば当然の言葉だが、毎回、同カードでは中盤での激しい攻防戦となる中で、その中盤で上回り、更に相手のDFラインを切り崩しての攻撃力を示すことは決して容易ではない。それは昨年のリーグ戦での対戦がいずれもスコアレスドローで終わっていることにも示されており、だからこそ、西野監督もその部分を強調する。

残念ながら現時点で得点ランクトップを走るFWレアンドロはケガで離脱中、FW山崎雅人も左膝を痛め出場が微妙な状況にあるなど、何人かの攻撃陣を欠いた戦いになることが予想されるが、選手層の厚いG大阪のこと、心配はない。しかも、状況によっては先のACL６節、FCソウル戦でクラブ最年少出場記録を塗り替え、初ゴールも決めたMF宇佐美貴史の起用の可能性もある。現時点でベンチ入りの可否は定かではないが、本人も「もしチャンスを貰えたら頑張りたいし、チャンスを掴みたい。鹿島は強いし、切り替えも速く、球際も強い。Jトップの実力があるチームだけど、そこでチャンスを貰えれば、いいプレーをみせられたら自分の自信にもなる」と話しており、出場となれば子供の頃から憧れてきたJリーグの舞台を存分に楽しみながら、輝きをみせてくれることだろう。

対する鹿島はMF小笠原満男が出場停止。攻守の要を失っての戦いになるが、こちらも選手層の厚さを思えば、また個のポテンシャルの高さを思えば、心配はない。というより、西野監督の言うように「シンボルがいない分、いろいろと想定しなければいけないが、逆にそれがプラスに働くことも考えられる」。左サイドバックのDFパクチュホをボランチに入れて、元G大阪のDF新井場徹を左サイドバックで起用したり、戦列復帰の可能性の高いMFダニーロを攻撃的MFにいれてMF本山雅志をボランチに落としたり、潤沢にある選択肢の中で名将、オリヴェイラ監督がベストな布陣を探ってくるはず。唯一心配なのは、５月20日にアウェイ、中国は上海でのACLを戦ったばかりということでの選手の『疲労』の回復具合。ただ、それも『王者・鹿島』にとっては大した不安材料ではないのかもしれないが。

過去、西野監督率いるG大阪とオリヴェイラ監督率いる鹿島とは、リーグ戦で４度対戦し、西野ガンバが２勝２分と圧倒。勝負強さをみせている。名将対決としても目を惹く同カードで、西野監督の「負けない」ジンクスは続くのか。選手起用、交代のタイミング等も含めたタクトの振り方にも注目したい。

以上

2009.05.22 Reported by 高村美砂