7月25日(日) 2010 J1リーグ戦 第14節
湘南 1 - 3 F東京 (18:05/平塚/12,737人)
得点者:39' 森重真人(F東京)、44' 羽生直剛(F東京)、58' 大黒将志(F東京)、62' 中村祐也(湘南)
スカパー!再放送 Ch181 7/27(火)後04:30〜
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集中力高い攻防が続くなか、均衡を破ったのはF東京だった。39分、羽生直剛からのパスをリカルジーニョが左サイドで受け、すかさず低空クロスを入れる。これにダイビングヘッドで応えたのは、徳永悠平の欠場に伴いボランチを託された森重真人だ。さらに5分後、ふたたびリカルジーニョが左サイドでキープし、梶山陽平と大黒将志を経て、最後は羽生がシュートで締めた。
前節の神戸戦で前半2−0とリードしながら追いつかれたF東京にとって、同じスコアで迎えた後半の、とくに立ち上がりは肝だったろう。「前節は信じられないような試合展開で勝点1に終わってしまい、苦しい1週間を過ごしてきた」と城福浩監督は吐露する。積み上げられなかった勝点に学ぶところは多い。果たして彼らは出だしから攻勢に出る。そして58分、高い位置でのボール奪取からカウンターに転じ、大黒が冷静に3点目を沈めた。
ビハインドを背負った湘南がゴールネットを揺らすのは、大黒の移籍初ゴールが飛び出した直後のことだ。62分、自陣の坂本紘司と前線の阿部吉朗が縦のロングパスで繋がる。なにより繋がったのは、ルックアップした坂本と動き出した阿部の互いの意図だったろう。敵の背後を突いた阿部のミドルはGK塩田仁史に阻まれるも、交代したばかりの中村祐也がらしく冷静に詰めた。
失点するまで安定したディフェンスを築いていた湘南は、一方で、縦へ縦へと繋いでゴールに迫る自分たちらしい攻撃をも随所に見せていた。たとえば13分、永木亮太のボール奪取からエメルソン、寺川能人、ヴァウドを経て寺川がペナルティエリアに侵入した場面や、ジャーンを起点に永木、坂本と繋ぎ、阿部がミドルを撃った19分の場面、同じくジャーンから永木と阿部を経由し、ヴァウドが裏へと動き出した30分などである。しかし、「自分たちのリズムがいいときに点を取れず失点してしまった」と反町康治監督が振り返ったように、先にゴールを奪われた。横パスやバックパスを狙われ、自らリズムを失したことも悔やまれる。
中村のゴールで1点を返したのちも湘南の反撃は続く。終盤にはジャーンが前線に上がり、あるいは寺川から途中出場の田原豊、右サイドの臼井幸平と渡り、臼井のクロスに阿部がニアでヘッドを合わせた。ロスタイムにも寺川のクロスに阿部が裏を盗むが、これはオフサイドの網に掛かっている。長い笛が響き、膝に手をつく両チームの選手たちの姿が、夏の夜の熱戦を伝えていた。
「4点目を取れたところ、あるいはしっかり試合をクローズするところ。勝ったからこそしっかり反省して次に臨みたい」次節ホーム磐田戦に向け、城福監督は引き締めた。
一方、反町監督は、「意識改革していかなければならない」と、日々トレーニングに忍ばせている1対1についてあらためて言及した。ただ、こうも言う。「このところのゲームのなかでは非常にいいパフォーマンスだったと感じている」。積み上げられなかった勝点に学ぶところは多い。いまはまだ芽に過ぎぬかもしれない収穫を携え、次節は名古屋に挑む。実りの秋はきっと訪れる。
以上
2010.07.26 Reported by 隈元大吾
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