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【J1:第34節 柏 vs 川崎F】川崎F側レポート:終盤に追い上げられながらも、苦手の日立台で初勝利。しかしまたもやリーグタイトルには届かず。悔し涙に暮れる最終節となった。(09.12.06)

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12月5日(土) 2009 J1リーグ戦 第34節
柏 2 - 3 川崎F (15:34//10,135人)
得点者:30' ジュニーニョ(川崎F)、39' 鄭大世(川崎F)、40' 中村憲剛(川崎F)、69' フランサ(柏)、79' フランサ(柏)
スカパー!再放送 Ch185 12/7(月)18:00〜(解説:柱谷幸一、実況:下田恒幸、リポーター:小野寺志保/高木聖佳)
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どうしてこうなんだろうかと、漫然と視線をさまよわせていたら、ふとドリカムが歌っていた曲が頭に浮かんできた。「すごく好きな気持ちを、ただ伝えたい」とだけ歌う片想いの歌だった。そしてその時「ああ、これは、片想いなんだな」と、確信した。サッカーについての持論の一つとして「サッカーは恋愛に似ている」というものがある。好きだけど、伝わらない。伝えたいけど、伝えられない。そんなもどかしさが、サッカーにはある。

降りしきる雨は、冷たかった。時折吹き付ける12月の強風が、冷えた体からさらに体温を奪っていった。前半のうちに3点をリードしており、試合自体は楽に終えられるはずだった。しかし、退場者を出した柏に2点を返され、いつの間にか追い込まれていた。優勝のためには勝利が絶対条件の川崎Fにとって、試合終盤は目の離せない展開になっていた。そんな緊迫感あふれる状況になっていた事もあり、そして逃れることのできない雨水によって携帯電話を操作することができないという事情もあったのだろう。勝利のホイッスルの瞬間。スタジアムを埋めた2000人ほどの川崎Fサポーターは純粋な喜びを爆発させた。そして、その喜びが凍りつくまでにそう時間はかからなかった。

ピッチ上の異変はすぐに見て取れた。冷然とした空気が支配する空間に佇む選手たち。すがるような視線を送られたベンチの空気は、凍えたままだった。「終わったときにベンチを見たら喜んでいなかった」とその場面を振り返るのは寺田周平。凍りついていた空間は、ピッチ上の選手たちが挫折を悟った瞬間に弛緩し、選手たちは緊張の糸を切らせた。川崎Fの09年シーズンは悔し涙とともに終わった。また、タイトルには届かなかった。

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勝たなければ優勝はないという追い込まれた状況の中、試合は始まる。川崎Fのメンバーは前節と変わる事はなかったが、ジュニーニョが左サイドに張り出しており、守備意識を高く保っている事がうかがえた。前線の4選手は流動的に動きまわっており、相手を撹乱するという意味も含めて、川崎Fの攻撃のアクセントとなっていた。

川崎Fが支配する時間が続く中、最初のビッグチャンスは柏に訪れる。前半18分にフランサがペナルティエリア内で強烈なシュートを放つのである。川島永嗣の鋭い反応によってCKに逃れたこの場面で試合が動いていたら、試合結果はまた違ったものになっていたのかもしれない。ただ、このピンチをしのいだ事で、流れは川崎Fへと移ることとなる。

サイド攻撃を意識していた川崎Fは、前半30分に右サイドバックの森勇介が中央へと入り込み、ペナルティエリア内でパスを受ける。エリア内で前を向いた森は、間合いを詰めたディフェンダーをかわそうと深い切り返しを見せ、ディフェンダーから足をかけられてしまう。判定はPK。これをジュニーニョが確実に決め、前半30分に川崎Fが先制する。先制した事で気が楽になったのか、39分には鄭大世がGKと交錯しながらもワンチャンスをモノにして2点目。さらにその1分後には守備のミスを突いて中村憲剛が3点目を奪う。

前半のうちに3点をリードした川崎Fが、そのままリードを広げる展開も考えられた。しかし、そんな中で試合は意外な方向へと進んでいく。59分に退場者を出した柏が、69分にPKで1点を返すと、さらにその10分後の79分に2得点目を決めて追いすがるのである。ホーム最終戦という事もあり、どうしても負けられないという柏の意地が感じられた2ゴールだった。結果的に柏は、84分に杉山浩太も退場することになり9人での試合となる。ただ2人少ない中、失点のリスクを冒しながら前に出てくる相手はやはり怖い。失うもののない相手の強みだった。

前がかりの柏に対し、川崎Fには何度かカウンターのチャンスが訪れていた。しかし柏と同様試合を決定づける1点を決めきれず、3-2のまま試合は決着することとなった。川崎Fにとって勝点3を積み上げるという条件は達成することができた。しかし、その勝利の先にもタイトルはなかった。またもや川崎Fは2位に甘んじる事となった。

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2位での決着がはっきりとした試合後も、サポーターは声援を送った。そんなサポーターの姿勢を見た選手たちは、例えばジュニーニョが「サポーターは今日もたくさん来てくれましたし、等々力でも応援してくれていた。感謝の気持ちを伝えたいです」と話すなど、「彼らのために」との思いを強くしていた。

川崎Fのタイトルへの片想いは、今年も一夜限りの夢のように儚く散ることとなった。ただ、夢はそれを追いかけ続ける限り、実現の可能性を失わない。夢が夢でなくなる日を夢見て、一歩ずつ前進するしかない。この悔しさや戦いの経験をムダにしないためにも、前を向くしかない。

以上


2009.12.06 Reported by 江藤高志
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