去る6月12日、徳島ヴォルティスはクラブマスコットを発表した。以前よりその誕生を待ちわびる声は少なくなく、J5年目にしてクラブがそれに応えたと言えるだろう。
そして、そのマスコットのモチーフとなったのは、ファン・サポーターもきっと予想していたに違いない『狸』─。

クラブのマスコットデザイン発表時にも紹介されたが、徳島県は狸にまつわる昔話や民話が非常に多い土地。さらに、県東部の小松島市に住んでいたと言われる「金長狸」の存在はかなり有名で、狸と人間の現代版合戦を描いた超人気スタジオの劇場アニメにも登場したほどだ。

またもちろん県内にも狸との結び付きの深さを感じるものは多い。狸にまつわる祠が各地にたくさんあったり、観光客に人気の徳島名物として前記の「金長狸」の名を拝したまんじゅうもあったりする。が、その中でもさすが狸所（？）と思える一番はやはり『阿波の狸まつり』だろう。毎年11月上旬に開催されるこのお祭りは、徳島の代名詞『阿波踊り』には及ばずとも、20数万人を集める県の一大イベント。徳島弁溢れるユーモラスなテーマソングも作られており、県民にとっては馴染みの深い、なくてはならない行事となっている。（ちなみにクラブもこのお祭りにはブース出店し、会場盛り上げに一役かっている）

と、徳島の狸に関するマメ情報ばかり書いてきたが、いずれにしても『狸』が徳島ヴォルティスのマスコットモチーフになるのは自然な流れ。クラブにピッタリのマスコットがついに誕生したと言えよう。現在まだ彼ら（男の子と女の子）の名前は募集中だが、きっとこれからこの2人（匹？）はクラブを盛り上げる人気者になってくれるに違いない！

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2009.06.23 Reported by 松下英樹