7月25日(日) 2010 J2リーグ戦 第19節
札幌 1 - 2 横浜FC (16:04/札幌ド/26,875人)
得点者:4' 西田剛(横浜FC)、34' 高地系治(横浜FC)、65' 藤田征也(札幌)
スカパー!再放送 Ch183 7/26(月)後07:00〜
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札幌ドームに26、875人という大観衆が詰めかけ、最後まで地元の大きな声援に背中を押された札幌だったが、勝ったのはアウェイの横浜FC。前半に得た2点のリードを守りきっての勝利だった。
開始早々からゲームは動いた。2分、ボックス内で札幌のCB石川直樹がファウルを取られ、PKに。これを西田剛が決めて横浜FCが先制、加えて石川は退場処分となってしまい、試合のシチュエーションはいきなり大きな変化を見せたのである。
いきなりの失点と数的不利。札幌の選手たちは若干、気落ちをしたようにも感じられたが、高木純平を左サイドバックに投入し、西嶋弘之をその位置から石川のいたセンターに。システムを4−4−1にしてまずはディフェンスの整備をすると、その後はしっかりとブロックを形成し、全体が落ち着いた。本来、札幌は高い位置から積極的にグループでのプレスを仕掛けるチーム。だが、いきなりの数的不利という状況を割り切って、しっかりとスペースを埋める守備戦術で流れが傾くのを待ったのである。「1人少なくなった後も、チーム全体が共通意識を持てていた」と宮澤裕樹が振り返るように、ホームスタジアムで大きな声援を受けて気持ちが前がかりになってしまいそうな中でも、選手全員が落ち着いて建て直しに集中していたのは大したものだった。
ここからしばらくは札幌のペースで試合は進んでいく。札幌のペース、といっても札幌がボールを支配していたわけでは決してない。横浜FCにパスを回させながらも、危険なゾーンには絶対にボールを入れさせない。必要以上に体力を消耗させず、ゆっくりとした展開のまま時計の針を後半へと進め、どこかのタイミングで勝負を仕掛ける、そういう札幌のプランに則って試合が進んだ、という意味での“札幌のペース”である。
それだけに34分の失点は札幌にとって痛すぎた。クリアミスを相手の高地系治に拾われ、そのまま左足のアウトにかけた見事なシュートで追加点を奪われてしまったのだ。1点のビハインドがあったとはいえ、そのなかでは狙い通りに試合は進んでいた。守備のバランスが崩れたわけでもない。そうした、苦しいなかにも理想的に進めることができていた展開のなかで、ちょっとしたミスからリードを広げられてしまったのだから、やはり痛恨だ。
「前半を0−1で終わっていれば、後半もっと違う展開になっていたと思う」と札幌の石崎信弘監督は振り返る。そう、1点差のままであれば、札幌がペースを維持したまま試合は進められたはず。ある程度ブロックを形成した状態にしておけば、個の力で打開されることもJ2ではそうそうない。我慢を続ければ、どこかでチャンスは生まれる。そういう展開に持ち込めるはずだったのだが、2点差となるとそうはいかない。
後半立ち上がりから札幌は近藤祐介を前線に投入し、芳賀博信を中盤の底からリベロの位置に下げて3−4−2のフォーメーションに。残り45分という場面から、リスクを冒して勝負を仕掛けに行かざるを得ない状況になっていた。なにしろ、2点を取らなければいけないのだから。
横浜FC側の視点に立てば、通常であればここからはある程度守備意識高め、札幌が前に出てきたところをカウンターで仕留めるというのがセオリーなはず。しかし、新加入のFWカイオが動きこそ悪くなかったものの、なかなか高い位置で起点になることができず、逆に間延びをするという展開に陥っていた。ここはひとつ、今後の課題となるだろう。
そんななか札幌は65分、宮澤からのクロスを藤田征也が頭で合わせて1点差に詰め寄ることに成功する。ここからペースは再び札幌に傾くかと思われたが、「ボランチのところからなかなか前にボールが進んでいかないという課題が出てしまった」(石崎監督)。ビルドアップに課題があることに加え、得点が欲しいあまりパスが縦、縦とばかり動いてしまい、なかなか質の高いチャンスを作り出すことができないまま。そして、タイムアップ。冒頭で記した通り、横浜FCが敵地で貴重な勝点3を得たのである。
あらためてゲームを総括すると、やはり開始早々にシチュエーションが大きく変化する試合というのはどちらのチームにとっても難しい。相手がどの時間帯にどういった手を打ってくるかが読みにくいし、自チームの意思統一にもズレが生まれてくるケースも多い。選手によっては前に出ていきたいし、選手によっては慎重になりたくもなる。その意味では、そのチームが持つ潜在的な戦術理解力が問われてくるわけだが、1人少なくなった札幌もしっかりとチーム全体で戦い方に変化をつけることができていたし、横浜FCも相手のミスを見逃さず勝ちきった。中断期間を経て、どちらもチームとしての体力が増加していることを示した試合だったと言っていい。
開始早々の出来事がなかったらどういった試合になっていたのか。それもまた気になるところだが、いまさらそんなことを言っても仕方がないのかもしれない。とにかく、横浜FCが敵地で貴重な勝点3を手にした。
以上
2010.07.26 Reported by 斉藤宏則
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