6月28日(日)J1 第15節 山形 vs 川崎F(13:00KICK OFF/NDスタ)
スカパー!生中継 Ch180 12:50〜(解説:越智隼人、実況:小出匡志、リポーター:成田ひみこ)
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山形は、川崎Fに大きな借りがある。
昨年11月3日、天皇杯4回戦。山形はJ2リーグ2位で等々力に乗り込んだ。もしかしたら来シーズンはプレーすることになるかもしれない未体験の舞台・J1。そこで3位につけているチームとの対戦は、自分たちの力を測る絶好の機会だった。結果は、山形が先制したあとに川崎Fが目を醒ましたような怒濤の攻めで3得点。山形は長く波状攻撃に晒されたことで主に守備の選手に足をつる者を数人出し、力の差をまざまざと見せつけられる悔しい敗戦となったが、その差を肌で感じたことで、「J1でプレーしたい。そこでもう一度、川崎F挑戦したい」という気持ちがチーム内に充満することになった。小林伸二監督が振り返る。「去年、天皇杯で川崎Fと対戦して、J1へのモチベーションをもらったんですね。サポーターの数とかメディアの数から全部違うので、選手にとってはあのゲームがかなりの刺激になったと思いますし、うちのチームをJ1に上げる導きをしたかもしれないですよね」
また、プレシーズンの宮崎キャンプでも45分×3本のトレーニングマッチを行っているが、主力同士が対戦した最初の90分では1−1。立ち上がりから川崎Fの猛烈なパススピードに振り回され続けたが、しだいに慣れてくるとポゼッションする時間も増えてきた。特にボランチの秋葉勝、佐藤健太郎が残した成長への手ごたえは確固たるもので、開幕から好調を維持する要因ともなった。J1の厳しさと楽しさを教えてくれた川崎Fに、勝ってしっかりと御礼しなければならない。
川崎Fはリーグ戦再開初戦の前節・大分戦を、中村憲剛、鄭大世、寺田周平、ジュニーニョら主力をメンバーから外し、矢島卓郎や、山岸智、養父雄仁などを起用したなか、レナチーニョの2得点で2−0と勝利。アタッキングサードでの精度には課題を残したが、シュートのこぼれ球に次の選手が確実に反応するなど、ペナルティーエリア周辺に多くの人数が押し込む形はつくれていた。
6月24日には多くの主力が戻ってきたなかでACLラウンド16を迎えた。鬼門の万博でディフェンディングチャンピオンのG大阪と一発勝負を行い、3−2と撃破に成功。アジア制覇に向け、まずは8強に名乗りを挙げた。この試合では寺田周平をボランチに起用し中央を固めたが、守備が緩いサイドからのクロスで薄いディフェンスラインを揺さぶられ、常に先行を許す戦いを強いられた。76分にレナチーニョがこの試合2度目の同点ゴールを挙げるまでは苦しい展開だったが、85分には途中出場の黒津勝のゴールで逆転に成功。前半に中央を切り裂いてゴールを挙げ、後半にこの2人のゴールをスルーパスから導いた中村の活躍も光った。
山形戦が5連戦の3戦目となる川崎Fは、延期されていた第10節を再びG大阪戦と7月1日に戦い、4日には首位・鹿島との対戦を控えている。そうした日程から、大分戦のメンバーを主体に編成することも十分に考え得る選択肢だ。一方、現在は勝点暫定4位に着けているが、頂点をめざすのなら、勝点8差で先頭を走る鹿島との距離をこれ以上離されるわけにはいかない。山形との力の差を考えても、確実に勝点3を持ち帰らなければならない一戦だ。ただ、どのようなメンバー構成でも、チーム全体のモチベーションを落とすことがあってはならない。国内とアジアの頂点を狙うにふさわしいチームであることを、この90分間で示したい。
山形は前節・清水に1−4と大敗した。リーグ戦中断中にリハビリ・調整を続けていた主力たちが復帰してきたが、序盤に致命的なミスもあって2失点し、ゲームプランが崩れることになった。改めて、今節は仕切直しの一戦となるが、最大の課題は守備で無失点を続けること。チーム全体が連動した「堅守」を再構築できるのか。その出来は、この試合の勝敗はもちろんのこと、今後のリーグ戦までも占う重要な一戦と位置づけられる。ボランチの秋葉勝は「守備の連動でうまくボールを取れればいいが、破壊力があってやられる怖さがある」と、川崎Fと対峙するときの心境を正直に告白するが、その恐怖心こそ、大切なものだろう。それを乗り越えようと戦闘モードに切り換えることができたとき、最大の集中力が発揮されるのだから。
5月以降のリーグ戦は2分4敗と6試合で勝利がなく、順位も15位まで下降してきた。J1初挑戦の道は平坦ではなく、結果も出ていないが、チームは徐々にベストな戦闘態勢を整えつつあり、ベクトルは上向きだ。今週のオフ明け、小林監督は選手たちにこう話したという。「自分たちは頑張ってるけど、今の順位も考えられる順位でしょ?何年もかけて補強しながらJ1に残っているチームのなかにいきなりボンと入ってやっているんだから、そんな簡単にできることではない。だから、今から頑張っていこう」。この気持ちをチームだけではなく、スタジアム全体で共有できたとき、停滞した空気は払拭されるだろう。
13時キックオフのこの試合、“脇役”として大きな影響を及ぼしそうなのが、30度超が予想される気温だ。連戦中の川崎Fは早い時間に先制し、消耗を抑えながら逃げ切るのが理想の展開だが、いつまでも点が奪えなければさらなるエネルギー消費が避けられず、そのまま攻撃がトーンダウンすれば、消耗してでも0−0の時間を長くしたい山形をラクにさせることになる。火中の栗を拾い合うような試合になるが、勝点3がつかめないことに比べれば耐えられる。
以上
2009.06.27 Reported by 佐藤円
J’s GOALニュース
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