8月23日(日) 2009 J2リーグ戦 第35節
徳島 0 - 1 甲府 (18:34/鳴門大塚/4,045人)
得点者:77' マラニョン(甲府)
スカパー!再放送 Ch186 8/25(火)08:00〜(解説:西谷正也、実況:三宅きみひと、リポーター:藤原美佳)
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夏休み最後のホームゲーム。スタジアムへ詰め掛けた子供たちはいつも以上に多かった。きっと、その小さな眼に今年の夏の大きな思い出としてチームのゴールを焼き付けたかったのであろう。しかし、そんな彼らが観たものは、攻撃の形を作れずもがき苦しみ、ゴールどころか最終的に僅か1本のシュートしか放てなかった選手たち…。
徳島は立ち上がりから甲府の充実したパフォーマンスに押される展開を強いられる。特に高い位置から連動して圧力をかけてくる甲府の厳しいチェックには悩まされ、自陣でボールを奪ってもディフェンスラインと倉貫一毅、青山隼の両ボランチ間でボールを回すのがやっと。攻めへのビルドアップというより、その甲府のプレスから懸命に逃れるためだけの繋ぎになってしまった。そうなれば、もちろん起点となるべき羽地登志晃への有効な縦パスが入らない。またそれによって羽地をサポートする徳重隆明、柿谷曜一朗もいい形でボールに触れられず、チームはゴールへ向かう組み立てを全く許してもらえなかったと言えよう。さらに徳島は、甲府の守備ブロックを左右へ引き伸ばすために必要であったはずのサイド攻撃もほとんど見られないまま。両翼へとボールを運んでも、そのポジションで受けたペ スンジンや藤田泰成の判断の遅れと周囲の動き出しが少ないことも響いて、そこから次の展開が一向に生まれてこなかった。
結局徳島は、前半を屈辱的にもシュート0本で終わってしまうのだが、その数字が示すように内容としては何もさせてもらえなかったと言わざるを得ないだろう。
そして、折り返した後半も徳島は苦しい状態を変えられない。「前で起点を作れていないぞ!」とハーフタイムには美濃部直彦監督もゲキを飛ばしたが、相変わらずチームは甲府のプレスにことごとく後退。前への配球が出来ないように追い込まれて、ズルズルと後ろへボールを押し込まれていった。その上、徳島にはアクシデントまで降りかかる。それまでタイトな寄せで甲府のマラニョンを封じ込めていたペ スンジンが52分の自陣ゴール前クロスプレーで負傷し、交代となってしまったのだ。
すると、勝負とはそういうものなのだろう。迎えた77分、そのマラニョンに決勝点となるゴールを決められてしまう。左サイド深くから藤田(徳島)の投げたロングスローのこぼれ球を拾われ甲府に一気にカウンターを仕掛けられると、最後は左サイドでボールを受けたマラニョンに対応した三田光が間合いを詰め切れずカットインを許して強烈な右足を振り抜かれてしまった。
結果、冒頭にも書いたように、徳島がこのゲームで放ったシュートは僅か1本だけ。ただその1本も、徳重が離れたやや後方からのクロスを石田祐樹が頭で合わせたものであったことを考えれば、チームは90分で一度も甲府守備陣を崩してのフィニッシュへいけなかったことになる。確かにこの一戦での甲府の出来は素晴らしかったが、それでも前節(8/16 仙台戦・シュート5本)見えた課題を丸々引きずってしまったという意味も含めチームには猛省が必要だろう。選手たちは何よりまず「もう一度原点に立ち返って、全員がハードワークしなければ流れは変えられない(上野秀章)」ことを肝に銘じた上で、抱える攻撃についての大きな問題を乗り越える最大限の努力を、個々としても組織としても再度次節までに積み重ねなくては。
逆に勝利した甲府は、全員の危機感から来る気迫が前節まで3戦の嫌なムードを吹き飛ばしたと言えるだろう。徳島に全く自由を与えなかったチームとしてのハードワークは見事の一言に尽きる。また甲府としては、安間貴義監督の取ったシステム変更が吉と出たのは間違いない。アンカーとして林健太郎を入れたことにより、藤田健と石原克哉が一段前へ出て3トップと頻繁な絡みを披露。そこで生まれたリズムがゲームを支配する推進力となっていたのだから。
いずれにしても「もう一度最後まで闘う意思のあるところを見せろ」と安間監督が要求したメンタル面にも応えた甲府。この勝利で2位・仙台、3位・湘南を勝点で捕らえたチームは、悲願のJ1昇格に向けて最終クールを最高の勝ち方でスタートさせた。
こうして、勝敗以上の明暗もがくっきりと出てしまったこの戦い。とは言え、勝った甲府はもちろんのこと、敗れた徳島も決して収穫がゼロの戦いではなかったはずだ。それだけに、この戦いを今後のどのような糧にしていくのか、まだまだどちらにも注目したい。
以上
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2009.08.24 Reported by 松下英樹













