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【AFCチャンピオンズリーグ 名古屋 vs 水原】レポート:高い決定力を見せつけ昨季のKリーグ王者を撃破!久々のホーム公式戦勝利を収めた名古屋がベスト8進出を決める。(09.06.25)

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6月24日(水) AFCチャンピオンズリーグ
名古屋 2 - 1 水原 (19:00/瑞穂陸/6,859人)
得点者:22' 小川佳純(名古屋)、66' 玉田圭司(名古屋)、69' エドゥー(水原)
ホームチケット情報 | 決勝戦は11月7日(土)に国立競技場で開催!
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それぞれ試合前の自国リーグ戦での順位は名古屋9位に水原11位。AFCチャンピオンズリーグでの好成績とは裏腹の苦戦が続く両チームの対戦は、試合後の水原チャ・ボングン監督の「サッカーはゴールひとつで試合の流れが大きく変わる」という言葉どおりの結果となった。

アウェイでの一発勝負に気合十分の水原は、負傷で戦列を離れていたエースストライカーのエドゥーが復帰。機動力に優れるペ・キジョンとのツートップとし、中盤にはイ・サンホやチェ・ソンヒョンなど技術の高い選手を配置し、前線の補佐役とした。縦への突破力に優れるキム・デイはベンチスタートとなったが、好守にバランスの取れた布陣を瑞穂のピッチに送り出してきた。

一方の名古屋も3日前のリーグ千葉戦でスタメンを外れた玉田圭司と小川佳純がスタートから出場。ベンチにはマギヌンが2ヵ月ぶりのメンバー入りを果たすなど、ようやくベストに近い構成で試合に臨めるようになった。懸案のサイドハーフの一角には津田知宏を起用し、残りは不動のスタメンでノックアウトラウンドに挑む。

試合開始から主導権を握ったのは、アウェイのKリーグ王者。ツートップへのロングボールを起点に、シンプルな展開でゴールへ迫る。守備でも前線から激しいプレッシングを敢行し、名古屋から自由を奪うことに成功した。作戦がはまった水原は攻撃のセカンドボールも次々と奪取。開始20分で5本のシュートを放つなど10回以上のチャンスをつくり、ホームの名古屋を攻めたてた。

だが、先制したのは防戦一方の名古屋だった。相手のプレッシャーに押し込まれ、攻めることすらできないままに迎えた22分。スローインをダヴィがキープし、DFラインの裏へと浮き球を送ると、そこにはオフサイドトラップをかいくぐってフリーとなった小川がいた。韓国代表GKイ・ウンジェの動きをよく見て冷静にゴール左隅に流し込んだ一撃は、名古屋にとってのこの日最初の決定機。待望の先制点は、名古屋の1本目のシュートという勝負強さをもって決められた。この1点を境に試合の主導権は一気に名古屋へ傾いていった。

後半に入ると流れはさらに名古屋へ。水原も後半開始からキム・デイを投入し、縦への突破力を強化するも効果は上がらず。さらにFKは全てゴール前での空中戦に持ち込んだが、増川隆洋と吉田麻也に制空権を握られ次々と跳ね返された。名古屋はこぼれ球を拾うと玉田や小川のキープ力を頼りに持ち前のポゼッションが復活。シュート数こそ少ないが、しっかりとしたビルドアップから時間をかけた攻撃で水原陣内へと攻め込んでいった。また、国内リーグ戦では最も警戒される両サイドバックからのパス出しにプレッシャーが少なかったこともあり、パスワークはさらにスムーズに展開。相手守備に脅威を与えることで、効率よく相手の反撃の時間も削っていった。

名古屋に追加点が生まれたのは21分のこと。ペナルティエリア横から津田とのワンツーでボックス内に侵入した玉田は、キックフェイントでDFをかわして逆サイドネットに突き刺した。試合を決定づける2点目は、後半2本目のシュートだった。この一戦で名古屋が放ったシュートは90分合計でわずか6本。その後に1点を返した水原だが、シュート数は倍の12本を放っている。試合はそのまま2−1で終了。試合の大部分を攻め続けた水原は決定力に泣き、名古屋は高い決定力で守備陣の奮闘に応えた。冒頭のチャ・ボングン監督の言葉は潔いようだが、その前に「我々の攻撃陣は負傷もあってボール感覚が足りなかった」とも語っている。韓国サッカー史上最高のストライカーだった指揮官にとって、決定力で負けたことはこの上なく悔しかったのだろう。

これで名古屋は9月の準々決勝へと駒を進めることになった。Jリーグの再開初戦を不安に満ちた内容で敗戦していただけに、この結果は自信回復への大きなエネルギーともなる。しかし試合後に吉村圭司が語ったように、これは名古屋対策が徹底されていない他国のチームとの対戦ということを忘れてはならない。自分たちの長所を封じる術を知り尽くした国内の相手に、同じ試合ができる担保とまではならないのが現実だ。吉村は「今日のいいところは継続しながら、もっと工夫して、運動量を上げて、技術の精度を上げないといけない」と気を引き締めていた。アジアの8強に名を連ねた名古屋は、勝利におごることなく次の試合へ歩を進める。準々決勝を充実した状態で戦うためにも、ここから魅力ある美しいサッカーの完全復活といきたいところだ。

以上

2009.06.25 Reported by 今井雄一朗
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