9月5日（日）第90回天皇杯2回戦 草津 vs 北九州（15:00KICK OFF/群馬サ）
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チケット情報 ｜天皇杯特集
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今年も天皇杯の季節がやってきた。草津はＪリーグ昇格後の過去５年、初戦はいずれも下部リーグのクラブとの対戦だった。だが今年はＪ２北九州との対戦となり、下部リーグから挑戦を受けるという図式が当てはまらない。今季Ｊ２へ昇格した北九州は現在の順位こそ最下位だが、チーム力はシーズンが進むごとに上昇。16位草津との力の差はない。今ゲームはリーグ戦さながらの熱いゲームが展開されるはずだ。

「熱い」ゲームと表現したが、「熱さ」に加えて「暑い」ゲームとなりそうだ。今もなお全国的に猛暑が続いているが群馬県は全国有数の猛暑地域。館林市や伊勢崎では今夏、全国最高気温を続々と記録した。試合当日は午後３時からのキックオフとはいえ、晴天であれば気温30度以上は確実。群馬の夏は乾いた暑さではなく湿っけたっぷりの蒸し暑さとなるだけにタチが悪い。選手たちは相手チームとともに「暑さ」とも戦わなければならない。

試合会場は草津のホーム・正田スタ隣の群馬県営サッカー場。北九州から足を運ぶサポーターは会場を間違えることのないようにお願いしたい。メーンスタンド以外はすべて芝生席で、選手と一体感が味わえるサッカー専用スタジアムだ。だが難点もある。Ｃ大阪ユース監督時代に高円宮杯で同サッカー場を経験した副島監督は「ロッカールームにエアコンがないから、会場入り後のコンデション調整が大変になる」と苦笑する。初戦突破のためには試合前からの暑さ対策も欠かせないだろう。

草津は前節ホームで徳島に１対４で敗れリーグ戦２連敗で天皇杯へ臨むことになった。副島監督は「試合間隔が詰まっているわけでもないしリーグ戦の延長としてゲームに向かう。チームの修正を行って再び良い流れに持っていきたい」と話し、リーグ戦と同じスタンスで北九州を迎える。松下裕樹は「リーグ戦で連敗してしまったので、天皇杯で勝つことでチームの良いリズムを取り戻したい」と気持ちを入れ替えている。

草津は、北九州に苦い思い出がある。５月のホーム北九州戦で試合終了間際に元草津のパワフルストライカー宮川大輔に豪快なゴールを許してドローへ持ち込まれたのだ。あの試合で受けた傷を癒すには、今ゲームの勝利しかない。高田保則は「北九州は良いサッカーをしているし簡単な試合にはならない。トーナメントなので勝つためのサッカーをしたい」と闘志を秘める。草津と北九州は２３日にもリーグ戦で対戦するため、今ゲームはリーグ戦の前哨戦ともなる。

一方、今季Ｊ２初参戦の北九州は23試合で１勝に留まり、勝利こそつかめていないもののドローはＪ２トップの１０試合。徹底されたパスサッカーを展開し粘り強さを発揮している。前々節徳島戦では大島康明がハットトリックを記録し４対４の激闘を演じるなどチームは確実に成長している。また新戦力レオナルドもチームに新しい力を吹き込んでいる。草津・副島監督は「北九州は徳島から４点も取っている。勝利はまだ少ないがチーム力は確実に上がっている」と警戒を口にしている。

草津にとって天皇杯初戦は毎年修羅場となっている。大会初戦と格下相手の難しさが重なって、Ｊ昇格前の愛媛、岐阜、アローズ北陸（現富山）などのクラブに苦戦が続いている。だが過去５年で初戦敗退は一度もない。負けられないという思いがチームに喝を与えているのだ。今年はＪ２の北九州が相手となるが、負けられない状況は同じ。「トーナメント戦は初戦が大切。ここで勢いに乗って一つでも上に行きたい」（副島監督）。リーグ戦でなかなか下位から抜け出せない草津は、猛暑のデスマッチで勝利を上げて３回戦の切符をつかみ取らなければならない。

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2010.09.04 Reported by 伊藤寿学