7月25日(日) 2010 J2リーグ戦 第19節
甲府 4 - 3 栃木 (18:04/小瀬/12,121人)
得点者:20' ダニエル(甲府)、44' 赤井秀行(栃木)、53' パウリーニョ(甲府)、65' 秋本倫孝(甲府)、70' 崔根植(栃木)、80' ハーフナーマイク(甲府)、90'+5 大久保裕樹(栃木)
スカパー!再放送 Ch181 7/26(月)後00:00〜
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世の中思うように行かないことが多いが、その逆もあるので一体どうなっているのか。第15節終了時点で4位だった栃木はJ1昇格を強く意識しただろうが、リーグ再開後に2連敗。中断前の2連敗を合わせれば4連敗と苦しくなってきた。甲府は強いと思われているかもしれないが、14試合負けなし見合うような手応えはない。チームスローガンは「イチガン」だが、チーム全体のまとまりや昇格に向けた高揚感の高まりは「イマイチ」という感じ。でも、勝っているし「強い柏」と「大丈夫か千葉」の間で2位の座が安定してきたような雰囲気がある。クラブの成長過程で通らなければならない道なのかもしれないが、勝てそうな時に勝てなくて、よく分からないけど勝つ時は勝つ。
試合前、物凄い雷雨に襲われた小瀬。もう少し長く雷雨が続けば開始時間が遅れるところだったが、ピッチ練習の時間にはやんで試合への影響はなかった。サポーターも雨のなか大変だったと思うが、チケット担当者は「中止→チケットの払い戻し→再試合」ということを恐れて気を揉んでいた。試合展開にも気を揉んでいたが、甲府のゴール裏は試合開始直後から「We are KOFU」を大合唱してスタジアムを一気に盛り上げた。凄くいい雰囲気で選手の気持ちを支えたと思う。藤田健を一列下げて秋本倫孝と並べて臨んだ甲府は4-2-3-1の布陣だったが、布陣よりも山本英臣、ダニエル、秋本、藤田、養父雄仁、ハーフナーマイク、片桐淳至のセンターラインの選手が揃ったことが良かった。彼らはチームの核。20分には藤田が栃木のパウリーニョに倒されてもらったFKを、片桐→ダニエルでゴールに変えて先制。希望通りに前半にゴールを決めることができた。「ダニエル、ダニエル、ダダダ」のコールも心地よく小瀬に響いた。
しかし、流れの中では栃木のペナルティエリア付近までボールを運んでもその先になかなか進めず、攻撃の意思統一が図れなかった。セットプレーで点を取れるのは素晴らしいが、繋ぐのか、ハーフナーをもっと使うのか狙いがバラバラだった。攻撃のバランスが崩れれば守備にまわった時にもバランスは悪くなるもので、ペナルティエリアのすぐ外でダニエルが栃木の「俺たちのロボ」を倒さざるを得なくてFKを与えてしまう。この時の守備も拙かった。最初はボールに3人の選手がいたのだが、キッカーが高木和正に決まって2人が離れて2対2のファーサイドに移動し、2対4と均衡が崩れたのに甲府はニアサイドから誰もマークに行かずに、単純に横に出されたボールを赤井秀行に蹴られて決められてしまった。前半終了間際、44分の同点ゴールだった。
危機感ではなく、「何をやってんだか」という失点だったが、後半開始すぐの53分に片桐が縦に入れた「めちゃくちゃボールの芯に入った(片桐)」無回転パスがパウリーニョの背中トラップで繋がり、養父のアシストを経てパウリーニョのゴールが決まった。ギクシャクしているようでも、決まる時は決まる。これが今の甲府を支えている。そして、13分後にはこの日一番嬉しかったゴールが決まる。ディフェンスラインからFWに入るボールが少なかったが、アンカーの秋本は単純なクリアはせずにボールを欲しがっていた片桐を見ていて、ロングボールをスペースに出した。追いついた片桐はハーフナーに出そうとしたが、そこにいたのは猛烈に上がってきたディフェンシブ・ストライカーの秋本。
「最初はマイクを探したけど、ミチ(秋本)さんがいるいる(笑)。マイクはマークされていたから、その後ろのミチさんに出した」
ディフェンダーながら得点ランク8位の秋本の今季6点ゴール目は栃木に2点差をつける貴重なゴールだった。しかし、このままいけないところが甲府の未熟さ。廣瀬浩二が交代の準備が出来ていて、プレーが切れていたらベンチに下がっていたはずの崔根植にターンしながらのシュートを見事に決められてしまう。少し前から足が止まりかけていた崔だったが、ワンプレーの集中力と上手さがあった。リードが再び1点になった甲府だったが、80分に栃木のクリアボールを秋本が頭でハーフナーに繋ぐと、モーセのエジプト脱出の話のように、マークしていたディフェンダーが割れてシュートスペースを作って、ハーフナーの4試合ぶりのゴールが決まる。トラップがやや怪しかったが、この怪しさが良かったのかもしれない。ロスタイムには廣瀬の90メートル独走ドリブルを許して3失点目に繋がってしまったが、結果として4-3で勝ったことを今は喜びたい。ただ、ようやくセンターラインの選手が揃ったのに山本が異議で89分に3枚目のイエローを貰ったのは非常に残念。失点のストレスと責任を感じているのだろうが抑えるべき感情だった。
「レモン牛乳」のジンクスにも勝って、結果オーライの14戦負けなしの甲府。「4点取っても3失点したら得失点差はプラス1だけ」という声が前線の選手から出たが、中盤から前の守備が拙くて失点の原因になったシーンもあるので冷静に振り返って修正して欲しい。8位に順位を下げた栃木はショックな4連敗。ロースコアの我慢の展開に持ち込みたかったようだが、打ち合いで敗れた。次節、横浜FC戦は守備要の余孝珍が出場停止となるがパウリーニョを活かせば向上する芽は充分にあるはず。お互いに全国的には注目されにくいチームだが、海なし地方都市クラブとして自立して存在感を出していきたい。
以上
2010.07.26 Reported by 松尾潤
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