今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第35節 札幌 vs 鳥栖】レポート:ゴールネットが揺れるたびに試合の流れが移り変わる。札幌ドームで行なわれた激しい点の奪い合いは痛み分けに。(09.08.23)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

8月22日(土) 2009 J2リーグ戦 第35節
札幌 3 - 3 鳥栖 (14:04/札幌ド/17,292人)
得点者:2' キリノ(札幌)、18' ハーフナーマイク(鳥栖)、38' 島田裕介(鳥栖)、59' ハファエル(札幌)、86' 中山元気(札幌)、89' 高橋義希(鳥栖)
スカパー!再放送 Ch180 8/23(日)13:30〜(解説:野々村芳和、実況:岡崎和久、プレーヤー解説:大森健作、リポーター:宮永真幸)
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
----------
14時開始の試合だったが、取材を終えて札幌ドームを出る頃にはすっかり空が暗くなっていて、軽く肌寒い風が吹いていた。まだ8月中ではあるが、札幌市内は少しずつ秋の訪れが感じられるようになってきた。3月の開幕時は、札幌ドーム周辺にはまだ雪が残っていた。そこから春、夏を経て、J2も35節の第1日を終えたのだ。

キックオフの笛が鳴った直後はロングボールによる探り合いが演じられた。「今日は涼しかったので走りやすかった」と鳥栖のハーフナー・マイクが振り返ったように、空調設備が整った札幌ドームでの試合ということもあって、双方が立ち上がりから相手ボール保持者に対してアグレッシブにプレスを仕掛けた。そうしたこともあって開始直後はロングボールの蹴り合いになった。

そうしたなかで2分、札幌が先制点を得る。宮澤裕樹からのスルーパスを受けてDFラインの裏に抜け出したキリノが冷静に決めたものだ。
このシーンで特筆すべきはキリノの強さだろう。キリノは上半身に力があるため、相手DFと絡み合いながらドリブルをする場面でもしっかりと相手を押さえてシュートコースと自分の前のスペースを確保しながら前進することができる。この得点はキリノの特徴が非常によく現れていた。

この先制点により、札幌が先に流れ掴む。右MFの藤田征也がドリブル突破からクロスを上げたり、西大伍がドリブルやフリーランニングで積極的に相手ゴール前へと仕掛ける。宮澤も高いセンスを発揮して鋭いパスを供給する。キリノの得点とアタッカー陣の積極的な仕掛けにより、鳥栖は全体のラインを下げざるを得ない状況に幾度も陥ってしまった。

だが、流れが移り変わる最も大きな要因は得点だ。18分、左サイドの日高拓磨が蹴ったクロスに身長194センチの長身ハーフナー マイクが抜群のタイミングで飛び込んでゴールネットを揺らしたのだが、この得点により鳥栖が息を吹き返し、主導権を奪ったのだ。38分にはカウンターからPKを獲得し、2−1と逆転して前半を折り返してみせた。

流れの奪い合い、これがこの試合の大まかな表現だろう。後半に入ると、再び札幌に流れが移る。

59分、後半開始から投入されたハファエルがリーグ戦初となるゴールを叩き込むと、キリノを頂点として西、ハファエルを2列目に置いた1トップ2シャドーの形に変えた札幌が高い位置で起点を作れるようになり、再び流れを引き寄せた。72分に鳥栖の飯尾和也が2回目の警告で退場となり、数的優位にも。そして86分にはこちらも途中投入の中山元気がヘディングで決めて見事な逆転。途中出場の選手による2ゴールでの逆転劇とあって、札幌ドームに詰め掛けたファンも大盛り上がり。流れは完全に札幌が掴み取った。残り時間を考えても、札幌の勝利はほぼ決まったと多くの人が感じたことだろう。

だが、試合の流れに関係なく試合結果に影響を与えることのできるプレーがある。それがセットプレーだ。どれだけ劣勢に立たされていたとしても、1本のキックで状況を一変させることができるのだ。そして、後半ロスタイム。札幌陣内のペナルティエリア入り口付近で直接FKを得ると、それを高橋義希が右足でキレイに蹴り込み最後の最後で試合を振り出しとした。そしてタイムアップ。

3−3のスコアでのドロー。果たしてこの結果をどう見るべきなのだろうか。
「89分までは良い内容でも、最後の1分がダメで勝ちきれない。今年よくあった展開になってしまった」と札幌の西嶋弘之。「リードしていたので、本当はもう少しうまく手を変えて勝ちにいけば、確実に勝てたと思う」と鳥栖の岸野靖之監督。そう、双方ともにリードし、自分達のリズムで試合を進める時間帯が確実にあった。それを着実に勝利へと結びつけられないというのが、両チームに共通した課題であると言えるだろう。だが、冒頭で記したように季節はもう秋へと近づき、リーグも徐々にクライマックスへと近づきつつある。その時期にして、未だ試合運びに課題があるというのはあまりにもナイーブ過ぎると言わざるを得ないだろう。

だが、ナイーブだと言ってみたところでどうなるものでもない。すでにリーグ戦も3巡目へと突入しているため、即効性のある解決策を模索していく必要があるだろう。

アウェーの鳥栖について言えば、攻撃にバリエーションを加える必要があるだろう。現状ではハーフナーにかかる負担が大きすぎるからだ。もちろん、動きの質も良く、得点の取れるハーフナーにボールを集めるのは当然の策だろう。だが、その繰り返しだけでは全体が間延びしてしまい、チーム全体の体力消耗にも繋がる。より合理的な攻撃選択がカギとなりそうだ。

対する札幌は、ゲームの進め方自体は悪くない。この試合でも失点のうち2つがリスタートから。そうなると、ベンチワークに変化をつけるのもひとつの手か。この試合では3−2とリードしてから芳賀博信を投入して中盤の守備を強化した。もちろんこれは良策ではあるが、この日は専門のセンターバックである吉弘充志がベンチに入っていたため、ハーフナーへの対応に疲弊したDF中央に吉弘を入れ、石川直樹を左サイドバックに移すという策でも良かったかもしれない。DF中央がフレッシュになり、同時に、全体の高さも増えるためリスタートからの失点も減らすことができるはずだ。

いずれにせよ、ここからの試合ではとにかく結果が求められる。勝点を積むために各チームが必死で講じる策には、ぜひとも注目したいところだ。

以上

>>この試合の写真をすべて表示

2009.08.23 Reported by 斉藤宏則
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着