6月27日(土) 2009 J1リーグ戦 第15節
F東京 2 - 1 清水 (19:04/国立/28,987人)
得点者:7' 梶山陽平(F東京)、58' ヨンセン(清水)、62' 石川直宏(F東京)
スカパー!再放送 Ch185 6/30(火)05:00〜(解説:田中孝司、実況:加藤暁、リポーター:日々野真理)
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F東京は、国立霞ヶ丘競技場で清水と対戦し、2-1で公式戦4連勝を飾った。ゲームが動いたのは7分、FWカボレがペナルティエリアで倒されてF東京がPKを獲得。これをMF梶山陽平が決めて先制すると試合の主導権を握った。だが、後半に入ると、清水にペースを握られてしまう。そして58分、クリアボールを拾ったFWヨンセンに決められて同点に。しかし、62分、MF石川直宏がエリア外からミドルシュートを突き刺して再びリードを奪う。その後は、清水の猛攻にさらされるも、チーム全員の集中した守備で逃げ切って暫定6位に浮上した。逆に清水は同7位に順位を落とした。
ゲームのハイライトは、同点に追いつかれた直後だった。ミドルレンジで石川がボールを受けると、迷わず右足を振ってゴールを狙った。強烈なシュートがゴールを襲うと、清水GK山本海人が腕を伸ばしてボールを弾き、辛くもこれを阻止する。「俺が取り返す」という意思表示とも取れるミドルシュートは、清水へと傾きかけた試合の流れを引き戻すには十分過ぎる一撃だった。そして、石川は次のチャンスでゴールをもぎ取る。62分、中央で待ち構えていたところに、ボールがこぼれてくる。それを躊躇なく、右足アウトサイドにかけて擦り上げると、スピンの掛かったボールは曲がりながら落ちて枠を捉える。今度は、GK山本の必死に伸ばした手も届かず、ノータッチでそのままゴールネットを揺らした。
「今は失点をできるだけ抑えれば、必ず前の選手が取ってくれる。失点してもいけると思っていた」(徳永悠平)
今季リーグ8得点目の背番号18の背中がどんなに頼もしく見えただろうか。ピッチだけでなく、スタジアム中が驚きと感嘆の声に包まれた。2万8000人の視線を釘付けにした石川のゴールでF東京は難敵清水から勝利をもぎ取った。
「まず星を五分に戻したい。それが我々の反撃の合図となる。そこからが本当の勝負。そのためにも地力をしっかりつけておきたかった」(城福浩監督)
ついにF東京が勝率を7勝1分7敗の五分に戻した。今季は、厳しいスタートだった。開幕から連敗を喫するなど、苦しい春を乗り越えることは容易ではなかった。一時は、開幕前に打ち立てた両SBに高いポジションを取らせる新構想を中断して勝点の勘定をしなければいけないほど、チームは追い込まれた。それでも指揮官は、地道に我慢強くチーム作りを進めた。新構想に不可欠だった2CBと、ボランチのビルドアップ能力は、今野泰幸とブルーノ・クアドロスをCBにコンバートし、ルーキーの米本拓司を先発ボランチに抜擢したことで飛躍的な改善を見せた。ボールを保持する時間が長くなったことで、相手の攻撃機会を奪い、守備時間の短縮にも繋がった。開幕から10試合で最多失点チームという不名誉な記録を残したが、現在は指揮官が「10節から20節までの最少失点チームを目指す」と公言するまで守備に手応えを感じるようになった。
また、ビルドアップが安定したことで、攻撃の形も多彩になってきた。前線の4人は、ポジションを固定することなく動いて様々なシチュエーションでボールを引き出せている。トップ脇のポジションに入る平山相太の足元にボールが入ると、それが合図となって攻撃のスイッチが入るようになった。カボレや石川直宏が自分の得意なエリアに入ってプレーする回数も格段に増えている。現在、日本人トップスコアラーの石川のゴール量産は、そうしたチームの支えによって成り立っているといえる。
だが、今節は前節柏戦ほどの完勝だったわけではない。清水は強かった。特に後半は、FW岡崎慎司が中盤の左サイドからトップ下にポジションを移すと、F東京守備陣はマークに付ききれず慌ててしまった。失点シーンだけでなく、正確なパスを通されて何度も危ない場面を作られた。清水にとっては「立ち上がりの失点が大きかった」と振り返る青山直晃の印象どおりのゲームだっただろう。早い時間に先制されたことでゲームの主導権を握り返すまで、F東京に上手く時間を使われてしまったことが大きかった。それだけ後半のヨンセン、原一樹の2トップに岡崎を加えた攻撃には迫力があった。後半開始から長谷川健太監督が使用した4-3-1-2システムは以前も使っていたシステムだ。けが人が復帰して4-4-2との併用ができれば、攻撃のバリエーションはさらに増していくだろう。清水は十分な手応えを手に次節ホームで京都を迎えるはずだ。
F東京にとっては修正しなければいけない点もあったが、勝点3を拾うゲーム内容だった。柏戦後、城福監督はこう話していた。
「川崎戦の後からは内容に結果が伴ってきたので、(柏戦では)あれぐらいボールを回せるという自信はあった。だから驚きはない。後は高いアベレージをどれだけ保てるかだと思う。柏戦以上にいい時もあれば、もちろんそれを下回るような試合内容もある。その振れ幅を小さくしていくことが今後は大切だと思っている」
清水の強固なゾーンディフェンスに対してボールをしっかり回してフィニッシュまで繋げた時間帯もあった。アベレージという点では、おそらく厳しい指揮官の合格点をもらえたはずだ。「反撃の夏」へのスタートは鮮やかに切られた。地力に裏打ちされたF東京のこの勢いはしばらく止まりそうもない。
以上
2009.06.28 Reported by 馬場康平
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第15節 F東京 vs 清水】レポート:石川の右アウトサイドミドルで清水の強固な守備をこじ開ける!反撃の夏に向けてF東京の快進撃が続く(09.06.28)
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