6月24日(水) 2009 J2リーグ戦 第23節
岡山 0 - 1 水戸 (19:03/岡山/3,084人)
得点者:11' 吉原宏太(水戸)
スカパー!再放送 Ch183 6/25(木)15:00〜(解説:野村雅之、実況:川崎祐一、リポーター:守口香織)
☆勝敗予想ゲーム
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どことなく不思議な気配の漂う夜だった。ウィークデーではホーム初のナイトゲームとなった今節。立ち上がりは、3試合ぶりスタメン出場の西野晃平が、古巣・水戸相手に、前線でパスをカットしてゴールに向かい、気合いを見せる。しかし早々に岡山のセンターバック・金廣閔が負傷し、8試合ぶりにベンチ入りした田所諒が急遽、右サイドバックに入る。田所のファーストタッチとなるパスが喜山康平から送られ、岡山はボールを動かしながら、最終ラインが落ち着くまで今しばらくの時間が欲しいところだった。
しかしもちろん、思う通りにはいかない。前半11分、水戸・高崎寛之がゴールライン間際で折り返したボールを、中央に走り込んできた吉原宏太が左足を振り抜いて先制点を決める。岡山の誰もがその展開を予感し、視野に入れながら、カバーが間に合わなかった。走っても走っても進まない、追いつけない、そんな嫌な夢を見ているようなシーンだった。一連のドタバタから許した失点のショックで心が定まらない状況に陥るが、喜山の判断や、野本安啓の体の張ったプレーは地に足のついたリアルなもので、徐々にチームメイトを現実という厳しい世界に引き戻した。
比較的早い時間の失点だったので、岡山は追いつき、逆転するつもりだった。この試合で初めて左サイドバックに入った玉林睦実は縦横無尽に走って攻撃に参加。右サイドハーフの妹尾隆佑は得意のドリブルからシュートまで持ち込む。しかし、いつもはトップ下でゲームメイクする保坂一成が欠場した今節、前線でのリズムがもうひとつ作り出せない。一方の水戸も、攻撃に人数を掛け、菊岡拓朗を起点にボールを前線へ送って追加点を狙うが、もうひとつ機能しない。「ボールもつなげず、運動量も少なく、前線の動きだしとか、ボールを引き出す動きも少なかった」と木山隆之監督(水戸)。
岡山は後半から武田英明を投入し、相手ゴールに迫っていく。51分には、武田のシュートがゴールポストにはじかれたところを、絶好の位置につけていた西野がすかさずシュート。これがGK・本間幸司の正面に行き、「決まってもおかしくないシーン」に、またしても岡山の決定力のなさが露呈する。追いつけないまま、67分には野本が累積警告で退場。また負傷した田所が治療のためピッチを離れる時間もあり、満身創痍の様相。それでも西野をターゲットとした武田の走り込みや、植田龍仁朗のミドルシュートでゴールを狙ったが、結果は出せなかった。
終盤に走り勝っていたのは水戸だった。守備は固く、今回も2トップの連係で得点し、今後は手堅く調子を上げていくだろう。そして魔法でも掛けられたかのように決定打の出ない岡山は、再び森の中に迷い込む。――と、おとぎ話に逃げられるといいのだが、決定力のなさは、精度を上げていくことで、あるいはもっと激しく自らを追い込むことで解決できる実際的な問題点である。少々のことではへこたれないチームだが、試合終了後に喜山が立ち上がれなくなっていた(これは前節も同様)ことが気になる。
以上
2009.06.25 Reported by 尾原千明
J’s GOALニュース
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