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【J2:第24節 熊本 vs 岐阜】レポート:記録と記憶に残る大量5ゴールで、熊本が岐阜から初勝利を挙げ、順位も13位に浮上。いよいよ上位追撃態勢に入る。(09.06.29)

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6月28日(日) 2009 J2リーグ戦 第24節
熊本 5 - 2 岐阜 (13:04/水前寺/2,787人)
得点者:24' 福王忠世(熊本)、29' 西川優大(岐阜)、44' 福王忠世(熊本)、51' 中山悟志(熊本)、70' 田中秀人(岐阜)、73' 宇留野純(熊本)、74' 山内祐一(熊本)
スカパー!再放送 Ch180 6/29(月)21:30〜(解説:池ノ上俊一、実況:山崎雄樹、リポーター:風戸直子)
勝敗予想ゲーム
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 3年越しの思いが実った岐阜からの初勝利は、Jリーグ加入後最多得点という記録に残る一戦。同時にそれは、クラブの関係者やサポーターにとって、記憶にも深く刻み込まれる試合となった。

 心配された雨は持ちこたえたが、湿度62%という蒸し暑さの中で迎えたゲーム。コイントスに勝った岐阜の菅和範が風下のエンドを選んだ事で、前半は風下で耐えるのか…、と思ったが全くそんな事はなく、前節の勢いそのままに、立ち上がりからまずは岐阜が押し込む。
 1分、橋本卓からのボールを受けた高木和正がドリブルで持ち込みコーナーキック。2分に再びコーナーキック、3分には菊池完から佐藤洸一とつないで富成慎司のクロス、直後には富成からのパスを受けた佐藤のシュート、4分にも西川優大がシュートと、立て続けに岐阜がチャンスを作る。

 熊本も前線の中山悟志が戻って跳ね返すなどゴールは割らせなかったが、特にコーナーキックの場面では、中央でタテ1列に並んだ形から、花火が弾けるようにニアとファーに散らばる岐阜の動きに対してマークを外し、ファーサイドに逃げる187cmの西川をつかまえきれないシーンがあった。ピンポイントで合わされ先制を許していれば、ゲームの流れも変わっていた可能性はあったが、この時間帯の攻勢を凌いだ事で、徐々に流れは熊本へと傾いていく。

 というのも、木島良輔の出場停止を受けてJリーグ初先発となった山内祐一と中山の2トップをはじめ、この日の熊本は、両サイドの宇留野純と西弘則、そしてトップ下の藤田俊哉まで含めた前の5人が流動的かつ有機的に動き、誰かがスペースを作っては別の誰かがそこに顔を出し、受けてはシンプルに捌いてまた動く、という連動ができていたからだ。加えて、落ち着いてボールを動かすところ、奪ってから早く仕掛けるところの判断が今までにないほどチームとして共有でき、ポゼッションとカウンターを織り交ぜた、メリハリの効いた展開ができていたことも、流れを引き寄せた一因だった。

 23分、原田拓からの右コーナーキックに福王忠世が飛び込んで1−0。待望の先制点にスタンドが沸く。29分に草津戦と同じような形でドリブルでの侵入を許し、最後はフリーで入ってきた西川に合わされて一度は追いつかれたが、前半ロスタイムの原田からのコーナーキックを、またも福王が、今度は頭でズドンと決めて2−1で折り返した。さらに後半立ち上がりの51分、この日、自らもゴールを狙う積極姿勢を見せる等、いつにも増して冴えていた藤田からのボールを受けた中山が13試合ぶりのゴールを決めて3−1。

 これに対して岐阜は、菊池完に替えて野本泰崇、前線の佐藤に替えて嶋田正吾と立て続けに交代のカードを切り、70分に染矢一樹が左から上げたクロスを田中秀人が頭で決めて1点差まで迫ったが、リードされて全体が前にかかっていた事で、逆に熊本のカウンターを浴びる結果を招いた。

 73分、石井俊也から山内、西とつないで宇留野が決めて4−2とすると、さらに74分には山内が抜け出して5−2と突き放し、その後岐阜にチャンスを作られる場面もあったが、藤田に替えて山本翔平を入れ中盤での守備を締めるなど、北野誠監督が戦前に思い描いていた通りの展開で熊本が逃げ切った。

 岐阜としては、「熊本で一番ボールが集まる出どころを抑えるというのはポイントだった」(松永英機監督)のだが、前述した通り熊本の前線の出入りが効果的で、藤田と石井に限らず、スペースに入り込んでくる選手へのケアが甘くなっていた面もある。前半終了間際と後半の立ち上がりという集中すべき時間帯に失点が続き、盛り返そうという時に点差が開いたのも痛かった。だが松永監督も「岐阜らしさは出せた」と話した通り、攻撃の形は作っていたし、シュート数も14本と熊本と1本しか違わず、好調だった守備で5失点したとは言え、スコア程には力の差はなかった。

 熊本は、前節と同じような形で失点した事は確かに課題ではあるが、栃木戦同様、勝負どころをとらえてしっかりと得点を重ねた事は評価できる。さらに、中山、宇留野、山内と、攻撃陣が揃って得点を挙げた事も今後には好材料。中でも特筆すべきは山内のプレー。5点目のゴールは、初先発というチャンスをモノにすべく、序盤から積極的に裏に抜け出す動きを見せて岐阜の守備陣をかく乱し続けたことへの“ご褒美”だと言っていい。「せっかくのチャンス。交代で下がったらもったいないし、4点目が入ってホントに点が欲しくなった」と、両足をつりながらも走り続け何度もチャンスを作った働きは、必ずくるであろう出番を信じて日々のトレーニングに取り組んできた努力の賜物。4点目の宇留野のゴールも、相手DFを背負いながら西へとつないだ山内の粘りがあったからこそだ。

「今まで取り組んできた事と、今やっている事が融合できた結果」と北野誠監督が振り返ったように、丁寧にボールをつなぐサッカーをベースにしつつも、横パスだけではなく間に入ってきたところにクサビを当てるなどタテにテンポ良く動かし、あるいはロングボールもアクセント的に使って急ぐ所は急ぐ、という緩急を利かせたバリエーションを見せた。今日の2失点で通算37失点と18チーム中15位タイにはなったが、守備の改善を進める事で、チームとしての成熟度はさらに増すはずだ。

 7度目の対戦にして岐阜への苦手意識はようやく払拭され、今日の勝利によって、またひとつ自信が積み上げられた。それを揺るぎないものにするためにも次節、第1クールで勝ちを逃した岡山を叩きたい。シーズンは間もなく折り返しを迎えるが、熊本がいよいよアクセルを踏み込み、前を走るチームを追撃にかかる。

以上

2009.06.29 Reported by 井芹貴志
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