8月15日(土) 2009 J2リーグ戦 第34節
鳥栖 0 - 0 東京V (19:03/ベアスタ/6,837人)
スカパー!再放送 Ch180 8/17(月)13:30〜(解説:サカクラゲン、実況:南鉄平、リポーター:ヨンヘ)
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
----------
想定した現象と現実が異なるときに戸惑いはあるだろうが、修正までにどれくらいの時間が必要だろうか?
その修正に時間がかかればかかるほど対応は遅れ、目指した結果を得るまでの時間も遅れてしまう。
90分間の試合の中で、対応遅れと結果が得られなかったときに、その先にある大きな夢をつかむことを不安に感じることはないだろうか?
第34節鳥栖対東京V戦では、想定範囲外への対応に両チームの違いを見ることができる一戦だった。
鳥栖はFWにトジンを起用した。「ヴェルディの引いた守備を突破するには、個人の力が必要」(岸野靖之監督)の考えからだった。2トップを組むのは、前節までに16試合で9得点のハーフナーマイクである。鳥栖の得意とする『サイドからの崩し』をハーフナーマイクだけでなく、トジンもターゲットとする目論見もある。これで、DFのマークが緩み、2列目からの飛び出しや、競り合いでこぼれたボールを個の力でシュートまで持っていくことが可能なはずだった。
しかし、公式記録では前半のシュートは0本。終わってみると、今季最少の5本と攻撃を封じ込められた感がある。
手元の集計だが、前半に至ってはクロスも0本と、FWだけでなくサイドの起点も抑えられてしまった。
第2クールの躍進を支えたハーフナーマイクは、17試合目にして初のシュートなしとなり、チームも2試合連続での無得点となった。
前線での起点がなくなると、必然的に相手にボールが渡る回数が増える。回数が増えると、攻撃のバリエーションも増える。
「柴崎(晃誠)と大黒(将志)のホットラインは要注意や」(岸野監督)とこのホットラインは、どうにか抑え込んだものの、他のバリエーションに対しては後手を踏む機会が多かった。センターバック飯尾和也と渡邉将基が身体を張ってボールをはじき返し、MF高橋義希が飛び込んでくる選手を抑えに最終ラインまで下がって決定的な場面をつぶしはしたが、前半に関しては反撃の糸口をつかむことなく終了した。
この鳥栖の『想定外』の最大の要因は、東京Vの守備の対応にある。
今節のセンターバックには、怪我からの復帰を果たした土屋征夫と出場停止が解けた富沢清太郎が入った。
高さのある鳥栖のFWに対し、受けることなく積極的にラインを押し上げていた。入ってきたボールへは恐れることなく、果敢にチャージを掛けた。これにより、鳥栖の前線での起点が減り、ミスを誘発し鳥栖のボールを奪っていくことに成功した。
「トジンも(ハーフナー)マイクも、裏を取るには絶対的なスピード不足」と岸野監督も認めていた。リズムが悪いときは、決定的なチャンスも決まらない。トジンの後半2本の決定的なシーンは、GK土肥洋一の足とゴールの枠を大きくそれて決まらなかった。
個の力で東京Vの攻撃を跳ね返した鳥栖のセンターバックと、連動した組織で鳥栖の攻撃の芽を摘んだ東京Vのセンターバック。
どちらが『想定した対応』だっただろうか?
なかなかボールが収まらず苛立ちを見せる鳥栖のFWと、繰り返し『入り直し』をし続けた東京VのFW。
どちらが『想定した対応』だっただろうか?
結果はスコアレスドローではあったが、昇格圏内への参入争いを演じる資格を狙うチームにふさわしいのは、どちらのチームだっただろうか・・・。
この試合では、両監督の采配にも大きな違いが見えた。
東京Vの高木琢也監督は、鳥栖の右サイドを要注意と見ると、後半開始から1対1に強いFW飯尾一慶を入れた。ここを抑え込むと流れを切らないように85分までそのままの態勢で耐えた。85分には疲れの見えたMF河野広貴に代えてユーティリティな永里源気を入れて右サイドの運動量を落とすことなく活性化させた。この日の交代カードは積極的な交代として2枚しか使うことがなかった。
鳥栖の岸野監督は、68分にMF武岡優斗に代えてMF山田卓也を入れ攻撃力を増した。85分にはトジンに代えて、「勝負ができる」(岸野監督)MF野崎陽介をFWに入れた。
「点の取れる匂いがする選手を入れて、点が取れる匂いのする選手を残した」(岸野監督)が実ることはなかった。
「もう少し野崎を早く入れても良かったかもしれない」(岸野監督)と試合後に振り返った。ここでも、やや後手を踏んだ感は否めない。
今節の両監督の交代カードの使い方を見る限り、どちらの選手起用が『想定内の対応』だっただろうか・・・。
『想定した試合の運び方を最後まで続けた東京V』と『想定外の現象に最後まで手を焼いた鳥栖』と筆者には見えた試合だった。それでも、試合はスコアレスドローだった。サッカーは本当にわからない。
作戦タイムがないサッカー。ボールデッドの時間も短く、瞬間的な判断を求められるスポーツである。
ピッチ上で、1個のボールを動かすには11人の共通したイメージが必要であり、そこがチームスプレーの妙技でもある。
味方のミスを取り返すことができるのもチームプレーならではのこと。相手のミスを自分たちのパワーに変えることができるのも同じフィールドでマッチアップしているからである。
試合中により多くの情報を得て判断し、より確実な方法を瞬時に選択することが必要だ。
時には、サッカー選手の本能に任せたプレーもいいだろう。攻守が一瞬にして入れ替わるサッカーだからこそ、ミスもあればスーパープレーも飛び出す。
しかし、そこには日ごろからの練習で培ったテクニックと鍛錬から生まれたフィジカル、そして勝利へこだわる強いメンタルがなければ勝負にはならない。
ボールを触った瞬間にこれらすべてを表現するサッカー選手に敬意を表したい。
サッカーは本当に難しい。
以上
2009.08.16 Reported by サカクラゲン
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第34節 鳥栖 vs 東京V】レポート:昇格圏内を目指す両チーム。互いに意地は見せたが、ゴールを見せることができずに痛みわけ。(09.08.16)
- 開幕特集
- 開幕招待
- 国立招待
- J.LEAGUE ALL-STAR DAZN CUP
- 熱き一枚を手に入れろ
- ベイブレードコラボ
- 明治安田のJ活
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 移籍情報
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- NEXT GENERATION MATCH 2026
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE
















