11月8日(日) 2009 J2リーグ戦 第48節
水戸 0 - 4 仙台 (12:34/Ksスタ/8,463人)
得点者:2' 中島裕希(仙台)、23' 千葉直樹(仙台)、58' 菅井直樹(仙台)、79' マルセロソアレス(仙台)
スカパー!再放送 Ch183 11/10(火)13:30〜(解説:山口素弘、実況:野村明弘、リポーター:佐藤愛美)
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☆仙台側昇格内定レポートはこちら
試合前、ある水戸サポーターはこう言っていた。「今日の日をどれだけ水戸サポーターは待っていたか。それと、このスタジアムを作るためにどれだけの人が尽力したことか。それを選手たちは感じてプレーをしてほしいし、ピッチの上で出してほしい」。ついに水戸に出来たJリーグ基準を満たすスタジアム。その記念すべき日に水戸はどんなプレーを見せてくれることか。たとえ相手が仙台といっても、今日ばかりは互角以上の戦いを見せてくれることだろう。水戸サポーターは胸を弾ませてスタジアムに足を運んだに違いない。しかし、その期待はあえなく崩れ落ちることとなってしまった。試合後、スタジアムを埋め尽くしたのは7年ぶりのJ1昇格を決めた仙台の歓喜。水戸はその引き立て役にすぎなかった。
勝てば、他会場の結果次第でJ1昇格が決まる仙台。当然、プレッシャーが重くのしかかっていた。しかし、水戸は自滅の形で仙台をプレッシャーから解き放ってしまった。開始2分、水戸DF星野圭佑がトラップミス。その隙を中島裕希は見逃さず、ボール奪取すると、そのままゴール前に持ち込んで勢いよく右足を振りぬき、ゴールネットに突き刺す。「昇格の期待がかかる雰囲気の中、中島のゴールで落ち着いてゲームを進められた」と手倉森誠監督は振り返る。先制点によって平常心を手にした仙台は安定した試合運びを見せ、水戸に攻め手を作らせず、そして23分には右CKを千葉直樹が頭で合わせて追加点を決める。
後半に入り、高崎寛之を投入して攻めに転じた水戸は、高崎をめがけてロングボールを蹴りこんで圧力をかける展開へと持ち込もうとした。高崎と荒田智之のコンビでなんとか打開しようと試みるが、渡辺広大、エリゼウのセンターバックを中心とした仙台の守備をこじ開けることができず、逆に前がかりになった隙を突かれて2失点。仙台の軽快なサッカーに手も足も出ないまま試合は終了。0−4の大敗に加え、目の前で胴上げをされるという屈辱を味わうこととなってしまった。
仙台は本当に強かった。「本当に選手たちはたくましくなったと思います」と手倉森監督が胸を張ったように、ここ一番で勝負弱さを見せていた過去の姿はもうない。確固たる自信と勝利への執着心に満ち溢れた集団としてJ1への切符を獲得してみせた。この強さの源にあるものは『悔しさ』だろう。「入れ替え戦を経験して本当の悔しさ、本当に足りないところを身をもって体験した」(手倉森監督)。あの2試合の経験をバネにチームは心身ともに成長を遂げることとなったのである。だからこそ、「プレッシャーのかかるクライマックスのシーズンにこれだけ落ち着いてゲームをコントロールできるというのはあまり見たことがない」と指揮官が目を見張るほど、選手たちは大一番でも動じずに安定したゲーム運びができるのだろう。昨年からひと皮もふた皮も剥けた仙台。昇格して当然の力強さを誇示して、J1への復帰を決めることとなった。
ただ、やはり、サポーターの存在なくして仙台の躍進は考えられない。J1昇格やJ2降格、そしてJ2でくすぶり続けた6年間、これまでのクラブの歴史の中で様々な紆余曲折があった中、時にはわき道にそれることもあり、時には後退することがありながらも、いついかなるときでも温かい応援をしてくれるサポーターがいたからこそチームは軌道修正してこられたに違いない。この試合もアウェイながらもスタンドの半分以上を埋め尽くし、迫力ある応援で選手たちを後押しした。ピッチの内外でJ1にふさわしいチームとなって、満を持して昇格を手にしたと言えるだろう。仙台に携わるすべての人に『おめでとう』の言葉を贈りたい。J1での活躍も期待せずにはいられない。
それに対し、水戸はあまりにもひ弱すぎた。勝ち負けだけでなく、新スタジアムのオープニングゲームという大事な一戦で「水戸らしいサッカーができなかった」(本間幸司)ことが悔やまれる。仙台は確かに強かったが、「全体的に怖がって引いてしまった」(星野)ことで仙台にプレッシャーをかけることができず、自分たちの戦いを見失ってしまった。いい形でボールを奪えないからいい攻撃もできない。悪循環に陥った水戸は、自慢の攻撃サッカーを見せることなく、仙台ゴールを脅かせずに90分が過ぎていった。
「全員が今日の試合のビデオを見るべき」。吉原宏太は強い口調で言い放った。新スタジアムのオープニングマッチ、大観衆の前で大敗を喫し、相手に胴上げをされてしまった。これほどの屈辱はない。この敗戦を無駄にしないために、水戸はこの屈辱を胸に刻まなければならない。仙台の歓喜の姿を見て何を選手たちは思ったか。そして、「選手たちより悔しそうな観客の表情を見たのかな?」(吉原)。入れ替え戦の悔しさをバネに仙台が強くなったように、この悔しい思いが水戸をさらに強くするはずだ。いつかケーズデンキスタジアム水戸をホーリーホックブルーの歓喜で埋め尽くすために――その一心を胸に今季残り3試合に臨まなければならない。次節愛媛戦、決して消化試合ではない。栄光への第一歩である。「残り3戦、今までやってきたことすべてを出し切らないといけない」。大和田真史の言葉を信じたい。
以上
2009.11.09 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第48節 水戸 vs 仙台】レポート:ケーズデンキスタジアム水戸を埋め尽くした黄色い歓喜。仙台が水戸に大勝し、7年ぶりのJ1昇格内定を決める。おめでとう、仙台!(09.11.09)















