今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第31節 水戸 vs 栃木】水戸側プレビュー:水戸のパンクロックサッカーが北関東を席巻する。栃木を蹴散らし、いざ、昇格争いへ!(09.08.01)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
8月1日(土)J2 第31節 水戸 vs 栃木(19:00KICK OFF/笠松
スカパー!生中継 Ch184 18:50〜(解説:遠藤雅大、実況:関根信宏、リポーター:佐藤愛美)
勝敗予想ゲーム☆土曜18時半締切! | 皆の投稿で作るスタジアム情報
JウイイレCC最新作によるシミュレーションプレビューは「MOVIE」をクリック!
※オートプレーの為、実際のメンバーと異なる場合があります。また一部選手はエディットして作成・追加しています。ご了承ください。
----------
☆栃木側プレビューはこちら

 1970年代後半、ロンドンに颯爽と現れたセックス・ピストルズは全世界に衝撃を与えた。彼らの奇抜なファッションが注目されがちだが、当時の若者が最も胸を躍らせたのは、彼らの音楽性にであった。50年代にブラックミュージックが発展して、誕生したロックンロール。シンプルかつ軽快なリズムの音楽は、世界中の人々を虜にしていった。しかし、月日が経つにつれ、ロックは徐々に進化していき、誕生から20年経った70年代にはロックは複雑化し、崇高な音楽へと変貌を遂げていた。そこで登場したのが、セックス・ピストルズであった。パンクロックと評された彼らの音楽はシンプルそのもの。3コードで組み立てられた楽曲は、時代は違えども、ロックンロールの生まれたまんまの姿であった。まさに原点回帰。ロックを「僕らの手」に取り戻したセックス・ピストルズ。彼らが発するシンプルさの持つ力強さに、若者は熱狂したのであった。「Simple is best」。それを叫び続けることこそ、パンクロックの存在意義である。

 今の水戸はその状況と似ている。Jリーグ発足から16年。様々な戦術や理論を取り入れてきたことで、日本サッカーは急成長を遂げてきた。だが、その反面、戦術や理論に縛られ、サッカーが複雑化するという弊害が出てしまっている。それが決定力不足という日本サッカー最大の課題を助長してしまっているのではないだろうか。「ウチの方が内容では勝っていた」「中盤の支配率ではウチの方が上だった」など、負けたチームの選手の口からそういった言葉を聞くことが多い。戦術を守ることが、勝負に勝つことより優先されるケースが多く、それが日本サッカーの主流となっているように思われる。

 そんな日本サッカーにおいて、今季の水戸はセンセーショナルな存在だ。「水戸はやることが徹底している」と他チームの指揮官たちが口を揃えるように、水戸のシンプルなサッカーは相手にとって脅威となっている。ボールを前に送ること、運動量で勝ること、体を張ってゴールを守ること。この3つの徹底ぶりがチームの好調を支えている。「できるだけシンプルにサッカーをやって、攻撃でも守備でもゴール前で力を使うことを意識している」と木山隆之監督が言うように、攻守両面でのゴール前の強さが水戸の最大の特徴と言えるだろう。相手に28本シュートを打たれる防戦一方の展開となったものの、粘り強い守備でシュートを防ぎ、そして少ないチャンスを確実にモノにして勝点3を獲得した前節の鳥栖戦こそ、今季の水戸の真骨頂。組み立てで力を使い、ゴール前で力を出せないチームの多い日本サッカーの中で、水戸のサッカーは一線を画している。

「欲を出しすぎてはダメ」と木山監督は語る。昨年、攻撃的なサッカーを標榜してスタートした木山体制だが、昨季は「理想を求めすぎて失速した」(木山監督)ことで、11位に低迷した。それに比べ、今季はチームとしてのキャパシティが確実に広がっている。「前節のような試合は昨年だったら、悪い内容だと思ったけど、今は自分も選手たちもああいう形でも悪いサッカーをしているという気はない」と木山監督が語るように、自分たちの狙いのサッカーができなくても動じない精神的な強さを秘めている。ここまで勝利を重ねてきたことで、勝利から逆算した戦いができるようになっているのだ。「サッカーで一番大事なのは勝つこと。内容はその先についてくるもの」という木山監督の思想が選手たちから迷いを取り去り、チームに勢いを与えているのである。内容云々ではなく、「より多くのゴールを奪ったチームの勝ち」というサッカーの“原点”を追い求めている水戸のサッカー。そこには「Simple is best」の力強さがみなぎっている。

 3連勝で5位につける水戸にとって、一気に昇格戦線に加わるためにもこの一戦は重要だ。16位の栃木に対して、「90分間主導権を握って、完勝と言える勝ち方をしたい」(村松潤)。しかし、そう簡単にはいかないのがサッカーだ。「J2は力の差はない。どっちが勝ってもおかしくない」(高崎寛之)。順位の差はあれど、力の差は紙一重。「受けに回るようなら、やられる」(木山監督)。さらにダービーマッチにおいて順位や実力の差は関係ない。その一戦にかける熱い思いが勝敗を分けることとなる。おそらく中盤の構成力や組み立てでは栃木の方が上だろう。だが、ゴール前での強さでは水戸が数段上だ。攻めた回数や展開力で上回ることが強いチームではない。勝ったチームが強いのである。それをこの試合でも水戸は証明してくれるはずだ。

 試合後、水戸が北関東の一番星として燦然と輝いていることだろう。シンプルに、力強く。

以上

2009.07.31 Reported by 佐藤拓也
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着