8月14日(土) 2010 J2リーグ戦 第22節
栃木 2 - 0 大分 (18:03/栃木グ/3,670人)
得点者:45'+2 パウリーニョ(栃木)、71' 杉本真(栃木)
スカパー!再放送 Ch183 8/15(日)後03:00〜
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ダービーで負った傷はダービーでしか癒せないが、ザスパ草津との「北関東ダービー」に逆転で敗れた前節のモヤモヤが、幾分か和らぐ勝利だったことは間違いない。「ホームでなんとしてでも勝ちたかった」栃木SC・松田浩監督の思いは、選手に伝播し、4節の対戦と同様に大分トリニータに2−0と快勝した。
1−4で屈した前回のリベンジに燃える大分は、気迫を前面に押し出し、素早いプレスからボールを奪い、テンポよくボールを動かした。「中盤の4枚の門を閉じる作業は、あまりよくなかった」と松田監督が振り返るように、栃木は簡単にバイタルエリアにボールを入れられすぎた。また、リカルド ロボと崔根植には厳しいボール、ロングボールばかりを供給したことで、強さと上手さを兼ね備える菊地直哉と藤田義明のセンターバックコンビに対応され、圧力を加えられなかった。
しかし、ボールを握られはしたが、ブロックが破綻するほどの致命的な打撃を、大分から受けなかったことで、栃木は辛うじて持ち堪える。15分に杉本真が相手のミスからの決定機を逃して以降、チャンスを作れなかった栃木だが、我慢が実り、29分のパウリーニョの直接FKあたりから盛り返す。38分の高木和正が直接ネットを揺らしたFKはオフサイドにより取り消されるも、前半ロスタイムにパウリーニョがクリアボールを右足で強振し、DFに当たったシュートはネットに突き刺さった。蒸し暑さと嫌なムードを吹き飛ばす爽快な一発は、試合展開を大きく変えた。
後半は大分にひとり退場者が出たこともあり、数的優位の栃木が主導権を握る。10人になった相手にてこずるシーンも見られたが、それはサッカーでは当たり前に起きること。ビルドアップでのパスが引っかかるミスもあったが、弱気にならずに攻撃姿勢を緩めなかったことが奏功した。71分、本橋卓巳の左からのロークロスを、中央で杉本が倒れ込みながらダイレクトで流し込んだ。右サイドの赤井秀行からサイドチェンジが左の本橋に入り、ニアで崔がDFを釣って、空いたスペースに杉本が飛び込む形は練習通り。ここ数試合で得点源となっているFKといい、今回の横の揺さぶりといい、日々の努力が結晶となっている。
数的不利に陥った大分も、「ひとり少なかったが、非常に頑張ってくれた」と皇甫官監督が言うように、古巣相手に河原和寿が、その河原と同世代の森島康仁が奮闘。だが、一矢報いることは叶わなかった。
前節、12試合ぶりに勝利を挙げた大分は連勝を狙ったが、前半の拙攻が大きく響いた。高松大樹は言う。「ポゼッションを上げても点を入れないと意味がない」。ボールは回るようになったし、守備にも安定感が出始めた。攻守が噛み合ったからこそ、前半45分を支配できた。ただし、ゴール前にボールを運べてもフィニッシュに至れない悪癖は相変わらず。「最後のラストパスをもっと大事にすれば、チャンスが作れたし、点も取れた」(皇甫官監督)。守備が整備されただけに、対戦相手に脅威を与える攻撃が、上位を目指すためには必要とされる。
「出しゃばらないように、最終ラインの仕事に力を注いだ」
クールな“若きDFリーダー”大久保裕樹は、珍しく白い歯を見せた。7試合ぶりに失点が止まり、DFとして最低限の仕事をやり遂げたのだから、顔が綻ぶのも無理はない。前半は劣勢に回るが集中力を切らさず、辛抱強く守り攻撃に繋げてゴールを奪いきった。志向する「いい守備からのいい攻撃」が引き寄せた勝点3の持つ意味は、大きい。前半に先制したものの、ひっくり返された前節の反省を踏まえ、後半の立ち上がりにパワーを使い、失敗を繰り返さなかったことも成長の証だ。だが、点差を広げて廣瀬浩二を投入し、止めを刺しに行ったのに、3点目を取り切れなかったことは反省点。上位追撃には、さらに突き詰めるべき点がある。
次節は4戦4敗と相性の悪いコンサドーレ札幌とのアウェイゲーム。一瞬の気の緩みが命取りとなる。春先から夏場までの快進撃を再現するには、越えなければならない山。険山を越えるために、今日からまた粛々と新たな準備が始まる。
以上
2010.08.15 Reported by 大塚秀毅
J’s GOALニュース
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