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【J2:第22節 仙台 vs 東京V】レポート:内容が互角となった後半にゴールが続き、試合は2−2のドロー。しかし目立ったのは、東京Vのテンポ良い攻撃だった。(09.06.22)

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6月21日(日) 2009 J2リーグ戦 第22節
仙台 2 - 2 東京V (13:04/宮城ス/11,817人)
得点者:62' 柴崎晃誠(東京V)、66' 平瀬智行(仙台)、68' 土屋征夫(東京V)、79' 渡辺広大(仙台)
スカパー!再放送 Ch185 6/22(月)13:30〜(解説:野々村芳和、実況:守屋周、リポーター:村林いづみ、プレーヤー解説:福永泰)
勝敗予想ゲーム
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 今節の2日前には、2試合ぶりの出場と、相手に攻撃の糸口すら与えないほど左サイドを攻め上がることへの意気込みを力強く語っていたはずの朴柱成。だが前節と全く同じ形、試合の前日になって負傷を訴えての出場回避となってしまった。想定していたゲームプランが狂った感は否めない。

 ただ、朴の欠場以前に、仙台は東京Vに押し込まれた。東京Vは、左のレアンドロ、そして17試合ぶりのスタメン出場となった右の河野広貴の両サイドハーフが、中央へドリブルなどで積極的に切れ込んで攻撃のアクセントを作る。裏を狙い続ける2トップへの対応に、仙台はセンターバックだけでは足りずボランチも引っ張られることで、レアンドロと河野への対応は自ずと、攻撃を考えなくてはいけないポジションの選手たちが行うことに。

 こうした試合の展開自体は、東京Vのメンバーを見た時点で仙台のチームの頭の中にもあったようで、むしろ東京Vにボールを持たせながら、奪った後に、攻め上がってきているであろう東京Vの両サイドバック裏スペースに素早くボールを送る逆襲を、仙台は考えていた。しかし押し込まれ方が想定を超えていたためか、あまりにもボールを奪う位置が低く、またチーム全体が守備に追われていて、攻撃へのエネルギーをなかなか出せないことで、どうしても攻めは単発な物に終始してしまう。

 このような流れをなんとか耐え、前半を無失点で終えた仙台。後半に入ると、いくらかサイドで積極性を取り戻し、互角に近い状況まで持ってくることができていたのだが、62分、一瞬の隙から失点を喫する。東京Vは右の河野を起点として、そこから大黒将志へ。朴に替わって仙台の左サイドバックに入っていた一柳夢吾が大黒に食いついたその裏に、ピッチのセンターから猛然と走り込んだのが、柴崎晃誠だった。大黒からのスルーパスを受けた柴崎は、ペナルティーエリア内右サイドから思い切り右足を振り抜き、低い弾道のシュートをゴール左隅へ蹴り込んだ。仙台としては、後半に入りリズムをつかみかけた矢先に失点を喫した点で、前節の福岡戦を彷彿とさせるような試合展開。嫌な予感が頭をよぎる。

 だがこの日の仙台は、結果的に連敗を免れることができた。前節とは異なり、驚異的な粘りが仙台を救うことになる。
 失点はしたものの、攻撃の糸口をサイドに見いだし始めていた仙台は、失点からわずか4分後に追いつく。右サイドで高い位置を取った菅井直樹がボールを持ったのを見て、梁勇基が中央から右の深い位置へ斜めに飛び込み、菅井からのボールを受ける。サイドで粘った末に上げた柔らかいセンタリングに対し、ニアで力強くポジション取りを終えていた平瀬智行が高い打点のヘディングシュートを決めた。とはいえ、そのさらに2分後の68分、今度はCKで土屋征夫に豪快なヘディングをたたき込まれ、再び1点ビハインドへ。なかなかうまくはいかない。

 それでも、再びの失点に少々動揺が見え、東京Vの攻撃をどこでスピードダウンさせればよいかが見えなくなっていた仙台の守備は、投入された千葉直樹が中盤で積極的にボールへのチェックを行うことで落ち着きを取り戻し、崩壊を免れる。残り時間もゲーム内容も、敗戦を回避する上でまだ十分すぎるくらいのものがあった。
 そして79分、仙台の同点弾が、東京Vの2点目と同様な形で決まる。梁のCKに対し中央でのダイビングヘッドで合わせたのは、土屋と同じくセンターバックである渡辺広大。ルーキーイヤーの2005年、7月17日にこちらもCKで決めた自身の初ゴール以来、ほぼ4年ぶりとなるプロでの2ゴール目が、結果的に仙台を救う得点となった。
 ロスタイムを含む残り約15分間は、双方ノーガードでの撃ち合いに近い、高速カウンターの応酬となったが、互いにゴールまで迫るものの決勝点には至らず。雨中の激闘は2−2のドローで終了している。

 得た勝点は共に1ながら、自信をつかんだという点で収穫が大きかったのは東京Vか。高木琢也監督が「今までにない物を見せてくれた」と絶賛した河野のプレーは、明らかに東京Vの攻め全体を加速させるもの。1点目のように、3列目の柴崎の飛び出しがゴールへ結びついたことも大きい。最前線には大黒という絶対のフィニッシャーがいるだけに、中盤より後方の整備がこの先も順調に進めば、東京Vがさらなる浮上を見せても何ら不思議ではない。

 対して仙台は、課題が見えたことを収穫ととらえたい。2試合連続、試合の立ち上がりは相手に主導権を握らせる展開となったが、それは自分たちでも織り込み済みだったのだとすれば、やはり先制点は許してはいけない。次節のアウェイ栃木戦で、まずは改善を見たい。

以上
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