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【ヤマザキナビスコカップ 磐田 vs 広島】プレビュー:故障者が戻り、リーグ戦に向けてコンディションをあげたい磐田。3度目のベスト8進出へ、勝点1と迫った広島。(09.06.12)

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6月13日(土)ヤマザキナビスコカップ 磐田 vs 広島(14:00KICK OFF/鴨池)
★ヤマザキナビスコカップ特集チケット情報
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ヤマザキナビスコカップの難しさは、こういう予選リーグの最終盤に如実に現れる。

ホームチームの磐田は、既に決勝トーナメント進出の可能性は消滅。視線は、自然とリーグ戦へと向かう。「1週間後に控えているリーグ再開をいい形で迎えたい」と考えたとしても、それは当然だ。ただ、そのための方法論をどのようにとっていくか。それは、指揮官の考え方次第だ。ベストメンバーをそろえ、1週間後に向けての弾みをつけたい、と考えるのか。チームの底上げを図るべく、若手を使ってみるのか。新システムを採用し、その手応えを図るのか。

例えば、右足首を傷め浦和戦・大分戦と欠場していたジウシーニョや、3月26日に左足関節内果疲労骨折の手術を行った松浦拓弥がチーム練習に復帰している。彼らの起用をどうするか。長期離脱の松浦はともかく、ジウシーニョを先発に戻すのか、それともベンチスタートさせるのか。柳下正明監督は、「2人とも試合をやりながらコンディションをあげていくのがいいだろう」とコメントし、彼らの起用を示唆しているが、それが先発か途中出場なのか。松浦もジウシーニョも練習でいい動きを見せ、自分のプレーをアピールしている。また、柳下監督は、成岡翔を1.5列目に起用し前田遼一との縦関係をつくる前線の形を、練習でも試した。その形を試合でも使うのか、それとも前節の後半に機能した太田吉彰右サイド+西紀寛FWという形で臨むのか。様々な選択肢の存在は、磐田というチームの潜在的なポテンシャルを象徴している。実際、広島の選手たちは磐田への警戒心を隠さない。
「上田康太くんや成岡翔さんは、ボールをしっかりとつなぐことができるし、ロドリゴもいる。特に成岡さんには、2年前のホームでのリーグ戦でもいいシュートを決められている。また、ジウシーニョや前田遼一さんも怖い」(柏木陽介)
「磐田はベンチに座っている選手たちも、スタメンに出ている選手と同じくらい、高いクオリティを持っている。彼らが試合に出てきても、磐田のプレーの質は変らない」(ミキッチ)
そういう高い質を持つ選手たちが、ノープレッシャーの状態でプレーする怖さ。それを、ペトロヴィッチ監督も警戒している。
「磐田は、攻撃的なタレントを多くそろえている。ジウシーニョはもちろん、前田、太田、西、成岡、上田。他にもいる。そういう選手たちに対してスペースを与えては厳しい状況に陥るだろう」

だからといって、広島が決勝トーナメント進出条件である「勝点1」を奪うために、守備的な闘いを仕掛けることはない。
「当然、勝ちにいく。年代別代表でも経験しているけれど、引き分けでOKなんて状況は逆に難しい。素直に、目の前の試合に勝ちたいという想いが強いし、そのためには自分たちのサッカーを貫けばいい」この柏木の言葉は、全選手の想いと同じだ。
佐藤寿人は「勝って、グループ1位で突破を決めたい」と語り、青山敏弘も「相手のやり方どうこうは、あまり頭にない。勝つために走り、球際を闘う。それだけです」と闘志を燃やした。

下田崇や森崎兄弟といった主力の欠場は相変わらずで、槙野智章も日本代表招集のため欠場。主力を数人欠く広島だが、ストヤノフがブルガリア代表から復帰。最終ラインから「ブルガリアの闘魂」がにらみを効かす。「勝点1でいいなど、計算して闘うことは危険だ。目の前の闘いで、自分の持っている力の全てをピッチで表現する。それが我々が果たすべき責務だし、磐田との闘いにベストを尽くさないといけない」

広島がもし明日の磐田戦で苦杯を喫するようなことがあれば、浦和対大宮の結果次第で予選敗退の可能性もある。だが一方で、そのことばかりを意識して自分たちのサッカーを見失ってしまっては、逆に危険だ。
「こういう難しい試合において、選手たちがメンタルの強さを見せてくれるか。そこが、大きな鍵を握る。明日の試合に勝てば、優勝カップが手に入る。それくらいの強い気持ちを持って、闘うことだ。私はそうやって自分にプレッシャーをかけているし、そこを乗り越えてほしいと選手たちにもミーティングで話をした」と、ペトロヴィッチ監督は、強い想いを込めて言葉をつないだ。

今回、予選リーグを突破すれば、2001年・2007年と続き、3度目のベスト8進出となる。
「予選突破だけでは、満足できない。僕らの目標は、決勝の国立競技場。そこで勝って優勝するためにも、明日は勝たないといけない」
柏木も青山も同じ意味の言葉を吐いて、自らの気持ちを奮い立たせていた。その決意のエネルギーが、今の広島には満ちている。

以上

2009.06.12 Reported by 中野和也
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