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★どっちが勝つ?Voter[6日14時現在、広島95930票 vs G大阪247086票!]
今から約420年前、毛利輝元が太田川下流の三角州に巨大な城を築いたことから広島の歴史は始まった。以来、毛利氏から福島氏、そして浅野氏へと城主が変わり、明治維新を経た後も広島は発展を遂げ、日清戦争時には臨時の首都機能も担った。
その歴史が、1945年8月6日8時15分、一瞬にして破壊された。原子爆弾の熱線があらゆる物を焼き付くし、爆風が全てを吹き飛ばした。今年3月、AFCチャンピオンズリーグのために来広したアデレード・ユナイテッドの選手たちが広島平和記念資料館を見学した時、彼らはたった一つの原爆がつくりだした現実の地獄絵図に絶句。「教科書で学んではいたが、これほど悲惨なものだったとは」と異口同音に語った。
だが、そんな「地獄」の中にあっても、広島の人々は復興をあきらめなかった。被爆3日後には市内電車が走り出し、4年後には広島東洋カープが誕生、1980年には政令指定都市になった。復興の過程には筆舌に尽くしがたいほどの困難が存在したが、広島人たちはその壁に堂々と立ち向かい、緑と水に満ちた美しい街を創り上げた。今、熱く激しいJリーグの試合が広島で見られるのも、我々の先達が様々な苦しみに耐えて跳ね返し、平和を願い復興を信じて毎日を闘い抜いたからだ。そんな先輩たちの努力に対し、最大級の感謝を捧げたい。
さて、広島にとって最も重要な祈りの日が明けると、サンフレッチェにとって最も厳しい闘いがやってくる。G大阪戦だ。
2001年11月3日に2-1で勝利して以来、広島ビッグアーチでは1997年4月23日以来、広島はリーグ戦でG大阪に勝てない。2004年10月17日以降、G大阪は9試合連続で2点以上を奪取。広島が2点を先行した試合が3度あるが全て追いつかれ、1度は逆転負け。2点差をつけても、広島はG大阪に勝てない。
しかも今節の広島は、戦力的にも厳しい。森崎和幸・盛田剛平・山岸智・高萩洋次郎と離脱者が重なり、ここまで全試合出場を続けてきた中島浩司が出場停止。「運動量を発揮してチームを支えてきた中島の欠場は痛い」とペトロヴィッチ監督も苦悩する。
一方のG大阪は、再開以降は3勝1分1敗。ルーカスのケガによる不在は痛いものの、前節の山形戦で負傷した今季9得点のストライカー=平井将生は広島戦で先発できる模様。彼とイ・グノ、宇佐美貴史を含めたアタッカー陣の躍動感は見ている者の気持ちをときめかせる。
ただ、ペトロヴィッチ監督は「宇佐美も平井もイ・グノもいい選手だ。ただ彼らは、G大阪の優れたMFたちに活かされているんだよ」と指摘する。「明神智和・橋本英郎・二川孝広らG大阪のMFたちは経験も豊富だし、決定的な仕事ができる。パスを出せるし、自分でゴールも狙える。そして、何よりも遠藤保仁の存在。G大阪は結局、彼のチームだ。遠藤を90分間抑えきるのは、本当に難しい。明日、彼の調子が悪いことを願いたいね」
この両チームの闘いは、そのスタイルからいっても点の取り合いになるはずだ。実際、最近3試合の対戦は全て2-2。ペトロヴィッチ監督就任以降の5試合における平均得点はG大阪が2.4で広島は1.6。2007年3月17日の対戦での完封負けをのぞき、広島は全て2得点をあげている。
特に槙野智章は、カップ戦を含め5度のG大阪との対戦で一度も負けたことがない。プロ初得点はG大阪戦での後半ロスタイムでの同点弾だし、昨年のビッグアーチ決戦でも強烈なミドルを叩き込んでいる。少なくとも彼には、G大阪に対するコンプレックスはない。それは、G大阪戦でリーグ初得点をあげた高柳一誠(2009年4月4日)や公式戦初得点を記録した桑田慎一朗(2005年6月4日※ヤマザキナビスコカップ)も同様だろう。
「勝利のために大切なのは、走ることと規律を保って闘い抜くこと。それに加えて、サポーターの声援が必要だ。明日はぜひビッグアーチに駆けつけ、選手たちを支えてほしい」とペトロヴィッチ監督は語った。広島中の力を結集しないと、G大阪という巨大な壁は乗り越えられないということだ。
ただ、その力が集まった時には不可能をも可能にする。広島は過去、2度の降格という試練に見舞われた。しかし、その厳しい状況を「サンフレッチェを助けちゃろうや」という広島全体の機運とサポーターの支えによって乗り切り、ACL出場権を獲得できるまでに成長できた。これは、一つの奇跡である。
苦しい時こそ、厳しい時こそ、みんなで支え合う。原爆の惨禍から広島はそうやって復興した。カープもサンフレッチェも、そんな広島の風土に支えられ、苦境を乗り切ってきた。そういう「広島らしさ」を全面に押し出し、サポーターも含めた広島の全てをかけて闘えば、9年ぶりのG大阪戦勝利に手が届く。
以上
2010.08.06 Reported by 中野和也













