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【J1:第15節 浦和 vs 神戸】レポート:駒場に響きわたった勝利の凱歌。リズムを再調整した浦和が眠れる神戸をねじ伏せる。(09.06.28)

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6月27日(土) 2009 J1リーグ戦 第15節
浦和 2 - 0 神戸 (16:03/駒場/18,777人)
得点者:2' エジミウソン(浦和)、42' 高原直泰(浦和)
スカパー!再放送 Ch183 6/29(月)11:00〜(解説:川本治、実況:八塚浩、リポーター:朝井夏海)
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 中央でパスを受けた次の刹那、左足が高速に振り抜かれ、相手DFの股を抜いたボールはゴール右隅に突き刺さる。去る6月3日、今季復活の狼煙を上げた地で、浦和の背番号19は今度はリーグ戦初得点という結果でサポーターの期待に応えてみせた。元日本代表のエース、高原直泰はかつての姿を完全に取り戻したことを証明した。

 気温31度を記録したこの日、ペース配分という課題とは裏腹に、試合は瞬く間に浦和のペースで進んでいくことになった。カウンターを唯一の攻め手とした神戸に対し、ホームチームはガス欠を起こした前節の横浜FM戦を教訓に、ボールをキープする時間と、速い攻めをバランスよく繰り返していく。また、守備面ではきっちりと相手を追い込み、集中したプレスで何度もボールを強奪した。

 狂っていた歯車が次第にスムーズさを取り戻し、ピッチではいつしか鮮やかなパス回しが奏でられる。横浜FM戦の前にあったその兆しは、再び確かな音色を刻み、ピッチ上に表現されることとなった。とはいえ、この前進は横浜FM戦での停滞により、再確認の必要性が生じたからこそのもの。チームが立ち止まることがある可能性については、これまでフォルカーフィンケ監督が幾度となく口にしてきたことだが、浦和はしっかりと前進を続けていることを示してみせた。

 そして、そんなチームにあって一際輝きを増している高原の存在。前線で確実に溜められる懐の深さにため息を誘う巧みなトラップ、そして圧巻のシュート技術と、歴戦のストライカーはいよいよ円熟のときを迎える気配である。その横には高原とのアベックゴールを記録し、「日本の夏が好き」と話すエジミウソンもいる。浦和が誇る2トップは、今やJリーグ随一の破壊力を帯び始めたと言えよう。

 神戸のカウンターからゴールを脅かされる場面があったものの、全体的にはゲームを支配してきっちりと完封で試合を終えてみせた浦和。監督から「今日は特に褒め称えたい」と称賛を受けた細貝萌に、山田直輝から「陰ながらの啓太さんの活躍が大事」とその存在価値を言及された鈴木啓太、さらにはその山田直を筆頭にハツラツとしたプレーを見せた原口元気、永田拓也の若手トリオ、そして戦線復帰を果たしたポンテまで、このゲームでの収穫の多さには、サポーターも思わず笑みを浮かべたに違いない。

 次節以降に向けて自信を取り戻したその浦和に対し、神戸は辛酸を嘗める結果に。カイオジュニオール監督は「取られてはいけない時間帯に失点してしまった」とし、大久保嘉人は試合中に何度も苛立ちをあらわにした。

 ただ、何度か炸裂しかけたカウンターの鋭さは確かなモノがあっただけに、あとは指揮官も指摘した決定機での落ち着きを経験を重ねるなかで身に付けていくしかないだろう。「決まれば違った試合になっていた」というのは、一面では事実であるだけに、チームは引き続きその究極的な目標に向かっていくことになる。

 うだるような暑さが通り過ぎ、駒場に幾分かの涼しさが訪れようとした試合後、クールダウンをする選手を覆うようにサポーターから高らかな勝利の凱歌が唄い上げられる。その瞬間、スタジアムはえも言われぬ雰囲気に包まれる。

 小さいころからの駒場での浦和に思い出を持つ山田直は言う。「あの歌を聞くと、今日も楽しくできたんじゃないかなという気がする。あの歌を毎試合聞けるような試合をしたい」。前節では思わぬエアポケットにはまり込んだ浦和だったが、本格化を迎えつつある夏場に向けた微調整を終え、再びチームは進軍のときを迎えた。

以上
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