5月24日（日）J1 第13節 Ｆ東京 vs 川崎Ｆ（14:00KICK OFF/味スタ）
スカパー！生中継 Ch363 14:00〜（解説：金田喜稔、実況：清原正博、リポーター：新井麻希）
☆当日券情報
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☆川崎F側プレビュー

第15回「多摩川クラシコ」が開戦する。戦績は1999年のJ２時代から数えてF東京の5勝4敗5分とほぼ五分。「私のサッカー人生において忘れることのできないゲーム」（倉又F東京U-18監督）という06年ホームでの大逆転勝利や、第2次原トーキョーでの歴史的大敗など、毎回、記憶に残る勝負が刻まれてきた。今年の多摩川クラシコも何かが起こるという期待感を抱かせてくれる。試合は14時、ホーム味の素スタジアムでキックオフする。

「選手も成長を実感しつつあるが、まだ不確かな部分があるかもしれない。それを優勝候補の一角である川崎Fを相手に確証に変えたい」（城福監督）

　リーグ開幕直後に躓いたものの、苦しい時期を乗り越えて徐々にチームは勝ち星を積み上げるようになってきた。そして、戦列を離れていたFWカボレ、MF梶山陽平、MF石川直宏、DF徳永悠平らけが人が続々と復帰を果たした。戦力を充実させて一戦に臨む。

　「悪い時は攻撃と守備がそれぞれ分けられてしまっていた。今はいい攻撃からいい守備ができているし、その逆のいい守備からいい攻撃が生まれている。ボールを保持することで後ろの選手の集中力が持続しやすい環境が作れている」。羽生直剛は、息を吹き返した今のチームの印象をそう話す。攻守は表裏一体。公式戦3試合連続完封中の守備も、いい攻撃ができているからだという。そして、羽生は語気を強めた。「川崎Fのような特長があって質の高いチームを相手にしたときもそれができるのか」

　川崎Fは強烈な個性を持った選手たちが集う。中村憲剛が中盤から良質のパスを供給すれば、それを鄭大世やジュニーニョらリーグ随一の破壊力を誇る前線がゴールへと運ぶ。連戦による疲労で苦しい状況に追い込まれたとしても、個によって全てを打開してしまう。「それこそがフロンターレ」と、指揮官も素直にその力を認める。だが、戦う前から白旗をあげるわけにはいかない。「どういう攻撃で終われるかがポイント。危うい判断や危うい終わり方だと、川崎Fはそのミスを逃してくれない」と、城福監督。時間とスペースを与えない守備と、リスクを最小限に抑えた戦いで川崎Fに挑む。

「昨年はリベンジという気持ちが強かったし、特別なゲームとなった。今年はそれが薄らいでいるわけではない。リーグ序盤の借りを返すという意味でも、後で振り返った時にあそこからリスタートできたのだとさかのぼれるようなゲームにしたい。『星を五分に戻した時、FC東京の反撃が始まる』。選手とはそう言い続けてきました。奇襲や運で星を五分に戻しても、そこから先は続かない。取り組み続けて積み上げていった本当の力が必要だった。そして、今は五分に戻せばという期待がある。明日はその期待を確信に変えるゲームにしたい」（城福監督）

チーム最多の5得点を挙げている石川も明日の多摩川クラシコを「先に進むための一戦」と位置づける。「このゲームで中断を迎える。星を五分にしてさらに積み上げていきたい。そういった意味でも、大きな意味を持つ一戦だと思っている。どんな試合であっても一試合に一度は必ずチャンスが来る。明日も（ゴールを）狙いますよ」。キックオフ前、東京スカパラダイスオーケストラがパフォーマンスを行う。石川のチャントは、彼らの『Down Beat Stomp』を捩ったものだ。そんな日に石川が燃えないわけがない。

役者と準備は整った。今シーズンは、多摩川クラシコから城福トーキョーの反撃が始まる。多摩川を挟んで対峙するライバルとのリバーサイドマッチは今年も熱くなりそうだ。

以上

2009.05.23 Reported by 馬場康平