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【J2:第24節 愛媛 vs 鳥栖】レポート:1ヶ月の成長の差が表われた一戦。勝負強さを発揮した鳥栖が追いすがる愛媛を突き放し、勝点3をつかむ。(09.06.28)

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6月27日(土) 2009 J2リーグ戦 第24節
愛媛 2 - 3 鳥栖 (16:04/ニンスタ/2,741人)
得点者:0' 高地系治(鳥栖)、17' ハーフナーマイク(鳥栖)、50' 内村圭宏(愛媛)、63' 大木勉(愛媛)、87' トジン(鳥栖)
スカパー!再放送 Ch185 6/29(月)08:00〜(解説:大西貴、実況:堀本直克、リポーター:重橋秀香)
勝敗予想ゲーム
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振り返れば開幕の水戸戦から始まり、第8節の福岡戦や第9節の草津戦、そして第10節の徳島戦……。今季の愛媛は試合開始15分までの失点を繰り返し、劣勢に立たされてきた。「立ち上がりの悪さが最後のつけとして回ってきたと思う」と金守智哉は口にしたが、選手全員そのことは分かっていたはず。この試合ではわずか45秒で高地系治にミドルシュートを叩き込まれ、同じ過ちを繰り返してしまっていることが残念でならない。「立ち上がりはもっと簡単にやったり、決め事をつくって失点しないようにしなければ」と内村圭宏はその課題を語ったが、もう改善は待ったなし。再び長いトンネルに入り込まないためにも、相当の決意が必要だ。

逆に言えば、そこをクリアできればチームは一回り大きくなれる可能性を残している。愛媛はそれを後半の45分間でしっかり示した。後半開始直後からFWに大木勉が入ると、エンジンがかかった愛媛。ツートップがバイタルエリア、ディフェンスラインの背後で出入りを繰り返し、攻撃の起点を作ると横谷繁や田森大己、永井俊太ら中盤の選手が前線に顔を出せるようになった。そして、前半から裏を狙い続けていた内村の突破がようやく実を結んだのが後半5分。鳥栖のディフェンスラインを追い越し、さらにGKの動きを冷静に見た内村が愛媛の反撃開始を告げるゴールを決めた。

一方で、後半の鳥栖は隙を見せてしまう。連戦の中、チーム全体として運動量が落ちてしまったことは否めないが、苦しい時間帯にどう守備を修正していくか課題が残った。前半なら前からプレスがかかり、愛媛のロングボールも精度を欠いていた。結果として、ラインを押し上げればオフサイドも取れていたし、危なげなくゲームを運べていた。しかし中盤でもプレッシャーが緩むと田森の侵入を許し、大木にラストパスを通され同点ゴールを奪われた。

それでも、試合後の会見の冒頭で岸野靖之監督が語ったように、鳥栖にとって「今日の勝ちはでかい」。前半優位に立ちながら、後半は劣勢に立たされたものの、最後の最後で勝点3を奪い取った。その勝利の大きさは、3点目を取ったベンチの喜びにも表われていた。監督やスタッフ、控えの選手がベンチを飛び出し喜びを爆発させていたが、上位陣追撃、「夢昇格」に必要な結果を手にしたことはこの試合最大の収穫だ。決勝点以外にもチャンスを作ったトジン、苦しい展開の中で役割を果たした山田卓也と下地奨、交代で出場した選手も含め、チーム一丸となり連戦の最後で勝点3を鳥栖に持ち帰ったことで次節のホーム・九州ダービー(福岡戦、7/4@ベアスタ)にも勢いをつけることができた。

一方で試合運びのまずさから、連敗に逆戻りしてしまった愛媛は崖っぷちに立たされていると考えるべきだ。鳥栖戦では前半10分で左サイドバックの三上卓哉が負傷退場、急造のディフェンスラインで戦う不運もあった。それでも、同点に追いついた以上、勝点1は欲しかった。そういう試合運びができなければ、中位に踏み止まることはできない。前回の鳥栖戦からほぼ1ヶ月、成長した鳥栖に順位で追い抜かれ、内容でも水をあけられた愛媛。それでも、愛媛も成長を止めるわけにはいかない。続く東京V戦(7/5@味スタ)、札幌戦(7/8@ニンスタ)でも、成長を続ける上位陣との厳しい戦いが予想される。そこでどれだけ内容を高め、課題を克服して食い下がれるか。冒頭にも記した通り、ここで覚悟を持って臨まなければ第2クールの山は予想以上に高く、険しい道のりが続いてもおかしくはない。

以上

2009.06.28 Reported by 近藤義博
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