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【J1:第34節 山形 vs 横浜FM】レポート:山形、横浜FMとも今季の課題が凝縮された90分はスコアレスドローで決着。(09.12.06)

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12月5日(土) 2009 J1リーグ戦 第34節
山形 0 - 0 横浜FM (15:34/NDスタ/12,767人)
スカパー!再放送 Ch183 12/6(日)21:30〜(解説:越智隼人、実況:小出匡志、リポーター:成田ひみこ)
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「プレッシャーのなかで判断だったり、ファースタトタッチだったりというのをできるようなチームになったり、そういう選手がいるようなチームにならなくては、中間層には行けないんじゃないかとは感じています」(山形・小林伸二監督)
「やっぱり最後の最後、あれだけ決定的なチャンスがありながら決められなかったのは非常に残念」(横浜FM・木村浩吉監督)
ここ数試合と比べても決定機は増えたが、またも少ないシュート数に終わった山形にとっても、シュート19本を放ちながらスコアレスドローに終わった横浜FMにとっても、今季の課題が浮き彫りになるような試合だった。

ウォーミングアップ中に降り出した雨の影響もあり、立ち上がりは両チームとも拙攻が続いたが、そのなかでもペースをつかんでいたのは横浜FM。押し上げたサイドにボールを付け、数的優位をつくって攻め込んだ。特に左サイドバックの小宮山尊信は、21分に中へ切れ込んでミドルを放ち、26分には渡邉千真からリターンをもらってシュートなど積極的なアタックを見せた。28分には、出場停止の田中裕介に代わり右サイドバックに入った天野貴史のクロスに渡邉がヘディングシュートを合わせるシーンもあった。しかし、前半のシュートはミドルレンジからのものが多く、ボールを回してはいるものの、山形のブロックの中に入り決定機をつくるまでには至っていなかった。

対する山形もボールを奪ったあとは横浜FMのプレッシャーに苦しんでいた。SB山田拓巳、CB西河翔吾、SH廣瀬智靖、ボランチ渡辺匠の右のゾーンではうまくボールを回すことができず、苦し紛れに縦に蹴り出したボールが味方につながるシーンは稀だった。11分に相手のミスパスを受けた渡辺が縦へフィードし、長谷川悠が絶妙のトラップでシュートにつなげたが、その後はセットプレー以外に得点を予感させる場面はなかった。

山形にようやく攻撃の形が見え始めたのは30分過ぎ。32分、古橋達弥とのパス交換で左サイドを破ったのは宮沢克行。「ちょっとためればよかった」と悔やんだグラウンダーのクロスはフリーで飛び込んだ長谷川よりも早くファーサイドへ抜けていった。34分にも石川竜也からのフィードに対し、ギャップを突いて飛び出した宮沢がマイナスのクロスを古橋に合わせたが、シュートは相手ディフェンダーにブロックされた。佐藤健太郎が中央で的確にさばき、山形のプレーは安定したかに見えたが、終盤からロスタイムにかけて山瀬功治に右からのシュートを打たれ、長谷川のトラップミスを水沼宏太に奪われミドルシュートを浴びている。

折り返して後半、山形は山田に代えて宮本卓也を投入。立ち上がりから3分間で、水沼の折り返しから渡邉にヘディングシュートを打たれ、さらに渡邉のラストパスに水沼があわやのスライディングシュートといったシーンもあったが、プレッシャーにも落ち着いてボールをさばく宮本を起点に、山形はポゼッションのリズムをつかみ、横浜FMのゴールに迫った。50分には左サイドを崩して石川のスルーパスに古橋が飛び出し、51分にも石川のフィードに佐藤健が裏へ飛び出し、52分にはゴールライン際から古橋がクロスを上げ、中澤佑二のクリアがあわやオウンゴールという軌道でそれていった。

61分、小宮山のグラウンダーのクロスに中央とファーに2人が飛び込む惜しいシーンがあったが、その1分後、木村浩吉監督は水沼、山瀬に代えて狩野健太、坂田大輔を送り込む2枚替えを敢行し、攻撃のテコ入れを図った。68分、70分とクロスから長谷川悠にヘディングシュートを打たれるシーンもあったが、右サイドで起点をつくった長谷川アーリアジャスールがミドルシュートを放ったり、天野のオーバーラップを促したり、坂田が足元に収めればビッグチャンスというスルーパスを兵藤慎剛が送るなど、高い位置で人が絡みながら山形のゴールに迫っていった。

80分には天野から金根煥へスイッチし、右サイドバックに移った栗原勇蔵がサイドから攻撃参加。中澤、金の2枚を残し攻撃に人数をかけた横浜FMが押し込み、山形がカウンターを狙う構図となった。1点をめぐる攻防にしだいにヒートアップするこの試合のクライマックスは、84分からの約1分間。狩野の左コーナーキックを中澤がフリーでヘディング。地面に叩きつける完璧なシュートは、しかしGK清水健太がバウンドの跳ね返りを見極め寸前で掻き出した。続く85分にも右サイドの至近距離から坂田、長谷川とたて続けにシュートを放ったが、GK清水がコースを塞ぎきり、両チームの今季最終戦はともに無得点のまま終了した。

前節、ホーム最終戦を勝利で飾り、今シーズンの10位を確定させていた横浜FM。今シーズン限りで退任となる木村監督は「選手は最後まで勝利めざして、勝点3めざして戦ってくれてたので、本当に感謝してます」と試合を総括したあと、「来シーズンはベテラン選手も残るでしょうし、若い選手もある程度の経験は積めたと思うので、ぜひ来シーズンは優勝に絡めるようなチームになってほしい」とエールを残してチームを去る。

勝点を40台に乗せることをめざした山形はドローで39止まりとなり、順位も結局は残留圏ギリギリの15位に終わった。しかし、そのことをもってこの1年が無駄になったわけではない。キャプテンとしてチームを引っ張った宮沢克行が言う。「チームとしてJ1で戦ってこれたことが経験のひとつになるし、その経験をまた来年に活かせるチャンスを自分たちの手でつかんだ。そしてサポーターのみんなにはまたJ1のモンテディオ山形を応援してもらえる、また新たなチャレンジができるということは、いい1年だったなと思います」

試合後はホーム最終戦のセレモニーが行われた。ゴール裏のサポーターに向かって、この試合で先発した渡辺匠や10番を背負ってプレーした財前宣之など、退団が決まった選手7人が声を詰まらせてあいさつする最中、選手たちの輪を離れそっと涙を拭く指揮官の姿があった。誰も望みはしない別れ。だが、チームがJ1で生き残るため、そしてさらなる高みをめざすためには避けては通れない道でもある。

以上

2009.12.06 Reported by 佐藤円
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