スカパー!生中継 Ch171 後05:50〜
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1勝すれば何かが変わる。そんな期待感に満ち溢れた空気が両チームを包み込んでいる。中断期間明け、水戸は1分1敗、岐阜は2分1敗。両チームともにまだ勝利がないのである。しかし、決して内容が悪いわけではない。むしろ、自分たちが目指すべきサッカーが体現できつつあるという手ごたえをつかんでいる。自信を確信に変える勝点3を手にするために、この一戦に挑むこととなる。
「今、自分たちが変われそうな気がする。1試合勝てれば、変われる自信がある」と話すのは吉原宏太だ。前節休みだった水戸は8日に清水エスパルスのサテライトチームと練習試合を行った。「公式戦のスタンスで戦った」(村田翔)その試合で水戸は中断期間から取り組んでいるパスサッカーで清水と互角に渡り合い、流れの中から2点を奪ってみせた。結果は2対3で敗れたものの、選手たちは自分たちが前進している確かな実感を得ることとなった。
「やろうとしていることはやれている」と作田裕次は語る。最後尾からチーム全体を見回す彼がチームの変化を最も感じていると言えるだろう。最終ラインでボールを持った時に以前はボールを欲しがる選手が少なく、仕方なくロングボールを蹴ることが多かったというが、今は「ボールに関わる人数が増えてパスの出しどころも増えた。そういう意識をしっかり出せれば優位に試合を進めることができる」と語った。そして、「そうなったのもみんなが自信をつけたからなんだと思います」と続けた。中断期間から目指すべき道が一貫しており、選手たちは迷わずに戦うことができているのである。
一方、岐阜も前進を見せている。リーグ前半戦は慣れないゾーンディフェンスに苦労している感があったが、中断期間を経て、チーム内に守備戦術が着実に浸透したようだ。守備が安定したからこそ、攻撃にも積極的に出られるようになっている。嶋田正吾や押谷祐樹といったスピードのある選手が果敢にスペースに飛び出せるようになっており、攻撃の勢いが増すこととなっている。前節熊本戦も前半から圧倒的に試合を支配し、次々と決定機を作り出した。相手GKの度重なる好セーブに遭い、1点しか取れずにドローとなってしまったが、前半のうちに点を奪うことができていれば、大量得点も考えられる内容であった。「これをベースにすれば、必ず結果がついてくると思います」と試合後の記者会見で倉田安治監督と話したように、進むべき道を示した試合となったと言えるだろう。
ただ、両チームともに内容は進化しているとはいえ、やはり結果が出ていないという事実から目をそらすことはできない。ともに課題は「得点力不足」。水戸はリーグで3番目に少ない14得点、岐阜は5番目に少ない17得点という数字がそれを物語っている。「アタッキングサードからの正確性があれば、得点に結びついていたと思う」と倉田監督が前節を振り返るように、ともにボールをポゼッションしていい形で攻めることができていながらも、ゴール前での正確性を欠き、チャンスを生かしきれずにいる。それが勝利につながらない最大の原因となっている。水戸には大橋正博、岐阜には橋本卓というJ2でも屈指のパサーがおり、ゴールのお膳立て役は揃っている。彼らから繰り出される鋭いキラーパスを生かすことができれば、おのずと結果はついてくるはずだ。実力は五分。だからこそ、チャンスを確実に生かしたチームが浮上のきっかけとなる勝点3を手にすることとなるだろう。
この試合のハーフタイムには、夏の夜を鮮やかに彩る50発の花火が打ち上げられることとなっている。その迫力に負けないぐらい、観に来た人たちの夏の思い出としていつまでも胸に残るようなゴールが多く生まれることに期待したい。
以上
2010.08.14 Reported by 佐藤拓也













