今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【ヤマザキナビスコカップ 浦和 vs 磐田】レポート:前後半で流れ一変! 浦和が主役の起死回生の一撃で磐田と土壇場でドロー (10.04.01)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
3月31日(水) 2010 ヤマザキナビスコカップ
浦和 1 - 1 磐田 (19:30/埼玉/22,836人)
得点者:13' 成岡翔(磐田)、90'+2 ポンテ(浦和)
★ヤマザキナビスコカップ特集ページ
----------

たった1人の男が、全てを変えた。

前半、浦和にはほとんどいいところがなく、磐田が思惑通りの試合運びを見せていた。だが、後半開始とともにポンテがピッチに立つと、天秤はそれまでとは真逆に傾いた。「前に行く姿勢がすごい、それで勢い付いたかなと思う」と柏木陽介が感嘆したように、ポンテが傑出したキープ力とドリブルスキルを生かして1人で持ち込むプレー見せると、磐田の選手はその迫力にすっかり気圧されてしまった。ポンテがボールを前に運ぶたび、磐田守備陣はズルズルと自陣に後退した。
背番号10の行進、モーゼの如く。赤き衣を纏う臣下を従え、サックスブルーの海を割る。

浦和の選手たちは背番号10の背中を追いかけ、生き返った。そして起爆剤となった主役は後半ロスタイムに劇的な同点弾をマーク。背番号10は試合の趨勢を変えると、結果まで変えてしまった。
「ハーフタイムでたった1人の選手を投入したわけだが、このたった1人の選手が入ってきたことでチーム全体が前半に比べて機能するようになった」。フォルカー フィンケ監督はポンテ効果を素直に認めた。敵将の柳下正明監督も「ポンテが入って向こうのリズムになった」と脱帽。この日の話題は敵味方問わず、ポンテだった。

前半の浦和は完全に寝ていた。スピラノビッチ、高橋峻希、堤俊輔など今シーズン初スタメンとなる選手6人をヤマザキナビスコカップ開幕戦のピッチに送り出したが、「何人かの選手の入れ替えがあのような、私もとてもガッカリするパフォーマンスにつながってしまった」とフィンケ監督が嘆いたように、チームとしてほとんど機能しなかった。立ち上がりはスタメン抜擢の緊張感がチームに波及したのか、全体的にミスが多く、時間の経過とともに落ち着きこそ取り戻したが、内容は改善されなかった。パスをつないでも相手ブロックの外をボールが回るだけで、全く脅威になっていなかった。

一方の磐田は巧みな試合運びを見せた。試合開始当初はロングボールを多めに使い、前田遼一、イ・グノの2トップが裏を狙う動きでDFラインを牽制。特に右サイドバックの駒野友一からのフィードは精度が高く、浦和の守備陣にとって厄介な攻め筋になっていた。
磐田の先制点も裏への放り込みから生まれた。13分、磐田は後方からロングボールを入れるが、浦和GK加藤順大が「裏に抜けてくる動きがあるというのは自分の頭の中にもあった」と素早く飛び出てヘッドでクリア。しかし飛距離が足りず、前田がこぼれ球を拾って右サイドからクロスを入れると、最後は跳ね返りのボールを成岡翔が左足でゴールに叩き込んだ。「最後はこぼれ球だったけど、やろうと思っていたことで点が決められた」と狙い通りの形で幸先よくリードを奪った。
磐田のロングボール戦術はチャンスに直結するという実効性の高さだけでなく、試合の主導権を握ることにも一役買っていた。浦和のDF陣に裏を取られる恐怖を刷り込むことでラインを下げさせ、攻守の切り替えポイントを低いエリアに限定させた。「1−0でOKということではないけど、前半はゲームコントロールができていたと思う」と柳下監督が振り返ったように、磐田の選手たちは1点リードという状況を生かし、リスクをあまり負わないボールポゼッションで試合を上手に殺していた。前半終了時に鳴り響いた強烈なブーイングが前半の浦和の出来を如実に物語っていた。

しかし、後半のポンテ登場とともに、試合の流れガラリと変わった。今度は磐田が背番号10の恐怖におののいて自陣に引き気味となってしまい、プレーエリアが高くなった浦和が息を吹き返す。ポンテを中心に持ち前のパスワークを取り戻すと、チェック&カバーが機能不全に陥った磐田を押し込み、ピッチを支配した。
浦和はそれでもなかなかゴールを奪うことはできなかったが、敗色濃厚だった後半ロスタイムにポンテが値千金の同点弾をマーク。92分、左サイドでボールを持ったポンテは「こぼれ球を狙おうと思っていた」とエリア内で待ち構えていた柏木にパスを出し、ゴール前に猛ダッシュ。そして柏木のリターンを受けると、右足で軽快にゴールネットを揺らした。

ポンテの、ポンテによる、ポンテのための夜はチームを敗戦から救う劇的な一撃で幕を閉じた。白星には手が届かなかったが、溜飲は下がった。埼玉スタジアムでは、英雄を称える歌がしばらく鳴り響いていた。

以上

2010.04.01 Reported by 神谷正明
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着