スカパー！生中継 Ch183 15:50〜（解説：サカクラゲン、実況：南鉄平、プレーヤー解説：布部陽功、リポーター：森田みき）
☆勝敗予想ゲーム
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第19節の横浜FC戦、福岡は4月15日以来となる11試合ぶりの勝利を挙げた。それは、ある意味でサッカーの原点に帰って掴んだ勝利だった。必要以上につながずに、奪ったボールは相手DFの背後のスペースへ送り、スピードと突破力を武器にする田中佑昌を走り込ませた。中盤の守備は体を相手にぶつけて、あくまで泥臭く。そして守備はセーフティファーストを徹底して貫いた。まさにシンプルそのものの戦い方。それは勝ちたいという選手たちの気持ちがストレートに表れたものだった。
しかし、その勝利も終わってしまえば過去のこと。悪い流れを断ち切ったという事実以外にチームに何かをもたらしたわけではない。福岡が勝利を重ねながら、課題を修正する作業を続けなければいけないことに変わりはない。「次の試合で負けてしまったら、横浜FCに勝った意味がなくなってしまう。次に勝ってこそ、この勝利の意味が出てくる。浮かれている選手はいないが、ほっとした気持ちを払拭して臨みたい」と丹羽大輝も話す。
福岡にとっての引き続きの課題は中盤の守備を機能させること。ファーストDFを明確にして高い位置から厳しくアプローチすることが最大のポイントになる。横浜FC戦では泥臭く守っていたものの、ファーストDFのアプローチは決して明確だったとは言い難く、2列目からの飛び出しに付いていけずに決定機を作られた場面もあった。「上位陣だったらどうだったのかと考えると怖さはある。守備のポジショニングをもっと後ろから指示しないといけない。結果的に0に抑えたという部分もあるので、そこは気を抜かずに準備したい」（丹羽）。「良い攻撃は良い守備から」。それが福岡のキーワードになりそうだ。
その福岡がレベルファイブスタジアムに迎えるのは草津。今シーズンを3連勝でスタートさせたものの、その後は波に乗り切れずに第1クールは6勝2分9敗の11位。J2では5位タイにあたる25得点を挙げながら、J2ワーストタイの29失点を喫するという攻守のバランスの悪さが原因だった。しかし、第17節からは3戦負けなし（2勝1分）。前節は富山と引き分けてホームゲームで7戦勝ちなしという不名誉な記録を伸ばしたとはいえ、3試合連続無失点は評価すべき結果。守備が安定してきたことで、チームが持つ本来のポテンシャルの高さが結果につながるようになってきた。
草津の最大の強みはリズミカルな中盤のパスワークにある。本来のポジションである右サイドにこだわらない巧みなポジショニングでボールを引き出す廣山望と、その廣山とポジションチェンジをしながらセンス溢れるパスでチームを操る熊林親吾が中心。ダブルボランチの一角を務める櫻田和樹が虎視眈々と前線への飛び出しを狙えば、キック力を生かした展開力が持ち味の松下裕樹は、チームのバランスを整えながら、機を見て強烈なミドルシュートでゴールを狙う。そして、前線ではJ2得点順位の首位を行く都倉賢が危険な香りを漂わす。
そんな両チームの対戦で注目したいのはダブルボランチの動き。草津のパスの出所である櫻田・松下が自由にプレーするようなら、中盤の構成力に勝る草津の優位は動かない。福岡は、この2人に対して鈴木惇・ウェリントンの2人がどこまでプレッシャーをかけられるかがポイントだろう。草津のパスワークを警戒して下がってしまえば相手の思う壷。福岡はひるまずに前に出る守備を貫きたいところだ。
そして、もうひとつの見どころがサイドでの主導権争いだ。テンポの良い中盤でのパスワークに加え、両サイドバックが高い位置から積極的に攻撃を仕掛けるのが草津の特徴。この両サイドの動き出しから多くのチャンスを作り出してきた。
対して福岡は、スピードのある田中佑昌をDFラインの背後に走り込ませるのが武器のひとつ。加えて、横浜FC戦で左サイドバックとして先発した釘崎康臣の縦へ仕掛けるパワーは迫力十分。サイドで優位に立てれば福岡の攻撃を活性化させるだけではなく、草津の攻撃を半減させることにもなる。
さて、3戦負けなしの勢いに乗り、このまま上位進出の足掛かりを掴みたい草津にとっては勝利が欲しい試合。そして、前節の勝利をきっかけに復調を果たしたい福岡にとっては絶対に勝利は譲れない試合。両チームの対戦が激しい戦いになることは間違いないだろう。特に福岡にとっては、どんな時でも熱い声援でチームを後押しするサポーターに結果で応える必要がある。4月15日以来のホームでの勝利をサポーターにプレゼントすること。それが福岡がやらなければいけないことだ。
以上
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★J2クラブサポーターのみなさま！クラブへの熱き思いを旗に！
次回撮影予定は、6月7（日）の仙台と富山です。
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2009.06.06 Reported by 中倉一志
