スカパー！生中継 Ch184 後07:20〜
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「2位、1位を倒したということは、周りからは『それ以外のチームには勝って当然だ』と、期待をされると思う。自分たちで期待を大きくしたので、もっとプレッシャーが大きくなる。今日のことは一切忘れて、次の国立（vs札幌戦）に新鮮に臨む、それしかない」
前節、今季無敗を続けていた首位・柏を破った後の会見での川勝良一監督のコメントである。東京Vにとって前々節・甲府（2位）、前節・柏（首位）を倒したことは、すでにもう過去の話。「今後、どのチームとやっても、（柏・甲府戦と）同じモチベーションで最初からやれるかが一番重要」だと、川勝監督、選手全員は気持ちを引き締めている。3試合ぶりのホームゲームで、ウォーミングアップを含めたスタートからどのような戦いを見せるのか。昇格争いに参戦できるチームか否か、東京Vの真価が問われる重要な一戦となる。
上位に浮上するために、川勝監督は「うちは３連勝がない。それじゃ上にはいけない」と、連勝を条件に挙げる。その意味でも、２連勝して迎える今節は、チームの成長を伺う試金石といえよう。そこでポイントとなってくることは何か？の質問に、ほぼ全選手から「得点力」という答えが返ってくる。実際、８勝のうち1-0のスコアで勝ったのが６試合。逆に言えば、いかに守備が強固なのかの象徴とも言えるのだが、「（守備の堅さが）いつまでも続けばいいけど、『絶対』はない」と、守備陣に頼ってばかりいるわけにはいかないことを飯尾一慶は強調する。さらに飯尾は、「1-0だと相手もまだ元気だから、フィジカル的にもメンタル的にも疲労が大きい。2-0なればもっと楽に戦えるし、さらに3点、4点取れればなおさらいい」と、複数得点の持つ効果を説明した上で、「全員が、『絶対２点目を取る!!』という気持ちでいく」強い意気込みを語っていた。
とはいえ、1点ゲームが多いからといって、決して一般的にみられる「引いて守って1点」ではないということだけは強調しておきたい。当然、札幌戦でもチャンスメイクの多い攻撃サッカーを目指すが、残念ながら今節は、その要とも言える河野広貴が出場停止である。代わりに先発チャンスを得るのは、ポジション的にみて高木善朗が有力だ。東京Vでは今週、新たにユースから５選手がトップチームの練習に参加しているのだが、同じくユース所属選手である高木善にとっては、「半年みんなよりも早くトップ入りしている分、差を見せないと」と、非常に良い刺激になっているという。差を見せるためにも、「点とりたい。シュート、打ちます！」と、気合い満点だ。また、前節決勝弾を決めたDF富澤清太郎も「今季は5点とる」と、得点に高い意欲を燃やす。
東京Vは、今節も変わらぬ全員攻撃・全員守備で、複数得点、そして今季初の3連勝を目指す。
対する札幌は、第19節ｖｓ横浜FC戦、第20節ｖｓ岡山戦での手痛い連敗を前節の北九州戦で止め、勢いを盛り返して東京・国立競技場へ乗り込んでくるだろう。
札幌は、攻撃が好調だ。W杯の中断期間中にJ１清水から移籍加入し、早くも攻撃の核となっている高木純平を出場停止で欠くが、周りの攻撃陣にも実に個性多彩なタレントが揃っている。前節も、サイドもこなす内村圭宏を1トップに据え、内村がサイドに流れて空いた中央に岡本賢明、古田寛幸、ボランチの宮澤裕樹、芳賀博信らが次々と進入し、厚みある攻撃を見せていた。また、サイドバックとして起用されている藤田征也の攻撃参加も非常に有効である。さらに、出場停止が明ける近藤祐介や上里一将など、アクセントとなる選手も揃う。多くの得点チャンスは作れている。あとは、いかにゴールに沈めるかが鍵だろう。
また、気をつけなければいけないのは、連敗の原因だったとも言える前半5分以内という早い時間帯での失点だ。試合の入り方も重要なポイントである。
東京V、札幌、どちらも非常に良く走り、90分間高い集中力をもってハードワークを続けられるチーム同士の戦いで、激戦は必至だろう。最後の最後、試合終了のホイッスルが鳴るまで続く熱い戦いを見に、ぜひ国立競技場へ足を運んでみてはいかがだろうか。
以上
2010.08.14 Reported by 上岡真里江
