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【J2:第19節 東京V vs 徳島】レポート:接戦得意の東京Vは、先制しながらも勝ち切れず、手痛いドロー。徳島にとっては、失点直後に追いついたポジティブ・ドロー。(10.07.26)

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7月25日(日) 2010 J2リーグ戦 第19節
東京V 1 - 1 徳島 (18:03/西が丘/2,512人)
得点者:80' 飯尾一慶(東京V)、82' 六車拓也(徳島)
スカパー!再放送 Ch183 7/26(月)深02:30〜
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会見での美濃部直彦監督の言葉を借りれば「内容的なことを考えると、1−1は妥協しなきゃいけないスコアなのかな」という感はある。だが、お互い「勝てた」という思いもまた、強かったのではないだろうか。

特に悔しさが残ったのは、先制した東京Vだろう。
ここしばらく、ポゼッションをして主導権を握って勝つ、という自分たちの目指すサッカーがコンスタントにできつつあったが、この試合はなかなか思うような展開にはならなかった。
徳島が津田知宏、ドゥグラスの2トップでしっかりとボールがおさまるため、やむを得ず中盤が下がってしまい、前線との距離が広がってしまった。
そのため、ボールを奪って攻撃に転じても、「ビルドアップの時に(出し所を)探すような、要はボールの回しのテンポがいつもより遅くなる」(川勝良一監督)
最後方から指示を送り続けたGK土肥洋一が「前と後ろがバラバラだった」と感じたのも、そのためだったに違いない。「前の動きが少ないと、後ろが飛び出しても生きないし、行けない。前に行けないとなると、後ろは耐えるしかない」守備陣にとっては、我慢の時間帯が続いた。

一方、攻撃も、ボール回しのテンポが遅くなることで、「動こうとしてもつかまった状態からなので、意欲はあっても足が動いていないような感じ」(川勝監督)。
加えて、暑さも重なり「守備で疲れてしまった」(河野広貴)ため、得意のアップテンポな小気味いいパス交換からの崩しはなかなか見られず、特に前半は、決定的な場面をほとんど作れなかった。

ハーフタイム、「前に行く運動量が足りない。このままでは勝てない」と檄を飛ばした川勝監督は、早目のタイミングで高木善朗を投入する。前への勢いが加わり、徐々に自分たちのリズムで出てきた。
1つのミスが命取りになる、1点勝負の気配が漂っていた後半35分、待望の1点を手に入れた。
河野のCKを徳島DFが跳ね返すと、ボールは再び河野へ。再度入れた中央へのクロスを飯尾一慶が執念で頭でゴールへ送り、ネットを揺らした。
ここ2試合、1−0で連勝していた東京Vにとっては、残り時間を考えても、この1点は非常に勇気を与えるものであった。ある意味、狙い通りの『勝ちパターン』だったと言えよう。

だが…
「それが、逆に『勝てる』という気の緩みにつながってしまったのかもしれない」と飯尾。
2分後の失点は、「一番集中しなければいけない時間なのに。取られ方が悪すぎた」(GK土肥)。
「ゴール前に人はいたのに、どこかで甘さが出た。もっと厳しく寄せられていれば、あの失点はなかった」飯尾は悔しそうに振り返った。

先に点を取ったこと、自分たちの気の緩みから失点してしまったことを考えると、悔しさは非常に大きいに違いない。だが、その中でも「選手はちょっとショックが大きいけど、すぐに切り替えて、全体的なゲームのバランスを試合中に回復できたりなど、成長はある」と、指揮官は努めて前を向く。
大事なのは、土肥の言う「この失敗に、どう危機感を持つか」だろう。

東京Vは次節・甲府、次々節・柏と、強豪との試合が続く。この悔しさをエネルギーに代え、ぶつける相手としては申し分ない。反省を成長へつなげ、全力で挑みたい。

徳島としては、「結果的によく追いついたなと思います」(美濃部監督)と言いながらも、内容そのものを見ると、やはり「勝てた」という思いは小さくないはずである。

東京Vが後手に回った原因だった通り、津田、ドゥグラスの2トップにはボールがおさまっていた。
また、特に後半は開始から自分たちのリズムを作り、主導権を握って試合も進められていた。
ベンチから戦況を見つめていた六車拓也は、「自分としては、入った時に0−1、0−2のイメージがあって、最低でも0−0と、点を取られるイメージがありませんでした」と話したが、六車投入まではある意味プラン通りだったと言えよう。
だが、「最終的に先に点を入れられてしまったので、このゲームを勝ちに持っていくのは非常に難しくなってしまった」(美濃部監督)。
失点後2分で、値千金の同点ゴールを決めた六車も、「1−0と先に失点してしまい、正直キツかった」と、悔しさを口にした。ただ、徳島としては「でも、負けなくてよかった」という思いも強いだろう。東京Vよりも、このドローを前向きに捉えることができるのではないだろうか。

さらに、徳島にとってプラス材料は、初起用した新外国人FWドゥグラスの存在ではないだろうか。
ラストパスが合わないなど、津田や、その他周りの選手とのコンビネーションはまだまだな部分はあったが、彼の実直な人間性をもって取り組めば、それは時間とともに徐々に改善されていくはず。
連携さえ合ってくれば、必ず徳島の武器になることは確かだろう。サポーターも、今後への期待を十分感じたのではないだろうか。

徳島も、次節は柏との対戦が待つ。自分たちのスタイルの確立を目指し、「1試合1試合トーナメントのつもりで戦っていきます」(六車)。

以上


2010.07.26 Reported by 上岡真里江
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