9月2日（水）ヤマザキナビスコカップ 清水 vs Ｆ東京（19:00KICK OFF/アウスタ）
★ヤマザキナビスコカップ特集
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　昨年決勝で敗れた悔しさを胸に、「今年こそは」とタイトル獲得に燃える清水。準々決勝では浦和に快勝し、2年連続で国立の舞台に立つための最後の関門、準決勝・F東京戦が、いよいよ明日からスタートする。
　今回はホームゲームが先になるが、F東京には昨年の天皇杯からJ1リーグ戦、ヤマザキナビスコカップ予選リーグと3連敗しており、その流れを断ち切るためにも、何としても先にひとつ勝っておきたいところだ。もちろん、アウェイゴールは与えたくないので、「第1戦をきちっと失点ゼロで終われるかどうか」（長谷川健太監督）ということも重要なポイントとなる。
　ただ、失点を抑えたいからといって、戦い方を変える必要はない。清水は8月に入ってリーグ戦5試合で3点しか取られておらず、その3失点もすべてセットプレーから。8月のゲームでは、どれも主導権を握って攻撃的に戦っているが、流れの中から1点も取られていない。「今やっているサッカーをしっかりとやれるかどうか」というのは監督にも選手たちにも共通する言葉だが、それを今ままで通り実行することが、無失点で勝つための最善の方法と言える。

　その意味では、守備での貢献度も高い岡崎慎司が日本代表オランダ遠征で抜けた中で、いかにこれまで通りのサッカーをするかという部分が、最大のポイントとなる。岡崎以外のメンバーは、直前のトラブルがなければ変更はないだろうが、岡崎のところに誰が入るのかは、前日練習を見てもわからない状況だ。
　候補としては、藤本淳吾や枝村匠馬がトップ（あるいは1.5列目）に上がるパターンと、ケガから復帰してきた永井雄一郎がヨンセンとコンビを組むというパターンがあり、どの形になっても楽しみな要素は多い。永井が出場すれば、5月30日の柏戦（ヤマザキナビスコカップ予選4節）以来の出場となるが、長谷川監督としても07年ACLでMVPとなるなど、重要な試合での彼の豊富な経験には大いに期待を寄せている。柏戦では途中出場した直後に肉離れを起こして退場したが、今回は同じ失敗がないようにじっくりと完治に努め、土曜日の練習試合では90分間フル出場した。先発するかどうかは別にして、ベンチに入ることは確実で、指揮官も「今後の戦いでは必要な存在。ここからのシーズンで力を発揮してほしい」と期待を寄せている。
　京都戦（8月19日）で今季初ゴールを決め、めきめきと調子が上がってきた藤本も「ヤマザキナビスコカップでは、まだ（今季は）点を取っていないし、前回の（F東京との）対戦でもチャンスを外しているので、チャンスがあればぜひ点を取りたい」とチャンスメイクだけでなく、得点にも意欲を見せている。枝村も夏場に入ってずっと好調を維持しており、8月は3得点。このところアシスト役が多くなっているヨンセンも含めて、誰が試合を決める一発を決めてくれるのかというのは、清水サポーターにとって楽しみな部分でもある。

　ただしF東京も、石川直宏が復帰して、チームとしても調子を上げてきており、その攻撃力は大いに警戒しなければならない。とくにカウンターでは、石川やカボレといったスピードのある選手が揃っているので、それに対するリスクマネージメントも重要になってくる。「一発のカウンターがあるので注意したいし、コンビネーションが良いチームなので、無理に飛び込まず、落ち着いて対応したい」（岩下敬輔）という言葉に期待したい。
　あとは、本当にいつも通りの守り方を高い集中力で続けながら、セットプレーから失点しないこと。新潟戦のマルシオリシャルデスのFKのように、防ぎようがないケースもあるが、危険な位置でファウルしないということも重要になってくるだろう。
　攻撃に関しては、今年すでにF東京と2試合戦っていることもあり、相手の分析は十分にできている。F東京の守りの突きどころも「ある程度イメージできている。縦と横（の揺さぶり）をうまく使いながら攻めていきたい」とキャプテンの兵働昭弘は語る。どんな狙いを持ってF東京の守備を攻略していくのかという部分も、試合が始まってからのお楽しみと言える。
　いずれにしても清水にとっては、「先のことは考えず、この試合でF東京を倒すことに全力で集中したい」（長谷川監督）という準決勝第1戦。ハードスケジュールの中で、これまで通りの高いパフォーマンスを発揮するためには、もちろんサポーターの後押しも欠かすことはできない。

以上

2009.09.01 Reported by 前島芳雄