スカパー！生中継 Ch181 後01:50〜
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勝点45で並ぶ5位Ｃ大阪と6位清水。ともに一時は優勝争いに加わっていたが、夏場に勝点を量産して最高2位まで踊り出ていたＣ大阪は9月以降、前半戦ではトップに立つなどリーグを席巻していた清水は8月中旬以降、それぞれ勢いが失速。この2カ月での成績も1勝3分3敗とお互いに勝ちきれない試合が続き、首位の名古屋との勝点の差は15に広がったことで、残り6試合での逆転は厳しくなった。しかし、ACL出場権獲得を目指して、その条件の目安となる3位以内に入るためにも、まだ歩みを止めるわけにはいかない両者は、今節、上位生き残りをかけて、Ｃ大阪のホームである金鳥スタにて直接対決する。
攻撃のタレントを多く抱え、「攻撃型」のチームとして今季戦い続けているＣ大阪と清水。華々しい打ち合いを今節でも見たいところだが、どちらも現在の課題は、決定力にある。特に深刻なのがＣ大阪。最近5試合中、無得点だったのが4試合と、ゴールが遠い。それも、常に二桁のシュートを放ち、第27節仙台戦に至っては24本と打ちまくりながら、どれも空砲に終わる有り様。前節の名古屋戦でも相手を上回るシュート数14本で果敢に攻め込むも、GK楢崎正剛をはじめとする名古屋守備陣を最後まで崩しきれず。PKによる1失点に泣き、鹿島と並んでリーグ最少失点タイを誇る守備陣を見殺しにしてしまった。
それでも、チャンスを数多く作り続けていることもあり、Ｃ大阪の面々は前を向いている。レヴィークルピ監督も「この試合ではフィニッシュのところが大事になるが、今までのサッカーを信じて貫くことが求められる」と、継続性を強調。「自信を持って試合に臨んでほしい」と、選手たちに全幅の信頼を寄せている。また、家長昭博も「自分たちのやることは、やれていないとは思ってない。内容と結果を求めてやっていきたい」と、チームの戦い方に自信を示すなど、選手たちのゴールと勝利への意欲は決して衰えていない。
今節ではチームトップスコアラーのアドリアーノが累積警告のために出場停止となるが、今度は逆に司令塔のマルチネスが出場停止から復帰。また、前節名古屋戦で試合中に右肩を脱臼し、状態が心配された乾貴士も、今週の練習で元気な姿を見せ、今節も気合十分でピッチに立つ見込みだ。さらに、10月31日の関西ステップアップリーグ京都戦で2ゴールを上げ、この清水戦では先発が見込まれる小松塁も、今週のトレーニングでは好調を維持。最近の試合でゴール前にて決定的な場面を迎えながら、決められず、悔しい思いをしてきただけに、今度こそJ1初得点への期待は高まる。「（ゴールへの）迷いとかはない。得点は感覚的なところもあるが、早く決めたいと思う」という長身ストライカーに注目だ。
対する清水は、最近5試合で常にゴールは奪っているが、勝利した第27節山形戦（3-0）を除けば、1点しか取れない試合が続く。そのうえ、ディフェンス面で持ちこたえられないことで、勝点を積み上げるチャンスを逸してきた。第26節では終了間際の失点で最下位の京都に1-1とされ、第28節では先に2点を奪われてＦ東京に敗れるなど、J1残留争い中の相手にホームで勝てなかったことは痛恨の極みであろう。加えて、1日には6シーズンにわたってチームを率いてきた長谷川健太監督の退任がクラブから発表されるなど、清水には激震が走った。そのなかで迎える今節、岡崎慎司、藤本淳吾、小野伸二らイレブンが、Ｃ大阪相手にどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。こちらも見逃せない。
前回の対戦では第15節にアウスタで清水が3-2と勝利。特に前半は一方的な清水ペースで、兵働昭弘や小野、藤本らが流動的に攻め続けてＣ大阪を圧倒。終盤、ややトーンダウンしてセットプレーから2失点するも、相手を寄せ付けず、Ｃ大阪レヴィークルピ監督も「我々がいいサッカーをできなかった数少ない試合の1つだ」と認めるほどの、清水完勝の内容だった。果たして今回もリーグ3位の得点力を武器に、清水が序盤から速いプレスを仕掛けて攻め立てるのか。それとも、現在無敗中のホーム、金鳥スタで、今度こそＣ大阪の攻撃陣が爆発するのか。「キンチョウ クライマックス！」と銘打たれたこの一戦で、お互いの意地がぶつかり合う。
以上
2010.11.05 Reported by 前田敏勝
