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つくづくチームは生き物だと実感している。3月下旬から5月まで11戦無敗と、負ける気がしなかった栃木SCだが、やや早めの「夏バテ」に陥るとアビスパ福岡戦から前節のヴァンフォーレ甲府戦まで4連敗を喫した。絶好調の時期が霞むほど、今は流れが停滞している。
流れの悪さは、例えば甲府戦の2失点目に見て取れた。相手選手の背中にサイドチェンジのボールが当たり、トラップのような形になったことで不運な失点に繋がった。また、東京ヴェルディ戦ではリカルド ロボが放った、決定的なシュートがクロスバーに嫌われた。バイオリズムが低下していなければ、甲府戦の失点は防げたはずだし、東京V戦では同点弾が生まれていたはずだ。つまり、まだ栃木に流れは戻ってきていない。
しかし、流れが来るのを待っていては、このままズルズルと下降線を辿るばかりだ。リーグ戦もいよいよ後半戦に突入する。その初戦、前期に2‐0と快勝した横浜FCから勝点3を奪うことで潮目を変えたい。
前節、栃木はアウェイ小瀬で、3‐4と散った。試合後のゴール裏は拍手半分、ブーイング半分と、複雑な感情が入り混じった反応を示した。敗戦と4失点への落胆、2位・甲府を相手に正面から撃ち合っての3得点に対する評価。松田浩監督も得意とするロースコアの展開に持ち込めなかったことを悔やみつつ、一方で最後まで点を取りに行った姿勢を、「東京V戦では欠如していた『コミットメント(懸ける気持ち)』が感じられた。勝点1には繋がらなかったが、何かに繋がるはず」と収穫に挙げていた。
前々節の東京V戦で露わになった課題を克服したものの、連敗と相関関係にある失点が止まらず、絶対的フィニッシャーのロボに当たりが止まっていることは気掛かりだ。今節は守備の要、余孝珍が出場停止で不在。代わりを務めることが濃厚な、“吼えるキャプテン”落合正幸は言う。
「ここ最近は相手のシュート本数が増えている。タケ(武田博行)が踏ん張ってくれているが、DFとして体を張り、満足な体勢で打たせないような守備をすることで、シュート本数を減らしたい」
シュートを打たせなければ、当然だが失点のリスクは減らせる。サガン鳥栖、東京V、甲府には1試合で20本近くシュートを許している。まずはシュートを打たせない守備を心掛ける必要があるだろう。
「砂糖たっぷりの美味しいボールが来ない」
独特な言い回しを使ったのは、“ゴールゲッター”ロボ。5月は5戦4発と持ち前の決定力を披露したが、梅雨入りとほぼ同時に得点感覚は湿った。本人は「不運な部分もある」としながら、「良質なボールが供給されていない」とも感じている。相手にとって制御不能だった頃のように、ロボのツボを的確に押してあげることこそ、必勝への近道であることは間違いない。守備陣が無失点に抑え、エースが好機を逃さない。勝利の方程式を完成させることが求められる。
好スタートを切ったものの5連敗に続き4連敗と、ストレスの溜まる日々を過ごした横浜FCだが、岸野靖之監督の古巣・鳥栖戦の勝利を皮切りに、ただいま5戦無敗。ようやく「負けたらアカン」岸野イズムが浸透してきた。前節のコンサドーレ札幌戦では終盤にガス欠を起こしたが、戦う姿勢を貫き、追撃を振り切った。
好調を支えるのが、ホベルトだ。数クラブを渡り歩いた「潰し屋」は、福岡時代に苦楽を共にした松田監督が「色が変わりチャンスメーカーになっている」と言う通り、中盤の底で舵を取り、タメを作れるキープ力とサイドチェンジで攻撃に彩りを加えている。守備に難はあるものの、左サイドバックの高地系治もホベルト同様に起点となれる存在。大黒将志が抜けたが、補強したカイオは昨季セレッソ大阪での実績があり、フィットすれば貴重な得点源となる可能性が高い。「我々はずっと勝つしかない」(岸野監督)。今節も勝利しか見えない。
「勢いを止めるにはパワーが必要だが、岸さんを筆頭に勢いを大事にするチームに対し、受けに回ってはいけない」とは落合。春先から怪我に悩まれ、傷が癒えてもセンターバックの層は厚く、出場機会は得られなかったが、常に前向きに練習に取り組む姿勢は変わらなかった。今、栃木は危機に瀕している。状況を変えるには、「チームをなんとかしたい」という揺るぎない忠誠心が絶対不可欠。「例えば喧嘩をする時に、こいつがいれば勝てると思える」と松田監督が称した落合のパーソナリティが、栃木の現状に変化をもたらしてくれるはずだ。背番号5の最終ラインから味方を鼓舞する姿、そして魂を感じさせるプレーに注目して欲しい。
以上
2010.07.30 Reported by 大塚秀毅













