7月27日(火) 2010 J1リーグ戦 第15節
仙台 1 - 1 広島 (19:05/ユアスタ/12,139人)
得点者:26' 関口訓充(仙台)、78' オウンゴ−ル(広島)
スカパー!再放送 Ch181 7/30(金)深00:00〜
☆貴方の予想でクラブを支援!クラブ対抗totoリーグ投票受付中
----------
逃げ切りはならなかったが、この日仙台が見せた戦いは、前節新潟戦後の「勝ちのところまで紙一重にきたことは感じている」という手倉森誠監督の言葉が偽りではなかったことを示すものだった。2連勝と乗っていた広島を、勝利まであと一歩のところまで追い込む善戦は、今後の戦いへの勇気となり得るものである。
開始直後、右サイドを崩した後の広島・佐藤寿人のミドルがバーを直撃する幸運もあったが、この日の仙台は立ち上がりから、ブロックを組みつつDFラインも適度に高い位置を保つ、バランスの良い守備を披露。広島の最終ラインからのボールにも、サイドをえぐってきた攻めにも上手く対応できていた。
一方で攻撃に入っても、手倉森監督が病み上がりでのスタメン起用に踏み切った関口訓充が、チームがボールを奪った後に前線スペースでボールを引き出し、手数をかけないながらも効果的な攻めを見せる。
その関口が大きな仕事を成し遂げた。26分、仙台は左の朴柱成へボールを振ると、朴柱成はミキッチを突破しセンタリング。ゴール前で朴成鎬が粘り、的確なポストプレーで足元に落としたボールは、ペナルティーアークに走り込んだ関口の元へ。振り抜いた右足から放たれた低い弾道のミドルは、ゴール左へ突き刺さった。広島の選手たちのお株を奪う、ゴール後の弓矢パフォーマンスも鮮やかに決まって、仙台が2試合連続の先制点を奪った。
こうして仙台リードのまま迎える後半。広島も不調のミキッチを下げ、この日はベンチで温存していた青山敏弘を投入、前半からパス回しの中で最終ラインに下がることも多かった横竹翔を最終ラインに落とし、サイドアタックもこなせる森脇良太を右のウイングバックへと1列上げる布陣変更を行なうことで、まず逆襲への足がかりを整えようとするも、仙台は前節のように立ち上がりで失点をすることもなく耐える。さらにそれだけではなく、明らかに前半以上にスペースが空き始めた広島エンドを攻める上でカウンターがさらに効きだし、関口、フェルナンジーニョといった足技とスピードを持つ選手が広島守備陣を揺さぶっていく。前半の佐藤同様、梁のミドルがバーを直撃するというあと一歩の好機も作った。
だが、厳しい言い方をすれば、この流れの中で試合を決められなかったことが、仙台に勝点3を手にする権利を失わせた。何しろ広島は、さらに攻撃の迫力を強める術を持っており、苛烈な反撃は予想できていたのだから。
63分山崎雅人、その3分後には李忠成と、次々とFWをピッチに送り込んだペトロヴィッチ監督。仙台のゴール前に、明らかに圧力がかかる。そこめがけて、青山が、森崎浩司が、さらにはハーフウェイラインを超えてきたストヤノフが鋭いスルーパスを送り、次々とチャンスを作る広島。ストヤノフの右足アウトでのスルーパスで置き去りになった仙台のDFライン裏を、左から回ってきた服部公太が完璧なタイミングで取った場面(ダイレクトでのシュートはゴール右に外れる)は、文字どおり仙台の空気を凍らせた。
それでも土俵際で耐える仙台。既に広島が3人の交代枠を使い果たしているため、この攻勢を凌げば光明が…とも思っていたが、甘かった。極めて広島らしい、さらに攻撃を強める方法があった。槙野智章の、攻撃参加リミッターの解除がそれだ。
既にペナルティーエリア内は大混乱(それでもよく守ってはいたが、エリゼウが後方スペースそっちのけにスルーパスの出し手にプレスをかけ、案の定その裏に走り込まれるなど、多少のドタバタは見え始めていた)だった仙台。中央がそうなのだから、自ずと全体の守備がインサイドに寄るのは致し方ない。だが、広島の丹念なボール回しとサイドチェンジに、遂について行けなくなったのが78分だった。
右サイドでパスを回し、仙台の守備陣を偏らせたところで、広島はストヤノフにボールを戻す。ぽっかり空いた左サイドに、ここぞとばかりに槙野が飛び込み、そこへストヤノフから展開のパスが出る。仙台で槙野に対応できたのは右サイドバックの田村直也のみだったが、スピードがついた槙野を止めるには至らず、サイドをえぐった槙野に低く鋭いセンタリングを許す。
ゴール前の密集に打ち込まれたボール、合わせようとした佐藤の前で、戻りながらの守備を強いられた富田晋伍が何とか触る…が、その後のボールは本当に無情なことに、GK林卓人をかすめ、ゴール右に柔らかく吸い込まれていった。しばらく倒れ込み、立てない富田。これが試合の結末を決めるゴールとなった。富田はこの日、特に前半、広島のロングボールを仙台DFラインが跳ね返したところで、そのこぼれ球を嗅覚よく拾い続けるなど、ゲームを拮抗させる重要な役割を果たしていた。それだけに、余計に悲劇である。
ただ、関口の復帰(彼も攻撃だけでなく、自陣深く戻っての守備での貢献が大きいところを改めて証明)が、連敗に苦しんでいたチームを一段階高めたことは間違いなく、決して油断はできないが、仙台のチーム状態は底を脱したかに思える。難敵川崎Fとのアウェイマッチが次節に控えるが、この流れを止めない試合としたい。
以上
J’s GOALニュース
一覧へ- 終盤戦特集2025
- アウォーズ2025
- 明治安田J1昇格プレーオフ2025
- 明治安田J2昇格プレーオフ2025
- J3・JFL入れ替え戦
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 月間表彰
- 2025 移籍情報
- 2025 大会概要
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- 2025 Jリーグインターナショナルユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE













