6月21日(日)J1 第14節 広島 vs 神戸(13:00KICK OFF/広島ビ)
スカパー!生中継 Ch180 12:50〜(解説:沖原謙、実況:君崎滋、リポーター:掛本智子)
勝敗予想ゲーム | JOMO CUPスタメン予想投票
----------
サッカーファン的視点で見れば、この広島対神戸戦は「大久保嘉人復帰試合」という位置づけとなる。2007年からの2年間、神戸で62試合出場25得点を記録。ドイツ・ヴォルフスブルグで半年間プレーし、再び神戸に復帰した日本代表FWが果たしてどんなプレーを見せてくれるのか。来年のワールドカップに向けて、というテーマで考えても「大久保復帰」は興味深いコンテンツと言えるだろう。
しかし、両チームのサポーターにしてみれば、大切なリーグ再開初戦を「大久保復帰」というイベントで一喜一憂するわけにはいかない。
例えば、広島。その美しいパスサッカーによって各所から高く評価されているこのチームだが、実際に獲得している勝点は13試合で20ポイント。降格した2007年は13試合時点で21ポイントをあげていた。総得点も24対22とほぼ同じ。状況は似ている。
確かに、当時とは内容が違う。例えば失点は23→17と減少。1試合平均1.77→1.31と改善され、2年前は1年間で2試合しかなかった完封試合も、今年は既に4試合を記録。組織としての守備が機能していなかった2年前との違いを、数字上でも証明している。
また、攻撃面でも違いが見える。2007年の第13節までに広島あげた22点中18点、全体の81.8%のゴールをウェズレイ(現大分)と佐藤寿人の2トップで記録している。しかし、相手が2トップ対策を徹底させたリーグ再開以降、二人のゴール数は以降21試合で11点。それがそのままチームの得点数激減(平均得点は1.69→1.05)につながった。一方、今季は佐藤寿人と高萩洋次郎というチーム内得点ランク上位2人のゴールを合わせても11点と、全体の45.8%を占めるにすぎない。つまり、佐藤寿人の得点力だけを警戒しても、広島の攻撃を止めることはできないのだ。
こういうデータを見れば、確かに「2年前とは別のチーム」(柏木陽介)となって、広島はJ1に戻ってきた。しかし、そういう数字や分析によって結果が予見できるのであれば、こんなに楽なことはないし、サッカーというスポーツそのものがつまらなくなる。
第一、今の広島には、大きな戦力的不安が存在する。
攻守にわたってチームのバランスをとり、試合全体の流れを構築してきた司令塔=森崎和幸が「慢性疲労症候群」という難病のために長期離脱を余儀なくされたことは、まぎれもなくチームの危機。中島浩司がその代役を務め奮戦してはいるが、ナビスコカップでチーム最多の6試合518分に出場した31歳への負担は重く、特に広島の暑い夏は初体験の彼にとって、スタミナへの不安はつきまとう。
森崎和に最も近いプレーの質が期待できるのは弟の浩司だが、彼もまたオーバートレーニング症候群と闘っており、復帰は未定。「日本代表にとって遠藤保仁(G大阪)の存在が重いことは、今回のW杯予選で証明されたが、今の我々には“二人の遠藤”がいないのだ」と広島・ペトロヴィッチ監督は語った。“二人の遠藤”とは、もちろん森崎兄弟。その不在の影響はナビスコカップ磐田戦のような厳しい状況になればなるほど、露呈してしまう。
他にも桑田慎一朗や佐藤昭大、そして下田崇といった主力選手たちが長期離脱中。他にも、古傷を抱えていたり、怪我からの回復途上にある選手も多く、槙野智章にしても、代表からチームに復帰した昨日の練習では「(練習に)ついていくのに精一杯」と語っており、内実は厳しい。
神戸もまた、コンディションの面では厳しい状況にある。復帰の大久保もまだ万全ではなく、広島戦は途中出場が濃厚。左足肉離れで離脱中の金南一も復帰までには時間がかかる。
ただ一方で、ナビスコカップ最終戦で我那覇和樹が移籍後初得点をあげ、まだフル回転は期待できないながらも、ボッティが練習に復帰。開幕から怪我人が続出していた神戸だが、ここに来て陣容は整いつつある。アウェイで1分5敗と内弁慶ぶりを発揮している神戸だが、ジンクスとは過去のこと。「個々の能力も高く、11位という順位はその実力よりも低い」とペトロヴィッチ監督は神戸のポテンシャルを高く評価。再開初戦の広島戦で今季アウェイ初勝利をあげれば、勢いを爆発させる可能性は十分ある。
思えば2年前の6月23日、ホームズスタジアム神戸での対戦で、広島は神戸に逆転負け。以降、広島は泥沼の5連敗に陥り、J2降格への道を歩き始めた。その試合の後半ロスタイムに逆転ゴールを叩き込んだ大久保のJ復帰初戦が広島戦だということも、何らかの因縁を感じさせる。
「絶対に負けられない」。
広島は公式サイトのトップペーシにこんな強い言葉を掲げた。2年前の屈辱を、今こそ、お返しする。そんな強いクラブとしての想いが、その言葉には詰まっている。
以上
2009.06.20 Reported by 中野和也
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第14節 広島 vs 神戸】プレビュー:2年前の雪辱を果たすべく、広島は神戸に挑戦。大久保嘉人復帰などで話題の神戸は、アウェイ初勝利を目指す。(09.06.21)
- 終盤戦特集2025
- アウォーズ2025
- 明治安田J1昇格プレーオフ2025
- 明治安田J2昇格プレーオフ2025
- J3・JFL入れ替え戦
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 月間表彰
- 2025 移籍情報
- 2025 大会概要
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- 2025 Jリーグインターナショナルユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE













