9月5日(日)第90回天皇杯2回戦 名古屋 vs 中京大(17:00KICK OFF/鈴鹿)
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チケット情報 |天皇杯特集
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昨年度の天皇杯準優勝、そして現・J1首位の名古屋が早くも大会に姿を現す。今年の元日に味わった屈辱的な敗北は、今も名古屋の選手たちの心に強く刻まれていることだろう。あれから8ヵ月。今季の天皇杯は、名古屋にとってはリベンジの舞台でもある。初戦となる2回戦の相手は愛知県代表として三重県代表・四日市大を破った地元・中京大。かつて名古屋でもプレーした西ヶ谷隆之氏が監督を務め、今季の総理大臣杯では準優勝を果たした大学の強豪チームである。
中京大が1回戦で見せた戦いは見事なものだった。同じ大学というカテゴリーでは格下と見られる四日市大を、美しいポゼッションサッカーと機を逃さないカウンターで翻弄。前半2点、後半3点の大量5得点を奪う快勝劇で、さすがの強さを見せつけた。背番号10を背負うFW斎藤和樹や守備のマルチロール森本良がベンチ入りできなかったが、分厚い選手層でこれをカバー。元神戸のDF中田智久を温存した上に、出場した主力選手たちを時間帯ごとに違うポジションでプレーさせる余裕の采配で、2回戦に駒を進めてきた。注目は元横浜FMのMF石原卓と、19歳のボランチ佐藤和弘だ。前者は強力な左足から繰り出される正確なクロスが、後者は落ち着いた状況判断と高い技術を駆使した小気味良いパスワークが魅力。また、森本は名古屋の下部組織出身の選手であり、西ヶ谷監督同様古巣との対戦ということになる。
その挑戦を受ける名古屋は、メンバー選考にやや流動的な部分を残す。昨季の初戦などを振り返れば、主力を大きく休ませるターンオーバーを実行し、膠着した展開ながらも要所を締めて無難に勝ち上がった。今回も相手が大学生ということを考えれば、大幅にメンバーを落とすことも十分に考えられることではある。しかし、リーグ戦の前節から次節の間に入った週末のゲームということを踏まえれば、コンディショニングの意味でも主力級の11人を並べることのほうが確率は高いと言えるだろう。日本代表に招集されているGK楢崎正剛、そして代表合宿を右わき腹の負傷で辞退した田中マルクス闘莉王以外は、ベストに近いメンバーを揃えてきそうだ。
ゲームは当然のごとく、名古屋が全面的に支配する展開となることが必至だろう。中京大の西ヶ谷監督も持ち前のポゼッションで勝負できるとは考えておらず、「相手は格上。ウチはカウンターベースにならざるを得ない」と守備的な戦いを覚悟している。名古屋はまずはしっかりと守備を固めてくる相手に対し、バリエーション豊かな攻撃で突破の糸口を見つけることが最大の課題。そこでポイントとなるのが、ケネディの出場可否だ。J1でも猛威を振るうオーストラリア代表FWは、今回の国際Aマッチでの同代表の招集を、腰の持病悪化の恐れを理由に辞退し名古屋に残っている。負傷で試合に出られなくなったわけではなく、コンディショニング優先の決断だったため、この試合への出場は可能である。彼がいるといないとでは、名古屋の攻撃が大きく様変わりする。卓越したキープ力は攻撃の分厚さを生み出し、圧倒的な高さはあらゆる位置からのボールをゴールに結び付けてしまう。西ヶ谷監督が一番恐れているのもこの長身FWで、学生ではまず太刀打ちできないことは間違いない。
名古屋にとっても背番号16の不在は影響が大きい。ただでさえ闘莉王と楢崎という守備の要が不在の中、攻撃の基準点まで欠いてはチームの戦い方にも変化が出てくる。これまで代役として起用されてきた巻佑樹はここ数試合でベンチ入りメンバーからも外れており、同じ役割を任せられるFWは現在いない状態。若い橋本晃司という選択肢もあるが、ここ数試合の交代策で見られた玉田圭司や金崎夢生の1トップ起用の可能性もないとはいえないだろう。特に玉田はリーグ序盤にスタメンで1トップを務めたこともあり、パスの引き出し役として十分に機能していたこともある。だが、名古屋の不安要素はこの一点のみ。日本最高クラスのチームとしての貫禄を、学生に見せつけたいところだ。
常識的に考えれば、名古屋の勝利に疑いの余地はない。J1首位の牙城はそう簡単に崩せはしない。中京大・西ヶ谷監督は「サッカーは何があるかわからない。試合の中で、色々と何かを起こしていきたい」と意欲を見せたが、玉砕覚悟であることもまた確か。中1日の日程で疲労も残る中、数回訪れるか訪れないかというチャンスをどれだけ生かしていけるかに全てを賭けるつもりだ。近年の天皇杯では大学生の快進撃も大会を彩ってきたが、現在の名古屋相手にアップセットは起こりうるのか。名古屋は指揮官が試合当日にフランスから来日する(ストイコビッチ監督、一時帰国について /jsgoal_archive/official/nagoya/00106061.html )など余裕の構えだが、その余裕通りの圧勝劇で初戦突破といきたいところだ。
以上
2010.09.04 Reported by 今井雄一朗
J’s GOALニュース
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